シュネの魔法適性と今後
開いて下さりありがとうございます!
「では適性テストを開始致します。」
魔法の適性テストは至って簡単だ。
誰かに微力の魔力を貰い、自分の魔力と結合させると魔法詠唱を唱える。
まぁ初めからシュネの魔法は知ってるんだけどね。
「魔力を与えし我が神よ。我に魔法を発動せよ。」
そう手を前に出すと、裏庭にあった草は緩やかに5センチ程伸び、シュネははね喜んだ。
魔法を使う感覚ってこんな感じなんだ!何だか変な感じ!
「シュネ様は草魔法に適性がおありのようですね。」
そう言うとルハはおめでとうございますと滅多に見せてはくれない笑顔を向けてくれた。
それに連れられてシュネまでもニヤつき、危ないからと遠ざけられていたカエルムはシュネに駆け寄った。
「カエルムは水で私は草だから……とっても相性がいいわね。2人で庭園を作るのも夢じゃないわ!」
シュネがカエルムの頭を撫でると、カエルムは頬を赤らめながらへへっと笑った。
可愛い……可愛すぎるわ!
「僕もとても嬉しいです!」
あの日以来、カエルムは義姉さん義姉さん!と駆け寄ってくれている。
とても可愛い……すっごい可愛い……けど
ひとつ問題があるとするならば……
「まぁシュネにも魔法が発現したのね!よかったわ!」
「シュネは草かい?花が好きなシュネに似合っているね。」
そうベルクが近寄ろうとすると……
「シュネ義姉さん、一緒に庭園に行かない?」
「えと……そ、そうね。では失礼致しますお父様、お義母様。」
まるで、「お前らがシュネ義姉さんの近くに行くと、シュネ義姉さんの顔が曇るんだよ。」とでも言いたげな目で2人からシュネを遠ざけている。
そんなカエルムに言われるがまま庭園まで手を引かれ、ルハの注いでくれた紅茶を呑気に飲んでいた。
庭園の角にプランターを用意してもらい、今はカエルムの水魔法とシュネの草魔法で2人の庭園の第一歩を進めている。
でもこんなに幸せで良いのだろうか……今のうちに作戦を練りたい。
「少し張り切りすぎて頭が痛くなっちゃったわ……部屋に戻るわね。」
「大丈夫!?医者を呼ぼうか?」
仮病なだけにカエルムの優しさが痛いわね。
「大丈夫よ、ありがとう。ルハも他の仕事に行ってていいわ。」
「かしこまりました。お大事になさってください。」
それからやっとの事でカエルムを傍から引き離し、ノートを片手に万年筆を握った。
これから出会うであろう攻略対象は3人。
シュネの婚約者であり、通称皇帝の頭脳ヴァイシス公爵家の第一子息グアン。
あざとく……でも義理人情に厚く、曲がった事は大嫌いなグアンはシュネとの関係にいきずまっていたところをリナに助けられ惚れるの。
確かグアンと婚約するのは……寒さがきた雪の日、その雪の日に暖かい笑顔のグアンに惚れてしまうのよね。
ん……?待てよ、その婚約って……シュネが丁度12歳のとき!?
という事は今が4月だから……あと8ヶ月しかないじゃない!?
とりあえずグアンとの婚約は結ばないに越したことはないわね。
2人目は代々続く騎士一家クローロン侯爵家、ヴェルト・クローロン。
2つ年上の親戚と比べられながらいるもリナと出会い、才能も開花する。
そして騎士団長へと成長するのよね。
確かラミトネス家の通い親戚で、シュネとの関わりも16歳になる1年前くらいにあるはずだ。
でもこれからパーティーにも参加せざるをえなくなるだろうし、なるべく関わらないようにしよう。
3人目はこのメレフ国の隣国であるレジェ二国の第一皇子……ロート・クリムゾン。
メレフ国の皇子と交換留学生としてこの学園に入学した皇子様だ。
ずっと気を張っていたが、リナの天真爛漫さに惚れるのよ。
確かここでシュネが関わってくる理由は、ロートがシュネの婚約者であるグアンと友人関係で顔見知りなだけなのに独占力からリナを虐めるんだっけ。
この人とはこの国では会わないはずだし、まずは大丈夫かな?
後は闇魔法の使い手である隠しキャラだけど……ダメだ、全然思い出せない。
よし、分からないことは置いておいて……近日にパーティーは無いしグアンとも出会うのは半年以上もあるし。
今は楽しい楽しい転生ライフを楽しもうとしようかな!
まだまだ続きますので暫しお付き合い下さい!
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