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54. 雨の国 懐かしい定食

いつも読んでいただきありがとうございます。


更新時間が遅くなりました。


「そっちのお鍋をとってもらえますか?」


「これですか?」


「はい、ありがとうございます」


 ただいま宿屋の厨房で宿屋の娘さんと一緒に夕御飯の支度をしています。


 あれから娘さんと話をしてわかったのは、この宿屋はおかみさんと娘さんの二人で経営しているらしく食事と受付を担当するのはおかみさん、掃除を担当するのは娘さんと分担が決まっていたらしいです。


 しかし、二日前におかみさんがぎっくり腰になってしまい動けなくなってしまったので宿屋の経営が思うようにできなくなったらしいんです。


 私も原因がわかるような気がしています。


 ガラガラガッチャン!


「あっ、す、すいません!落としちゃいました…」


「大丈夫ですよ。怪我してませんか?」


「それは大丈夫です」


 娘さんはこれで何回目かと思うくらい食器や調理器具を落としています。この人…一所懸命なんだけどそそっかしいんだろうな。


 しかも料理音痴だと自負しているくらい料理はできないらしいです。自分が認識するくらい酷い料理って…娘さんの料理に興味が湧きますよね。


 なので様子を見るためにも料理を手伝ってもらうことにしたんです。


 今夜のメニューは宿にあった食材を見て候補を決めました。やりながら何にするかを決めたいと思います。今から完成が楽しみです!


 まずは食材を準備して切るところから…と思って始めたのですが、娘さんのやらかしがありなかなか進まない状況です。


「…もう私って…本当にダメね…」


 おおっと、これはかなり落ち込んでいるみたいですね。


「ダメじゃないですよ。母親思いの優しい人なのに全然ダメじゃないです。誰だって苦手なことありますよ。もちろん私も苦手なことありますよ」


「え…アイオラさんにも苦手なことがあるんですか?何でも出来そうなのに…」


「そんな風に見ていただいてありがとうございます。でも私もしょっちゅうレグルスに怒られてますからね」


「そうなんですか!?」


 娘さんは私の事を余程できる女だと思ってくれていたんですね。料理は好きだから出来ますけど、興味の無いことは一切やりませんよ。


「詳しい話しは後にして、とりあえずは料理を完成させてしまいましょう!」


「そうですね」


 娘さんの落ち込んでいた表情も消えて、明るい表情になりました。良かった、よかった。


 料理再開です。


 話しながらも食材は切っていたので、後は調理を開始すればオッケーです。


 最初にするのは、この国に来てから見つけた食材の米を炊きたいと思います!


 念願の米~!!!


 食べたかったよ~!


 異世界のお米は家畜のエサとかに使われていることが多いみたいで人が食べる用に作られているお米は流通が少ないみたいなんですよね。元日本人の私はお米大好きだから困っていたんです。一時は本気でお米を栽培しようかと思っていましたからね。


 念願の米は美味しくたきますよ!


 まずは、米研ぎをして水が濁らなくなったら新しい水を入れて浸水させます。その間におかずの準備をしようかな。


 娘さんは初体験のお米料理に戸惑いを見せていますが、食べてもらえばお米の良さを理解してもらえるはずです!まあ、黙って見ていてください!


 せっかくの白米なのでそのまま食べたいと考えると、丼料理は違うしな~。う~ん、やっぱり食材から考えてもあれかな。


 ヒントはこの宿の食材の中に驚くものがまだあったんですよ。この雨の国は前世の日本と似た所があるみたいなんです。気候的にもむいているのかな?作る地方によって色や味も違う物で、最近は減塩の物も売られているアレです。茶色くて、昔は朝食に必ずと言っても良いくらい食べられていたものに使われていたアレ。


 そう…お味噌です。


 ナント雨の国では発酵食品が沢山作られているそうなんです。娘さんに聞いたところによると、お味噌、醤油に似た調味料などがあるそうなんです。


 お味噌汁~!前世、看護師をしていた時、夜勤明けで家に帰ると必ずお味噌汁を飲みましたよ。あの時はインスタント味噌汁でしたけどね。それでも夜勤明けの私の胃袋には染みましたよ。


 具は異世界野菜をたっぷり入れて、お米はシンプルに塩おにぎりで食べたいと思います!おむすび定食のラインナップ!


 フッフッフッ…しかもまだありますよ。


 この宿屋では鳥を飼育しているらしく食材の中に白いアレを見つけました。それに鳥のお肉もありますよ。


 残念ながら海のお魚などの魚介類は無いので、鳥で出汁をとり、それをアレに投入!そして丁寧に焼きながら巻いていきます。地域によっては甘かったり、しょっぱかったりするアレです。


 そう…だし巻き玉子もおむすび定食につけちゃいます。いや~!完璧!日本の味!後はお味噌汁の野菜が煮えたらお味噌を入れて、ご飯が炊き上がったら熱々の間におむすびにするだけです。


 考えただけでもヨダレが…。


「アイオラ様、久しぶりにお口から透明な液体が出てますよ。人前ですからお口をチャックです。しっかり拭いて閉めて下さいよ」


 レグルスからお口チャック注意されちゃいましたが気にしません。娘さんの視線も気にしません。


 だって…私にはおむすび定食というご褒美が待ってくれています。


「そろそろご飯が炊けているはず…」


 鍋の蓋をとるとふんわりお米の香りが漂います。米粒が立っていて最高の炊け具合です!私、ブラボー!!!


「よし!気合いだ~!!」


 お塩を炊き立てのご飯に先に混ぜてから手に取ります。


「熱、熱、熱い!」


 熱いので空中に投げるようにお米を握ります。


 その様子を娘さんが少し引き気味で見ていますがこれも気にしません。


 最後まで気合いを入れて熱々のお米を全て塩おむすびに仕上げました!


 おむすび完成!


 お味噌を早く完成させなければ!


 野菜は煮えているので火を止めてお味噌を入れればお味噌汁も完成~!


 おむすび定食出来上がりです。


「初めて見ましたが美味しそうな匂いがしますね」


 私を引き気味で見ていた娘さんが匂いにつられて近くまでやって来ました。


「温かいうちに食べたいので食堂に運びましょう!」


 自分の分を持ってもらい食堂に移動します。


「いただきます!」


 まずはお味噌汁から…。


「美味し~い!野菜の甘みが出てるしお味噌自体も甘くて美味しい」


「こんな風に使っている料理を初めて食べましたけど、とても美味しいです!母にも食べさせたいです」


 娘さんの口にも合ったみたいで良かった。


 レグルス&モコ達は無言でおむすびとお味噌汁を食べています。感想を聞かなくてもわかるくらいの食べっぷりです。


 おむすび定食は成功したみたいですね。


 あっという間に全員完食です!


 あ~、美味しかった!ご馳走さまでした!






 


 


 


 








 

"飯テロだな"


"何ですかそれ?"


"知らないのか…"


ニヤリとするモコ。


"何だか腹が立ちましたわ…"


キュートが何かを感じとりました。その後のモコはどうなったのか…。


みなさんのご想像にお任せします。




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