琥珀
「...蛇さん達は、一体何を目指ているのですかぁ...?」
宿屋の一室で、拗ねながらコハクが魔女へ尋ねました。
「それは.....端的に言えば...強くなるため、でしょうか。誰にも負けないような...決して折れない剣になるために、あの子達は弟子になりましたから。」
「...それって、あの人が言っていた勇者と関係があるのですかぁ?」
「...はい、あります。ですがまだ...相手が、敵が誰かが分からないので...すみません、細かい事は言うことが出来ないのです」
「そうですかぁ...蛇さんも大変ですねぇ〜」
「コハクさんも、一緒に来ますか?」
「...なんでそうなるのですかぁ...?コハクは一人でいいのですよぉ」
「怖いのでしょう?孤独になるのが。...あなたは...不朽の呪いにかかっている。だから...人の死を目の当たりにするのが怖い」
「...はぁ、そういう所はお見通しなんですねぇ...」
少しの沈黙の後、ゆっくりコハクは喋りだしました。
「...コハクは...幼い頃、呪いのせいで両親に捨てられて...その後、1人の優しいご主人様に拾われましたぁ...。人族で、頼りないところもありましたが...とても大切にしてくれてぇ...あの時はとても、幸せだったなぁ.....。でも...ご主人様は...コハクを置いて、空へ旅立って...しまいましたぁ...それから...コハクは.....怖くて、ずっと.....ずっと、一人...で..」
「...生物というものは、ずっと一緒に居ることはできません。命は...永遠に続くこともあれば、突然消えてしまうこともあるだからこそ...眩い命の輝きの瞬間目に焼き付けて、記録するんです。その為に...私達の様に長寿の者が居るのですから...すみません、辛い思いをさせてしまいましたね...私達と共に、旅に出ませんか?少なくとも私は...あなたを置いていくことはありませんよ」
「...コハク...は.....一緒にいても...いいのでしょうかぁ...?コハクは...悪い子で、...嫌われ者...なのにぃ.....」
「大丈夫ですよ...カナメやミリアも受け入れてくれます。...確かにあなたは呪われていて、悪い事もしてきました...ですが、確かに才能があります。私が見抜けない様な魔術を見抜いたり、気付かないほど繊細な技術を持っていたり...誇っていいのですよ。持って自分に自信を持って...胸を張って生きていいのです」
「...っ...は、い.....コハク...頑張りますぅ...精一杯頑張って...いつかご主人様と会えたらぁ...いっぱいいっぱい自慢しますぅ...!」
コハクはそう言って笑って見せました。




