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第165話 邂逅


レイドヴィル・フォード・シルベスター(ヴィル・マクラーレン)

本作の主人公、Sクラス、勇者、エネルギー操作魔術を操る

エネルギー操作魔術:運動、電気、魔力といった力の流れを操作し自身に蓄積、増幅や相互変換が出来る

第二視界領域(プライベート)』:自身を中心とした半径五メートル圏内の情報を、魔力の流れを観る事で完全に把握、物体の動きすら把握する


■■■の加護(弱体)


■■■■■:■■■■■■■■■■■■■


 

「――――」


 ――白い、ただただ白い場所に居るのが分かる。

 逆に言えばそれ以外の一切の事が分からない、ここに来る前は何をしていたのだったか。


「――――」


 いくら考えても何も思い出せない、ひとまず自分の事は置いておく事にして、周りの状況確認を行う事にした。

 白い、ただ白い、それ以外の感想が何も出て来ないくらいには辺りには白が満ちていた。


「――――」


「――――」


 遠近感覚が狂うこの世界、普通なら一刻でも早く立ち去りたいと思う所なのだろうが、どうしてか忌避感のようなものは湧いて来ない。

 どころか不思議と落ち着くような、懐かしいような気分になってくる気さえする。


「――勇――――――――――」


「――――――様――」


 ひとまず立ち上がろうと手を着いたが失敗、繰り返し挑戦するも立ち上がる事さえ叶わない。

 何度挑戦しても上手くいかなかった理由は単純明快、そもそも手が無かったからだ。

 手だけではなく足も無い、喋ろうとしても口が無い、頭が無い、より正確に言えば体の全部が存在していないのだ。

 どうやら視覚のみを有した精霊のようになっているらしいと気付けたのは、それが仮初のものであっても自分が日頃から精霊という存在に触れていたからだろう。


「――――――――――を犠―――――――――――謝罪――――――――――――」


「―――――不要――――――――覚悟は――――――――」


 そうしてようやく自分は何者であったかを理解する。

 自分は――あたしはローラ・フレイス、アルケミア学園一年Sクラスのローラだ。

 どうしてそんな事も忘れていたのか、それはきっとこれが夢の中のようなものだからなのだろう。

 夢だと思えば、この不可思議な空間にも納得がいくというものだ。


「――たしも――――不完全な存在です――抜け落ちて――――訳ありません」


「いえ――新たな情――――だけでも十分―――――――謝しています」


 そして直前に何があったのかも思い出した、突如現れた黒い龍に襲われたのだ。

 とはいえそこで記憶は途切れている為、後の事は一切不明なのだが。


「――う言って頂けると助かります。ともあれ、これで正式にわたしの加護が備わった筈です。何故生まれたと同時に付与されなかったのかは分からず仕舞いのままですが……」


 と、そこで気付く、この真っ白い空間に居たのがあたしだけでは無かった事に。

 二人、二人……?片方があたしみたいに丸い靄のようになっている事に目を瞑れば、その向こう側にももう一人、計二人が向かい合って何事かを話している。


「それは私の魔術特性が影響しているのではないでしょうか。少なくとも私を診てくれた医者は、私の魔術が魂へ影響を及ぼしていると診断していました」


 それにしても不思議だ、二人の話し声は聞こえるのに内容が全く以て理解出来ない。

 まるで全く別の言語で話しているかのようだ。


「神代との差を埋めるための特別な魔術特性です、そういう事もありえるのかもしれません。加護の代償は先程申し上げた通り。くれぐれも乱用は避けるようにして下さいね、レイドヴィル」


 息を呑む、どうして今の今まで気が付かなかったのだろうか。

 話している神々しい白とおぞましい黒が混在したような靄の方、どこか本能的な嫌悪感を感じさせるその正体は、クラスメイトのヴィル・マクラーレンではないか。

 どうしてあたしの夢にまで出て来るのだ、そこまで大きな存在になっていたとでも言うのか。


「心得ております。ですが使わねばならない場面が来た時、私が躊躇う事は無いでしょう。それが人類の盾としての、勇者としての役目ですから」


 いや違う、どうして……どうしてあたしは彼の事をああも嫌っていたのだろう。

 喪ったと思っていた、もう二度と会えないものとばかり思っていた。

 けれど違った、彼女はちゃんとすぐ近くに存在していたのだ、その身を黒に侵されて尚。


「……わたしを、恨んではいませんか」


「恨む?何故です?」


 助けたかった、救いたかった、その後悔は何もかも変わってしまった今も変わらず魂に刻まれている。

 けれどこうして再会を果たしても何もしてやれない、あの時と同じであたしは無力だ。

 それでも、それでも今はただただ、その存在を確かめられた事が嬉しかった。


「わたしの力が及ばないばかりに、あなたを過酷な運命に巻き込んでしまった。その事をです。あなたにはわたしを恨む権利がある。望むのであれば、中身のない身体ではありますが好きにして下さっても構いません」


「私はそのような事望んでおりません。寧ろ、あなた様には感謝しかありませんよ」


 ふと思う、あたしはさっき肉体が無いと言ったが、この体が精霊のようなものだとするなら、移動くらいは出来るのではないか。

 そうとなれば善は急げだ、もっと近くでなら会話の内容も分かるかもしれないし、もう一人の姿も見てみたい。


「感謝、ですか?誰も見聞きしないここでは本心を口にしても構わないのですよ?」


「私の言葉が嘘であるか否かは、あなた様が一番よく理解していらっしゃるのではありませんか?」


「……所詮、残滓に過ぎないわたしには理解できないのです」


 ぐるりと弧を描くように近付いて行く。

 話している二人が気付く様子は無い、そもそも二人にあたしの姿は見えているのだろうか。

 そんな事を考えながら近付くあたしの視界は遂に奥に居る人物の姿を捉えた――瞬間、存在しない筈の心臓が止まる。


「今のわたしがあなたを選び、ここで奇跡的に邂逅が叶った。その時点でわたしはこの場でなじられることを覚悟して……いえ、望んでいたと言ってもいい。今の世界は過去のわたしの怠慢の結果であり罪の証、あなたはわたしの罪を背負わされているに過ぎないのです」


「あなた様のようなお方が罪などと……」


「いいえ……いいえ。これは過去のわたしが及ばなかったばかりに生じた清算の歴史。超常の身でありながら人の子にすべてを託す他なかったわたしの罪。だって、そうでしょう?」


 だって居る筈が無い、彼女以上にこの世界に居る筈のない存在がそこには居た。

 透明にすら見えるヴィル以上に美しい銀の髪、いっそ恐怖する程に整った美貌、穢れを知らず均等の取れた四肢はそれこそ神がかったバランスを体現している。

 かつて魂を焼く程に焦がれた、狂おしい程に求めた、痛ましげに目を伏せて笑うその女性こそ――


「――わたしがかの■■さえ滅ぼせていれば、神々の理想郷は今も存続していたのですから」


 ――女神ゼレス、かつて人と共に在り、人の為に滅んだ神の一柱であった。


「……敵は私の想像が及ばない程に強大だったのでしょう、あなた様の力不足を詰るつもりなどありません。……正直に告白すれば、確かにこの役目を忌まわしく思った事も無かった訳ではありません。どうして私が、理不尽だと、不条理だと、そう嘆いた夜もありました」


「ならば」


「ですが言葉をひるがえすような事は致しません。わたしはあなた様に感謝している。その事実は決して変わる事はありません」


 ただそこに立っている、その事実に涙が溢れて来る――目さえあればそうなっていた。 


「どうして……」


「――選ばれたのが僕で良かった」


「…………っ」


 ただそこで話している、何でも良いから話がしたかった――口さえあればどれだけだって言葉を交わせた。


「僕以外じゃ出来なかった。僕なら必ずやり遂げられる。やり遂げなくちゃならない。こんな役目が他の人に渡っていたらと思うとゾッとする。こんな苦しい思いをするのは僕だけで良い」


「あなたは…………」


「だから僕は、ゼレス様に感謝しているんです。本心を吐露する機会など巡って来ないものとばかり思っていましたが、今日こうして気持ちをお伝えする事が出来て良かったです」


 その女神が今にも泣きだしそうな悲しい笑顔を浮かべている、その事実があたしの胸をひどく締め付けた――体がなくともこの感覚は消えない。


「わたしもあなたを選んでよかった。心の底からそう思います。これで本物の心さえあれば、感動の涙の一つも流せたのでしょうが……」


「そのお言葉が頂けただけで十分というものです。そうご自分を卑下なさらないで下さい。中身が違ったとしてもあなた様もまた女神の一柱、その事実が変わる事は無いのですから」


 そんな顔をして欲しくない、叶うなら抱きしめてあげたかった。


「おや?あそこにいるのはローラ・フレイスですか?まさか彼女がこの場にいるとは」


「ローラが?ではこの会話も聞かれていたと?」


「ああ、そういえばあなたは周囲に正体を隠していたのでしたね。ご安心ください。彼女は巫女ですが格はそう高くありません。会話の内容は聞こえていないでしょうし、万が一聞かれていたとしても現実には持ち帰れませんよ」


 もっとちゃんと向き合っていればと後悔するには遅すぎた、改めようと考えた時にはもう何もかもが遅すぎた。

 ……ずっと、隣にいてくれたのに。


「巫女、ですか?確か彼女は精霊信仰の家系だったと思うのですが、神以外を崇める場合でも巫女と呼ぶのでしょうか」


「……今の世では廃れているのでしたね。神代では巫女は神と交信する資格を持つ者を指していました。おそらく彼女は巫女の血を薄く継いでおり、先祖返り的に覚醒したのでしょう。そういう時代ではありますが、数奇な運命ですね」

 

 けれど今のあたしにはその資格が無い、もう役目は果たしてしまった。

 

「……あなたは、運命を信じていますか?」


「運命、ですか……」


 それは選択の結果ではない、ただ時代が移ろうに従った果てに過ぎない自然の摂理。

 ――それに何より、あの女神はゼレスであってゼレスではない。


「……結論だけ言えば、私は運命を信じていません。人の行く末が全て決まっているだなんて馬鹿げてる。人の人生はあくまでその人のもの、結末は努力次第で幾らでも変えられると、そう信じています。ですが……」


 彼女はもっと感情を露わにする人だった、もっと表情豊かな人だった。

 その中身が別物である事を、あたしは誰よりよく知っていた。


「あなた様が聞くという事は、運命は確かにあるのでしょう?」


「……ええ、残念ながら。人間の行動は、全て定まった運命の下に動いています。どのような選択も、成功も失敗も、命の生き死にですら予め決まっている予定調和でしかないのです。それはわたしがこうなってから続く呪いであり、殆どの人間が逃れ得ない縛り――ただ一人、あなたを除いて」


 女神がヴィルを見ている、ヴィルも女神を見ている。

 そこにあたしの存在が入る余地はなくて、あたしの魂は悲哀に歪んだ。


「私を除いて?」


「あなたは運命を破壊し、再構築する力を有しているのです。この世界が我々神によって編まれ、絡んだ糸だとするならば、あなたはそれを解く事が出来る数少ない人間です。わたしの知る限りにおいて、運命に干渉できる人間はあなたを含めて四人。内一人は覗き見るのが関の山ですし、あなたの改変ほど影響力が強い方はいませんから、その点では唯一と言っても過言ではないでしょう」


 耐え難い情動に視界が歪み、少しでもその穴を埋めようと存在しない手を伸ばす。


「……あなたはこれから無数の運命に出会い、そしてそれらを捻じ曲げていくことになるでしょう。それが良い方向に傾くかどうかはあなたの行動次第。どうか、そのことを忘れないでいてください」


 胸が痛くなるような寂寥感が、それを上回る睡魔に圧し潰される。

 記憶が消えていく、思い出がまた失われていく。

 やっと、やっとたどり着いたのに。


「っ……?これ、は……」


「早いものですが、目覚めの時が来てしまったようです。――最後にレイドヴィル、あなたは今危機に陥っています。黒い龍に襲われ、負傷したローラを庇ったあなたは、落下の衝撃で頸椎と背骨を含む全身の骨を損壊し……残念ながら、既に亡くなってしまっている状態です」


 三人だ、ようやく三人揃った、在りし日の光景が蘇ったかのようだ。

 だというのに。


「意識を失っている状態です、加護が自動で解放されすぐさま……が行われる……でしょう。命を……らすぐに……から上がり……」


 けれどそれは再開ではない、すれ違いの果ての悲しい邂逅だ。


「――レイドヴィル、どうか我らの悲願の叶わんことを」


 ――そしてもう二度と、再開が果たされる事は無い。


 ―――――――――――――――――――――――


 ――遠く、パチパチと火の鳴る音が聞こえる、遠く、ごうごうと水の流れる音が聞こえる。

 その環境音は意識が再構成されると共に近付いて、やがて完全に覚醒した所で正しく耳へと届く。

 あたしは一体、何をしていたのだったか。


「ローラ、起きたみたいだね。まずは目を覚ましてくれて良かった」


 声が聞こえる、どうやらすぐ近くに人が居るらしい。

 起き上がろうと手を付く、ここ最近ですっかり慣れてしまった冷たい地面との間には毛布が敷かれており、最低限配慮されている事が伝わってきた。

 目を開く――ただただ暗い空間がかなり広々と続いている。

 すぐ傍には岩壁、完全な盲目状態では無いのは壁に埋まっている鉱石らしきものが淡く光を発生させているからだった。

 そしてその明かりに照らされて、すぐ傍にこちらを心配そうに覗き込むヴィル・マクラーレンの顔があった。


「大丈夫?どこか痛む所は無い?」


「……特に、ない。けど、どうしてこんなとこに……」


 記憶が混濁している、どうも寝る前の事が思い出せない。

 頭を押さえて記憶を探るあたしに、ヴィルは小さい子供に尋ねるように柔らかい声色で、しかしどこか真剣さを伴って問う。


「自分に何が起こったか、分かる?」


 ゆっくりと、記憶を遡って再現していく。

 洞窟の暗さ、眩い朝日の暖かさ――そして黒い影。


「そっか、あたし……」


 突如として現れた龍のブレスで吹き飛ばされ、右も左も分からなくなった所を襲われ、あたしは気を失ったのだ。

 記憶はそこで途切れている、きっと今の今まで意識を失っていたのだろう。


「思い出したみたいだね。龍の攻撃を受けた君は吹き飛ばされて氷龍の顎に……僕もどうにか引き上げようと頑張ったんだけど、申し訳無い。力不足で落下死を防ぐ事しか出来なかったんだ。川が流れてたのは不幸中の幸いだった」


「そう……そう…………」


 ヴィルの説明は端的で、けれど全てを理解するには十分過ぎた。

 龍に襲われて死ななかったのは素直に喜ばしい、けれど今あたしがいるのがあの奈落の底だという事実は受け入れ難い事だった。

 魔術の使えないここから這い上がるなど不可能、となれば救助を待つ他にはないが、それも望み薄だろう。

 見上げていくら目を凝らしても陽光は届かない、きっと救いの手も届かない。

 思考がそんな絶望まで至った所で、あたしは不意に胸に受けた傷の事を思い出した。


「怪我……っ!」


「それは大丈夫。簡単にだけど治癒魔術で治療して、それから包帯を巻いてある。血も止まってるから安心して」


 慌てて服から胸元を覗けば、白く清潔な包帯が丁寧に巻かれていた。

 多少血は滲んでいるが、巻き方を見るに手慣れているようでひとまず安心の吐息を漏らす。


「そうなんだ……ありがと。礼は言っとく」


「その感謝は頂いておくよ」


 いつもは何かと腹の立つ綺麗な笑顔だが、今だけはその変わらなさがほんの少しだけありがたい。

 川に落ちたと言っていたのに乾いた服に着せ替えられており、自分達が凍えないように、同時に濡れた服を乾かす用にと火まで起こしてある。

 本当に手際が良い、こんな状況だというのに冷静で頼りになる。

 そうして欠片だけでも心を許しそうになって――ふと、疑問が浮かんだ。


「……それでローラ?少し言いにくい事なんだけど、言わなきゃならない事があるんだ」


 川から引き上げ、石炭で火を焚くのは分かる、思考の冷静な部分を残していれば自然と辿り着く行動だろう。

 ……だがどうやって服の下に手当てをしたのだろう。


「知っての通り今は非常事態だ。必要な行動を迅速に選択しなきゃならない。けどいくら正当な理由や大義名分があったとはいえ、許されない事もあると思うんだ」


 あたしの着ていた服が濡れたまま干してある、あたしは今あたしの持って来ていた替えの服に着替えさせられている。

 包帯は服の下、素肌の上に巻かれている。

 そしてこの場にはあたしとヴィルしかいない事も分かっている。

 つまり、ヴィルは意識の無いあたしの裸を見た訳で――


「――ローラの治療と着替えを同意無しに僕の独断で行った。済まない」


「――――――――ッッ!!」


 ――仄暗い地の底に、パンと頬を張る音が響いた。



レイドヴィル・フォード・シルベスター(ヴィル・マクラーレン)

本作の主人公、Sクラス、勇者、エネルギー操作魔術を操る

エネルギー操作魔術:運動、電気、魔力といった力の流れを操作し自身に蓄積、増幅や相互変換が出来る

第二視界領域(プライベート)』:自身を中心とした半径五メートル圏内の情報を、魔力の流れを観る事で完全に把握、物体の動きすら把握する


月女神の加護:女神の寵愛を賜りし勇者の証

       空になった女神はただ望む、■■を滅ぼすその時を


常時発動:身体強化、毒耐性、魔術耐性、呪術耐性、運命の逸脱者


限定解放:


■■■■■:■■■■■■■■■■■■■


秘匿情報の一部が世界に接続されました


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