夢幻の宴
「それじゃあ...魔王討伐を祝って、乾杯!」
パルスの中央街にある酒場でひとつ、祝いの宴が開かれていました。十数人の人々で集まり、勇者一行を囲い祝う...かつて、魔女が勇者と約束した未来が訪れたようでした。
「改めて...久しぶりですわね、アリア。」
「まさかリアちゃんがこんな可愛い魔女ちゃんになってるなんて...うち、感動だよ!」
勇者一行...数百年前、魔女がまだ普通の少女だった頃の仲間達。もう二度と会えないはずの、友人達。
勇者のアヤメ、魔道士のリルカ、双剣のルプス、魔術師のアリア...4人で共に過ごした時間は魔女にとってかけがえのない、大切な時間でした。
そんな彼らと再び酒を交わすことが出来る...そんな事実が魔女にとって、受け入れ難くもとても嬉しいものでした。
「お久しぶり...ですね、皆さん。またこうやって話す事が出来て...とても、嬉しいです」
「リアちゃん!これ、あげる!ずっとあげたかったんだけど、中々渡せなくて...やっと渡す機会が出来て良かった!」
「これは...アイリス、ですか?とても綺麗ですね...ありがとうございます、ルプス姉さん」
「そうだアリア、あの時の事なのですけれど──」
何気ない話は絶えず、時間が長いような短いような...まるで終わらぬ宴のような感覚でした。
時間にして...約1時間程経った時、酒場の戸が開きました。
「──!ようやく見つけた、先生!」
「...!師匠!」
開いた扉の先には、カナメとミリアが立っていました。
「あ...すみません、長居してしまって...一旦伝えに帰るべきでしたね。...そうだ!せっかくですし、皆さんに紹介させてください!」
「...?師匠.....?」
「このお二人は私の...弟子なのです!」
魔女は...寂れた酒場の何も無い空間に向かって、そう紹介しました。




