18. 空の国 取材してたら会っちゃった!?
透明な液体の止めかたは依然わからず…朝食を食べ終わったので空中庭園に向かっています。まずは下にある庭園から見に行くことになったのですが…。
「この階段を下りるの…。え~と、何段くらいあるのかな~?」
「100段よりあるくらいじゃないですか」
あっさりと言いますよねレグルスさん。
目の前には終わりが見えない下りの階段…。エレベーターとかエスカレーターとかはないのかなと前世の癖で探してしまいそうになります。そう言えば前世でもこんな階段があったなと思い出します。あれは四国に行った時だったかな。あの時も先が見えない100段以上の石階段があって、そこに昔の籠みたいなものに乗せてくれるのがあって迷ったんだったな~。あれに乗ると凄い注目されるし、自分の足で登った方が御利益がありそうだしなと考えて結果、自分の足で歩いたんだけど最後は膝がわらってた。またあれなの?
レグルスは私を置いて先に階段を下りていってしまっている。昔はもっと大事にしてくれてたような…。扱いが最近雑すぎない?
「アイオラ様口から本心が漏れてますよ。それと人形に話しかけているのは人目を集めますよ」
「ぐっ…」
ぬい様に愚痴を聞いてもらっていただけなのに…。
私はぬい様をポケットにいれて、覚悟を決めて階段を下りる。段差じたい高くないので下りやすいんだけど終わりが見えないのが心を折られる。しかし違うことも気になるんだよ。
「こんなとこまで白色で統一されてるんだね」
階段も壁も全てが白。空の国じゃなくて雲の国と名前を変えた方が合っているんじゃないかと思うのは私だけなのか。そんなことを考えながら気をまぎらわせて歩くこと数十分…。
「到着しましたよ。あの扉の先が庭園です」
「ハァハァ…やっと…ついた」
途中挫けそうになった時はぬい様を抱き締めながら頑張ったよ私!
これまた白い大きな扉が目の前にあってそれを開けると空中庭園に入れるらしい。扉の前には受付の人がいてレグルスが話をしている。どうやら無料ではないらしい。世の中そんなに甘くないね。絶景はお金になるのだ。
受付の人が扉の横にある少し色の違う石に手をかざすと大きな扉が開きだした。扉が開くと同時に眩しい光が差してくる。
「うわ!眩しい」
眩しさのあまり閉じていた目をゆっくりと開けると目の前には絶景が広がっていた。
庭園は透明な壁で囲まれていて360度どこからでも景色が見える様になっていた。高所恐怖症の人には耐えられないくらいの高さを確認できるが下には青く輝く海が広がっている。上からこんなに広い範囲の海を見ることができるなんて…。前世の飛行機の窓から見える海の景色とは見える範囲が違っていた。横の壁部分にはうっすらと白い雲が囲んでいる。まるで大人気のアニメの世界に入り込んだみたい。
夢じゃないよね?もしかして私は転生したのではなく前世で事故にあって寝たまま目を覚まさない状態で長い夢を見ているとか?私は自分の頬をつねった。
「痛い」
どうやら夢では無いようだ。残念なようなほっとしたような何とも言えない気持ちになる。
「何をしてるんですか?画像を撮るのではないのですか?」
「と、撮ります!」
慌てて鞄から道具を取り出す。そうだよ、私はこの世界にガイドブックを作るんだったよ。今まで読んできたラノベの感じでは絶対にヒットすると思うんだよね。自信しかない!
ビデオカメラで周りを撮影する。撮影していてわかったのはゆっくりと景色が変わっているということだった。これって空の国が動いているってことだよね。
「レグルス、この国ってゆっくり移動しているの?」
「はい。ただ他の国に警戒されない様に距離をとりながら移動しているらしいですよ。今は海の上なので少し高度が下がっているようですが他国の領土の上にいる時はもう少し高度をあげるらしいです」
「へぇ~」
自由自在に動かすことができるなんて確かに他国からしてみれば脅威かもしれない。この国の王族が平和主義じゃないと怖いことになりそうだよね。
話を聞きながらも景色を撮り、そしてぬい様も入れてたまに登場させてみた。レグルスに見つからないようにこっそりね。レグルスも下に見える海の綺麗さに見とれていたからできたので綺麗な海に感謝です。
「こら待て!」
広い庭園の何処からか男性の声が聞こえてきました。ハスキーボイスの好みの声に思わず周りをキョロキョロと見回してしまいます。
ポフッ!
ポフッ?足元にポフッと何かが当たった感覚がしたので見てみると…。
「きゃわたん!何この真っ白なモコモコした丸いの!黒目まで丸いじゃん!舌…あざとく舌まで出して見つめて…可愛すぎる!!!」
足元に居たのはまんまるで真っ白の犬?みたいな動物です。しかもおそらく子供。可愛すぎるんですけど~!!!
「見つけた!そこの人、そいつを捕まえてくれ!」
さっき聞こえてきた好みの声の主が現れた。これまた真っ白のウェーブのかかたモコモコ髪を後ろで一つに結んだイケオジだ。私はカメラとぬい様を鞄にしまい、イケオジに言われた通り足元のモコモコを捕まえて抱き上げた。
やだこのモコモコ手触りまでモコモコでフワフワで気持ちが良い。モコモコは私の顔にスリスリと顔を寄せてくる。いや、このモコモコ絶対に自分が可愛いのをわかってやってない?可愛さにキュン死しそうだよ!
「すまない。助かった…」
少し息を切らしながらイケオジが私の目の前にやって来た。いつの間にかレグルスも私の後ろにやって来ている。イケオジは私からモコモコを受け取ると自分の顔の前にモコモコを抱き上げている。
「こいつめ世話をかけよって…」
言葉では怒っているが顔は笑顔になっている。この人もモコモコの可愛さの虜なのがわかる。
「…もしかしてクラウド殿下でしょうか?」
後ろにいたレグルスがどうやらこのイケオジを知っているみたいだ。
「…バレたか。いかにもブルースカイ・ホワイト・クラウドだ」
名前を聞き終わるよりも早くレグルスが片足をついて頭を下げる。どうした?
「アイオラ様も早く頭を下げて下さい。この国の王族ですよ」
えええ~!!!




