再会
「しかし...ここの物価は高いですね...」
パルスへ来て2日目。魔女は買い出しに来ていました。
「はぁ...仕方ありません、まだ必要ないと思っていましたが予定外の出費もありましたし...今度冒険者登録でもしに行きますか...」
「そこの魔女ちゃん、もしかして冒険者になりたいのか?」
商店街を歩いていると、オレンジ色のもふもふとした獣族の方に話しかけられました。
「えぇ、まぁ...何かご用でしょうか?」
「もし良かったら、うちのパーティに来ないか?冒険者ってのは危険が付き物だが、魔女ちゃんなら...何もしなくたっていいさ、お金が欲しいんだろ?」
「...はぁ、つまりはナンパでしょうか?残念ながら私にはもう仲間が居るのです...失礼します」
「そんな釣れないこと言うなよ、そのお仲間より役に立つぜ?」
突如どこからか現れた仲間と共に仁王立ちし、行く手を塞がれてしまいました。
「いい加減にしてください。しつこい男は嫌われますよ?」
「はっ...抵抗するのが悪いのさ。さぁ早くこっちに...」
「──...っ?!」
掴まれそうになり、防御魔術を発動しようとした瞬間...魔女と獣族達の間に1つ、影が現れました。
「──アリア、大丈夫かい?」
「.....ぁ...あなた、は...」
「あ?なんだお前...魔女の仲間か?」
「行こう、アリア。こんな所で不良と話している暇はない、僕達はやるべき事がある...そうだろう?」
突如現れた影...金髪の青年は、魔女の手をひきながら追ってくる獣族達をまき、路地裏へと逃げ込みました。
「ここならもう追ってこないね...何もされていないかい?もし怪我があるのなら、リルカ嬢に──」
「あなた...は、誰...なのですか...?」
「...あはは、僕のこと...忘れてしまったのかい?僕は...この世界に召喚された勇者、リツさ」
「...違い、ます...だって...あなたは、あの時...」
「...死んだ、そしてこの世界から忘れられた...確かに僕は...僕達は君と違ってもう生きていないよ」
「じゃあ...なんで.....なんであなたは...ここにいるのですか……」
「それは──」
「ようやく見つけましたわ、リツにアリア...良かったですわ...アリア、怪我はありませんこと?」
「あ...リルカ...様、まで...」
魔女の眼前に映るのは、金髪の青年と赤髪の貴族の少女...まるで、昔に戻ったような感覚でした。
もう二度と会うことの出来ないはずのかつての仲間との再会は...とても突然なものでした。
「さぁ...行こう、アリア。皆が酒場で待っている...そこでちゃんと説明するよ」




