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5話 もう洞窟と亀は嫌いです

今回はグロテスクな表現が多く含まれています。

 あれから恐らく三、四時間ずっと変わり映えの無いこの森を真っ直ぐ歩いている。

 時折、休憩を挟んで辺りを観察して何かないか探していたら、進行方向に崖になっているのが見えたので今は取り敢えずそこに向かって歩みを進めている最中だ。

 足元に生えているゼンマイみたいな草を数枚取って、孤独を紛らわすように指でくるくると回す。テレビで見たうろ覚えのパッチテストで食えなくは無いというのは分かったが、死ぬほど苦い。出来れば食糧にしたくない。

 人に会いたいな、森で一人は心細過ぎる。


 微かな風と偶に鳴る小動物の移動音に向かって鋭利な杖の先端を向けつつ進んでいると、軽い地震と少しの風圧がが進行方向から伝わって来た。崖から小さく見える土煙がだんだん広がって薄くなっていっているのが見える。

 今まで無かった出来事だ。ものすごく気になるけどヤバい気がする。とうとう魔獣なるものと対面するかも知れない。


 土煙の中から大きく黒い何かが出てきた。それは空を飛び、離れていてもはっきり姿が捉えられるほど巨大で、さっきまで固く絞ってあった布の様な体が一気に広がり、いくつか風穴が開いていたことが分かった。

「アレが、魔獣……!?」

 アタシの知ってる生物とはかけ離れているけど、非生物とは思えない動き方をしてる。何よりあれでどうやって浮いてるんだ。


 黒い布がもう一度体を捻り、尖った先端をこちらに向けた。

 まさか気付かれた?いやぁ、まさかぁ!だってここまで体感一キロくらいあるし、地震を感じてから巨木の裏に隠れてたし。ってかアタシは魔力の探知に引っかからないし。

 多分絶対、本当に……。


 パンッ!と物凄い破裂音が鳴り響き、衝撃波と共に黒い布が突進してきた。

「嘘だろ!嘘だろ!?」

 射線から逃れられるように全力で走り、直撃はしなかったものの布が地面に刺さった衝撃で瓦礫となった地面に吹き飛ばされた。

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