茸ヶ丘:きのこがおか
石化したキノコ、『しめじ』だろうか?
夜に出歩く時はペンライトを灯している。
ここらの地区は踏み入ったことがないので、あながち緊張している。
暗闇の中、円形の光が照らすのは・・・どうやらキノコの群れ?
『しめじ』なのかもしれないが、だとすると一番小さいのすら巨大だ。
まるで座れそう・・・いや、階段状に増えたらしく登れそうだ。
慎重に触ってみると、やはり『石化』している様子。
一番立派なキノコの傘には、おそらく登れない。
少し怖くなって、場所を移す。
建物のようなものがあり、ライトで照らすに唖然とした。
『キノコの家』・・・?
なんのキノコなのかは分からないが、太い軸に大きな傘。
傘は赤く、水玉模様。
そして驚愕した。
水玉模様のひとつが、円窓になっている。
「ひとが住んでいるのか?キノコの中で・・・?」
思わずそうつぶやくと、その家の『扉』からひとが出てきた。
「ん?どうしたんです?」
「あの・・・ここは、どこなんでしょうか?」
「異世界です」
「は?」
「ははは、冗談ですよ」
「ここはどこなんです?」
「もしかして、別の地区のひと?」
「どうしてそう思うんですか?」
「だってここ、界隈で有名な『茸ヶ丘公園』だよ?」。
あとで調べたらその公園のキノコアスレチックは、コンクリートでできてるらしかった.




