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バタバタフライ
分厚い本たちが、まるで蝶や鳥のように飛んでいる。
図書室のドアを開けて、すぐに本の投げ合いのケンカを見つける。
呆れていたが、ふと窓が開いていることに気づいてあせってのぞきこむ。
下は鬼百合の花畑だ。
その様子を見て、少し微笑んだ。
花畑に移動して、花の上を飛んでいる本たちを見つけて鳥かごをしめす。
素直に鳥かごにおさまった本を一冊取り出し、胸ポケットの中のつつを差して吸う。
図書室に戻って紙にメモをすると、情報があらわれた。
鬼百合の絵を描いてみて、なっとくした時だった。
呼び出しがかかった。
その絵をそのままに、いつの間にか用事が終わる頃には、絵を描いたのを忘れていた。