練習1
それは修学旅行の班決めの話し合い中の事だった。
「いやーそれはないわ。じゃあこうしたらいいんじゃない。」
「それはそっちの要望通りで不公平じゃん。」
「そうだよ。勝手なこと言わないで。」
女子の班決めが大モメしているのだ。
ウチのクラスは女子の大きなグループってのはなく小さいグループが多いのでグループ間のいざこざも少なく他クラスに比べて比較的穏やかな学校生活を送ることが出来ているのだが。
「なんで、私だけこっちなの!!」
「しょうがないでしょ、じゃんけん負けたんだから。」
「もう許さない。○○ひどいよ。」
小さいと言ってもグループの人数はまちまちだ。
今回の班決めでは同じ班に女子は3人となるのだが、4人グループだと1人余ってしまう。
そうなると他の班に移らざるおえないのだが、当然トラブルが発生する。
3人とは難しい数なんだね。
「コムギちゃん、まずいことになったね。」
「あかりちゃん、今日はうまくいくかな?」
「いやどうだろうなぁ~。うまくいったところが想像できない。
ってかほのか、もう少し離れろ。飛び火してくんぞ。」
大揉めしているところに近づこうとしたほのかちゃんをあかりちゃんが捕まえる。
そしてあかりちゃんがほのかちゃん引っ張ってクラスの端っこに移動した。
「あかりん、やっぱり無理だったのかな、自分たちで決めるなんて。」
「問題は単純にそこの揉めてるグループが最近仲悪かったのが原因だとは思うけどね。
まぁそれを含めてもあいつは何とかなるって踏んでたみたいだけどな。」
「そうだよ‼。 きよちゃんが大丈夫だって言ったから何とかなるよ‼」
「おいおいこんなところでのろけんな、コムギ。でもまぁ、あいつも今回の修学旅行であんたと一緒にまわるのを楽しみにして班決めを自由に決めれるように先生と交渉してくれたんだからな。
私達的にも変なのとまわるよりはあいつらの方がいいけどさ。」
「勝っちゃんいるもんね、あかりん。」
「なんか言ったか、ほのか?」
「あっなんでもないです。」
この間にも女子のトラブルが解決しそうにはない。
「どんな感じですー?」
「きよちゃん!!」
「お宅のカノジョさんがのろけてましたよー」
「そういうこと聞いてるんじゃないけどね。。。
まぁでもそういうことは直接言ってくれると嬉しいですけどね。」
「うっ。。。善処します。」
きよちゃんと私は付き合ってもう半年以上経つ。
でも関係はそこまで進んでない。それは二人の仲が上手くいってないとかではなくて、きよちゃんはバスケ、私はピアノで放課後や休日の時間を取られちゃってるのが理由だよ。
だから夜の電話が私たちにとってデートみたいな。
その反動からなのかきよちゃんと二人でいるときってなんか緊張しちゃうんだよね。
まぁ、クラスの人たちが冷やかしに来ちゃうからきよちゃんも嫌がってあんまりそんなことはしないんだけどね。
「よろしい。それで、班決めはどんな感じ?」
「見てもらった通りだな。うまくいかないねやっぱり。」
「まぁ、揉めるのが分からんかったわけではないんだけどな。それを含めても比較的簡単に終わると思ったんだけどな。」
「久保ちゃん、最初から言ってたもんね。『班決めは自由に決めさしてもらえるようにするんで。』ってね。」
「牽制しといたからうまく水面下で決まると思ったたんだけどな。そう一筋縄にはならんか。」
「そういえば男子はどうなんだよ、久保?」
「んっ、もう決まったよ。」
「そっか~。いいなぁ~」
「俺たちの方は、『んじゃ班分け開始!』で良かったからね。」
「コムギ」「方眼用紙」「あみだくじ」