秘宝黒龍
我は黒龍。
黒光りする皮膚に尾まで鱗を持つ。
眼は金色であり、まこと美しいと賛美される。
ブリーダーに、だ。
親が人間の我儘で鱗を剥いで貨幣にされた。
その密猟のせいで親元から離れ、我は人間に育てられた。
両親は同じ施設内で療養中である。
もう少ししたら、対面できるらしい。
嬉しきかな。
ブリーダーは人間。
人間にも色々と性が違うのがいるようだ。
最初は敵だと思っていた。
なのに、「ブリーダー愛」で我は変わった。
プリティーやラブリーを多少導入してみた。
我はまだ生まれて間もないのだ。
ブリーダーからの愛称は『小さいやつ』。
まだ身長は10センチほどである。
父上と母上みたいに立派な大きさになりたい!
みくびるなよ!
もうなんとなく、口から炎を噴けるぞ!
バカにすると泣いちゃうぞ!?
あぁ、アラームが鳴ったから食事の時間だ。
人間・・・
名前はまだおぼえていないが、ブリーダーに早く渡せ人間!
人間が運んできてくれるのだ!
ウインナーソーセージを!
我は毎回1本は食べるぞ。
それ以上はまだムリだ。
我の夢のひとつは、フランクフルトを自分の好きな焼き加減で全部を食べることである。
もちろん、自分で炎を噴いて焼くのだよ。




