46. 星の国 鳥肌増産しています
いつも読んでいただきありがとうございます。
パーティー会場の扉が開かれた。
そこには華やかな世界が広がっていた。美しく着飾った貴族の人々が顔を仮面で隠して談笑している。普段の私なら見ることの無い世界きらびやかでそして独特な世界。
「同じ形の仮面をつけている者は仲間です」
貴族モードのお爺様が耳打ちするように小声で伝えてきた。仲間…けっこうな人数がいることに驚いた。
「あの赤いドレスに黒い刺繍がしてある派手なドレスを着ているのがこのパーティーの主催者の王妃です」
レグルスがじっと見つめる先には毒々しいような赤色のドレスを着たブロンドヘアーの派手美人がいる。あの人が王妃様なのね。確かに美人さんだけど性格キツそうだな。…あっ、そうじゃないと人を呪わないか。
一人ボケ一人ツッコミが終了し、周りをよく観察してみる。
王妃様の隣にレグルスと同じ年代に見える若い男性がいる。王妃様と同じブロンドヘアーなのを考えると王子様なのかなと想像できる。
いや…親と一緒に仮面パーティーに出る?無いわ~。
「うわぁ、ヤバい…」
観察していたつもりが王子をガン見していたらしく目があってしまった!仮面だし…気のせいだよね。…と思ってしまおうとしたが王子が私に向かって歩いて来る。
「アイオラ様、気をつけて下さいよ」
レグルスにつつかれながら反省していたら王子が私の目の前に来ていました。
「美しい人、お会いするのは初めてかな?」
うわぁ~、鳥肌がたつ~。でも何か返さないとね。
「…こちらには初めて来ましたので、あなた様とお会いするのは初めてですね」
言い慣れない言葉に舌を噛みそうになる。
「そうだよね。貴女みたいに美しい人がいたならば忘れるはずが無いからね」
前髪をかきあげながらチャラい言葉をはいている姿に鳥肌増量してしまいます。関わりたくないよ~。
「あっ、もしかして僕と話せる事で緊張してるのかな?大丈夫だよ」
何が大丈夫なんだ?自惚れ発言で私の鳥肌さんは更に増量されてしまっていますよ!私が黙っているのは貴方と話したくないからです!
「仮面を着けていてもそれだけの美しさなら…」
王子が距離を縮めて私に詰め寄ろうとした時、レグルスが間に入ってきました。
「申し訳ございません。私の婚約者に何か失礼がありましたか?」
笑顔だけど相手を威圧する感じのオーラを出しているレグルスに王子は少し後退りしてます。チャラ王子、メンタル弱いな。
「な、何でない!失礼する」
メンタル弱々王子はすぐに目の前からいなくなりました。代わりに王妃の視線が送られてきてますけどね…。ヤバくないですか?
「レグルス…助けてもらって有り難いけど…見られてるよ。大丈夫?」
王妃の視線から私を隠すようにレグルスが間に立ち背中を向けます。危ないのは私じゃなくてレグルスなんだけどな。
こういうのは聖女時代の頃の名残りなのかな。
「失礼致します。主催者があなた方とお話をしたいと申しております。お受け頂けますか?」
突然、執事さんみたいな格好をした若いイケメンが声をかけてきた。…主催者って王妃の事だよね!?
キター!!!呪いの元とのご対面!
ど、動悸が…。
「有り難くお受けします」
私が激しい動悸に落ち着かないというのにレグルスは涼しい顔で返答している。前から思ってはいたけど心臓強すぎだよ。これって何とかって言うんだよね?何だっけ…心臓に毛が生えている!だったかな。きっと、レグルスの心臓剛毛だよ。
私に腕を差し出して小さい声で「行きますよ」と声をかけてきた。レグルスの腕をとり大きく深呼吸をした。
ゆっくりと王妃に向かって歩き出す。緊張しているからか身体がフワフワとした感じがする。
私なりに呪いに対する準備もしっかりしてきた。魔道具も用意した。ドレスのしたに何個か忍ばせている。前世でいう御守がわりだ。
王妃に近づくほど呪いの濃度が濃くなっているのを肌で感じる事ができる。この人…よく生きてるな。普通の人ならこの濃度の呪いには耐えられず気が触れている。人間…だよねと疑いたくなる濃度です。
レグルスに影響が無いように昨日、呪い避けの魔道具を渡しているので新しい呪いには対応できるはず。…だけど、濃度が濃すぎる。大丈夫かなと心配になってきたよ。
うわぁ、周りの人達は呪いに魅力されている!
そんな事が出来るんだ!?
「フフッ…ちょっと失礼」
私達が近くまで来ると人に囲まれて談笑していた王妃が人混みを掻き分けて私達の方へゆっくりと近づいて来た。
蛇に睨まれた蛙の気持ちが今の私には良く理解できます。
だけど私の脳内には戦国時代のホラ貝の様な音が響いています。
ボーオオオ!ボーオオオ!!
や、やってやりますよ!○宗様見ててください!!と誓いながら、こっそりポケットに入れている眼帯を握りしめた。
更新ペースが落ちたら驚くほど読者様が少なくなったので、もう少し気合いをいれて頑張ってみようかと思っています。
引き続き読んでいただけると嬉しいです。




