ダンジョン経営はコメディーでお送りいたします。びっくり屋敷編
「パパラッパパー!ようこそ!5京人の中から見事に選ばれました。今の感想をどうぞ!」
「あのー。」
「そうですか。当たってうれしいですか。やっぱりそう思いますよね!」
「いえー」
「それではいってらっしゃい!新婚さん。」
「いったん黙れ!」
「はい、新婚さんが暴れているということなのでここでいったんCMが入ります。お送りは名もなきなありでした。」
「名前、あるじゃねぇか!」
「はぁ、それで?」
「こいつ裏で性格が滅茶苦茶変わるタイプだ!」
「チョーめんどくさいんですけどー。せつめいなんてー。」
「なんかごめん。じゃねぇよ。まずここはどこだよ。」
「地下ですけど何か?」
「どっかのラノベのタイトルか!」
「次!」
「地球に5京人なんて数いないぞ。」
「募集したのは多次元からです。次!」
「いつ、募集されたんだよ。」
「神の気まぐれです。次!」
「新婚ってなんだよ。」
「流れ的にです。次!」
「ここはどこだ。」
「地下ですけど何か?」
「こいつ、案外ちゃんと答えてくれるぞ!」
「そういわれてますからねぇ。」
「じゃあ、なんでここにいるかを詳しく。」
「あなたはこの世界でダンジョンマスターをしてもらいます。」
「ほうほう。」
「神の気まぐれです。」
「まだ、質問してねぇのに答えるな!」
「ここでダンジョンを作ってもらいます。」
「その球は?」
「ダンジョンコアです。これが割れるとあなたは死にます。あらっ。」
『パリンッ』
「おい、さらっと落とすな。っう、急に心臓が割れるような痛みがっ!」
「まあ、これは偽物なので大丈夫ですが。痛みだけです。」
「俺の心配を返せよ!」
「ここからは面倒なのであなたに指導者を与えます。」
「お前が面倒になっただけか。」
「これから新刊の漫画が発売されるので。」
「あ、それ俺も欲しい。」
「それでは召喚します。『出でよ、17320508号。』」
「なんか番号多くない?そしてなんか聞いたことのある不思議な番号。」
「ご用件は何でしょうか。マスター。」
「おお、本格的だ!」
「17320508号。こいつがこれからお前のマスターだ。ダンジョンを助けてやってほしい。」
「よろしくお願いします。」
「なんか性格が全く違う。」
「それでは私には仕事があるので……」
「仕事ね~」
「あとはよろしくお願いします。あ、あとこれDPだからよろ。」
「最後がなければ引き締まってっていたのに。」
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「それではダンジョンについてお教えいたします。」
「よろしく、17320…めんどくさい。ルーさんでいいや。」
「?なぜルーさんなのですか?」
「だって17320508ってルート3の近似値だもん。だからルート3→ルー3→ルーさんとなる!」
「それを可愛いレディに名づける名前ですか。」
「可愛いレディって……。まあいいや。それで俺の役目って何?」
「DPを集めることです。」
「なるほど大体わかった。DPを稼ぐには人が入ってくることとか人を殺すこととかでしょ?」
「よくお分かりで。またダンジョンを作ったり、罠設置やモンスター召喚にはDPが消費されます。」
「だからなありはDPをくれたんだな。」
「それでは早速、ダンジョンを作ってみてください。」
「わかった。最初は1階だけ作るか。」
「作りましたか?」
「おう、自信作だぜ。」
「それにしてはモンスターがいませんが……」
「罠だけ設置した。」
「……まあ、いいでしょう。いいところに冒険者が来ましたね。見てみましょうか。」
~冒険者視点~
「なあ、こんなところにダンジョンってあったか?」
「いいえ、私は知りません。」
「でも、最近できたなら簡単じゃないか?」
「それじゃあ入ってみようぜ。」
「あれ、ダンジョンってこんなに一直線だっけ?」
1分後・・・
「さすがに疲れてきたぜ。」
20分後・・・
「なんかおかしくね?」
1時間後・・・
「絶対におかしいぞ!」
「大将ここ。足元に凝らさないと見えないようなひもがありますぜ。」
~マスター視点~
「これぞ『紐に当たったらスタート地点に戻るドッキリ』だ!」
「なかなかに辛辣ですね。1時間たって一歩も進んでないのと一緒ですよ。」
「だろだろー。」
「次はどんな仕掛けですか?」
「まあまあ、見てればわかるって。」
「あ、罠にかかりました。これは……」
「そう『一直線なのに丸い岩が転がってくるドッキリ』だ!」
「しかもこの岩なかなか壊れませんね。これは死ぬんじゃないですか。」
「いや、そうはならない。ほら。」
「あ、本当ですね。当たると思ったら岩が人を飛び越えました。」
「このために滅茶苦茶計算した。」
「計算の使いどころ……また罠発動しました。」
「これぞ、『疲れたところに上からたらいが落ちてくるドッキリ』だ!」
「計算しつくされてますね。しかも長い時間いるせいでDPがたまっていますね。」
「だろう、でも冒険者は死なないんだ!」
「むしろモンスターが出るより疲れますね。」
「今度は広いところに出ましたね。しかも一見罠がない!」
「ルーさんもこのダンジョンにはまってきたな。そう、ここは『休憩所』だ。」
「こんなところで休憩するバカはいないですよ。」
「そうだろうな。だから睡眠ガス撒いてるし。」
「無理やり休憩させるのですか。」
「そこでもDPはたまっていく。
~一日後~
「長い時間寝ていましたね。」
「この長さはさすがに予想外だった。」
「さて、そろそろ次だ。」
「看板が立ってますね。えーと、『お帰りの方はこっちです。』……絶対に信じませんよこんなの。」
「まあまあ。実際、看板のほうが本当だし。」
「じゃあ逆のほういったらどうなるんですか?」
「……ループ地点に逆戻り。」
「きついですわね。」
さらに~一日後~
「やっとループ終わりました。」
「あ、そっちは……」
「え、いいではないですか。看板のほうで。」
「実は『同じところだと思ったら実は違う場所ドッキリ』で看板のほうが不正解なんだ。」
「辛すぎませんか?」
「あと一日寝てよっか。」
~一日後~
「あれ、広場に新しいドアがあります。」
「今度こそ看板に入ってくれよ!」
「え、新しいドアではないんですか?」
「ん、それは罠だよ?そんな簡単なのに引っかかるわけないじゃん。」
~一日後~
「まさか食料をあげるとは……」
「こんなに引っかかると可哀そうになってきた。」
「今度こそは看板のほうにしか出口がありません。」
「そうだ、そっちに行け。」
「ちなみに看板のほうは罠ですか?」
「はっ、何言ってんの?俺がそこまで辛辣に見えんの?」
「もう、悪魔に見えます。」
「まあ、罠だけど。」
「でしょうね。」
「お、罠に入っていった。」
「今度は何があるんですか?」
「出口。」
「あら、優しい。」
「の前にたらい。」
「優しさに付け込んだ悪魔がいます。」
「お、たらいをよけた。」
「そりゃあんなに食らってたらもうわかるでしょ。」
「よけた先に木が横殴りに……」
「飛ばされた先は?」
「一番最初のループゾーン。」
「また最初からですか!」
~4日後~
「やっと木のも抜けましたわ。」
「君口調変わったねぇ。」
「あなたのせいです!それで罠は……」
「もう、ないよ。」
「本当ですか?」
「もっと俺を信じなよ。」
「無理です。ちなみに仕掛けは?」
「まだあるよ。ちなみに写真って知ってる?」
「あなたの記憶の中のあれなら知ってますよ。」
「お越しくださったお礼に寝顔やら驚いた顔やらへこんだ顔やらの写真のプレゼント。」
「ほんとゴミですわ!」
「とうとう、一人目のお客さんは帰ったね。これは相当に儲かるぞ!」
「そうですね。討伐隊なんて来ないですね。何せモンスターがいないんですもの。」
「これからどんどん儲けるぞー!」
【びっくり屋敷編】終了。
他の短編もぜひお読みください。
今度はコメディーに挑戦してみました。
以上卵の怠惰からでした。今後ともよろしく。