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31. 夜の国 屋台だー!


 いざ星の国へ出発!とレグルスの叔父さん達に別れを告げて精霊の国を出たまでは良かったのですが、どうやら星の国にはすぐには行けないようです。


 何でも星の国に行くためには空の国に行ってから夜の国に行きそれから星の国に行くというルートしかない上に何でも体を慣らす?為に夜の国で最低でも3日は過ごしてからでないと行けないらしいんですよね。


 なんだそれー!って感じですね。幸いにも空の国にはもう行ったので今は夜の国に向かっています。


「ねぇレグルス、体を慣らすって何?」


「ああ、それは暗闇に体を慣らすということですね」


 暗闇に体を慣らす?とはなんだろうかと思っていると、私が理解していないことがわかったレグルスが詳しく説明をしてくれた。


 夜の国は一年の殆どが闇に閉ざされた国らしく、太陽が空に登ることがないそうだ。その為、慣れていない人は体内時計が狂いやすく不眠症になったりすることがあるので何日か滞在して体を慣らす必要があるらしい。


 星の国とあと月の国もあるそうだがこの二国は元々は夜の国の一部だったそうで、この三か国どこに行くにも体を慣らすということをするそうだ。


 そう言えば前世でも夜が長い国ってあったなと思い出した。あの国の人々も太陽にあたる時間が少ないから、うつ病や不眠症になりやすいとかと聞いたことがあったような…。


 異世界でも基本的な体の作りは変わらないのかと変なところで安心してしまった。


「さあ、着きましたよ。これに乗って夜の国に行きます」


「うわぁ~、ピカピカ光ってる…でっかい電球みたい」


 目の前にあるのはピカピカと光っている気球だった。闇の中なので光が凄い目だっている。


「動物とかだと暗闇に紛れすぎて防衛的に不安なので夜の国などに入国する時はこのような光る乗り物に乗っていただく事になっています」


 気球乗り場のお兄さんが優しく解説してくれた。


 早速、気球に乗り込んで夜の国に入国する。上にゆっくりとあがって行く気球から見える景色は…真っ暗で何も見えない。


 だが、気球が上から横に移動し始めると真っ暗だった景色が一変した。


 目の前にまるで前世のクリスマスのイルミネーションを思い出させるような電飾で飾られた屋台が立ち並んでいたからだ。


「屋台だ~!」


 久しぶりの屋台にテンションが爆上がりしてしまう。これは久しぶりに屋台グルメを堪能できるかもしれない。


 落ち込んでいた気持ちが食べ物でこんなに上がるなんて…我ながら情けないよ。


 でも気分転換は大事だよね。ここで美味しいグルメを堪能して星の国に行くパワーをつけるよ!


「目が輝いてますね…。それとまた透明な液体がお口から漏れてますよ。早く拭いて下さいね」


 ハイハイ。グルメの前ではレグルスのお小言も軽くかわせます。


「お兄さん、この国の名物って何かありますか?」


 気球を運転しているお兄さんに聞いてみることにした。


「そうですね…。食べ物というよりもお酒とかが有名ですね。この国では太陽が顔を見せることが殆ど無いので作物が育たないんです。だから他国から食材を輸入して加工品を作ってるんですよ。その中で有名なのは…ソーセージとかかな」


 おお!お酒とソーセージなんてビールが有名なあの国みたいじゃない?お酒を飲む人にはたまらないよね。


 あれ…でも私ってお酒を飲めるんだったかな?記憶を辿ってみたが飲んだ記憶が無い。前世の記憶ならたっぷりあるんだけどな。


「そう言えば成人してすぐにあの国を出たのでお酒を飲んだことは無い…かも」


「お酒を飲むつもりなんですか?」


 レグルスが驚いたように私の顔を見てくるが何が言いたいのだろうか。


 飲みますけど何か?だよ!


 前世では日本酒のあてに○宗様のグッズを眺めなるというのが休日のルーティンだったな~。懐かしいよ。


"ソーセージって旨いのか?"


"私も気になります"


 モコとキュートがソーセージに興味をもったみたい。あれ?そういえば妖精さんがおとなしいな…。


 目立つので鞄の中にいてもらったのですがおとなしすぎるのが気になります。こっそり覗いてみると…。


"はぁ~、本当…良い気持ちらよ。世界ちゅ最高~!"


 ん?もしかして酔っぱらってる。世界樹の枝を真っ赤な顔をした妖精さんが抱き締めていますが、呂律がまわっていないような…。もしかして猫にマタタビみたいなもので妖精と世界樹の組み合わせは良い気持ちにさせるのかな。


 妖精さんはこのままにしておくことにします。絡まれても面ど…困るので…。


 気球が地面に着地して夜の国に下り立ちました。


「ソーセージー!」


 鮮やかな電飾を目指し走ります。そしてソーセージを売っている屋台を発見しました。フランクフルト形式で串にさして売っています。


「おばさん、これを4つ下さい」


「はいよ」


 お金を渡して受けとります。後から遅れてきたレグルスに一つ渡して、モコとキュートに1つずつ串を抜いて食べさせます。


"辛!"


"スパイスが効いていて美味しいです"


 どうやら少し辛いソーセージのようです。私も一口食べてみます。


「辛~い!」


 一くち口にいれただけでも口の中が燃えるように熱くなっています。えっ?さっきキュートちゃんはスパイスが効いていて美味しいって言ってたよね?彼女は辛党のようです。


「言い忘れていましたがこの国ではこれが基準くらいの辛さですよ。極端に辛いか甘い味付けになります」


 そういうことは先に教えてよ~!


 誰か口の中を洗い流したいのでお酒持って来てください!


 ヒ~!辛すぎだよー!










 




 






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