保護猫
獣族国家パルス...ここは、住人の殆どが獣族の街です。そして、獣族の中でも最も獣に近い者である神獣スペスを信仰していると聞きます。
「しかし...この街、毛が凄いですね...」
換毛期なのか、街の中はものすごく毛が舞っていました。
「結構同じ種族でも見た目が変わるんですね...ミリアやコハクは耳や尻尾が、師匠は蛇の尾があるだけなのに、ここの人達は結構獣の特徴が出てるというか...」
「獣族にもまた種類があるのですよ。獣族は獣族でも身体的特徴は現れなかったり、殆ど変わってしまったり...身体が多く変わってしまう程、理性が失われてしまう為殆ど人型に留まる程度しか見掛けることはありませんけどね。しかし、その中でも理性を保つ者もいるにはいます。例えば...神獣がその例ですね」
獣族について話していると、いつの間にかに目的地へと着いていました。
「先生、ここは?」
「コハクさんの家です」
「...え?コハクの家、ですかぁ?」
「はい、あなたのこれから住む家です。あとこのお金をどうぞ」
「へ、蛇さん...いえ、蛇様...!コハクのために家を用意してくださるなんてぇ...一緒に着いてきてよかったですぅ...!!」
「そのお金は先日のお礼です。ありがとうございました、コハクさん」
「はいぃ!早速中に──んにゃぅ!!」
コハクが家に入ろうとすると...突然ドアが開き、顔をぶつけてしまいました。
「ふ、不審者ですかぁ?この家はコハクのものなのですよぉ!」
「...ん?おや、アリアじゃないか...この子はお友達かい?」
「はい、これから新入りとなる猫、コハクさんです。」
「...?何を〜...言っているのですかぁ...?」
「おや、聞いていないのかい?ここは...保護猫施設だよ。世界各地にいる不幸せな猫の獣族達の居場所だ。ワタシはカミラ、ここの施設長さ。話はアリアからの手紙で読ませて頂いた...安心するといい、きっとここは、アナタの最高の居場所となるだろう。」
「こ、コハクは群れで生活するのは嫌なのですよぉ...」
「大丈夫さ...最初は皆嫌がる。だが数日経てば実家のようにくつろぎ出すんだ...アナタもきっと気に入るよ」
「い、嫌なのですぅ...こういう所、苦手なのですぅ...」
困りました...コハクは柱にしがみつき、中に入ろうとしません。
「わがまま言わないでください、また財布を盗んで生活をするのですか?明日生きれるか分からない生活が嫌だったのではないのです?」
「あはは、ゆっくり決めてもらって大丈夫だよ。アリア達はまだ、こっちに滞在するんだろう?それまで一緒に考えるといい。」
「すみません、カミラさん...一旦帰りますか...」




