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魔女王



 わたくしは魔女。


 白魔女だの黒魔女だのの言い方が無かった時代から生きている。


 醜い歴史から言うに、私は医療にかかわってきたことは言っておこう。


 最近で言うところの白魔女だ。


 そして今は、魔法領国で州国の女王。



 女王になる前は人間界にいて、長い長い恋をしていた。


 恋人がいた。


 彼はとっても優しいひとだけど、頭が少し弱いひとだった。


 だから叶った、とでも言おうか。


 私の年齢は25歳で止まっている。


 魔女であることを彼に伏せていて・・・


 拒絶されたらイヤだと思って、こちらから自然消滅を望んだ・・・


 忘れられなかった。


 彼とのささやかで安穏とした日々が。


 なので娘を名乗り、孫を名乗り、会いに行ったこともある・・・


 そして彼は寿命で死んだ。



 彼の遺族が私を探していると言うので、ひ孫のふりをして会いに行った。


 そして彼からのメッセージカードに書かれた遺書を、読む。


【僕は君を愛している。たとえ君が魔女でも・・・気づいていたよ】



 私は大粒の涙を流し、その場で倒れた。


 気がつくとそこには彼にそっくりな男子がいて、室内で介抱されていた。


「僕、魔法領国に行ってみたい」


「・・・え?」


「おじいちゃまはずっと、魔法使いになろうとしていた。そして僕は魔法力を少し持ってるんです。どうしておじいちゃまがそんな研究をしていたのかあなたを見た時に察しました。僕はおじいちゃまの話すあなたに恋をしています」


 こうして私は魔法領国に、彼の子孫を物書き役として招くことにしたのです。

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