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ハロウィン・ゴーストップ



 今日はハロウィンで、私はゴーストバスターズ。


 大通りを仮装して楽しんでいった子供たちの散らかしたゴミを、


 厄払いのために掃除するボランティアのことを、ゴーストバスターズと言うの。


 掃除をしていると、黒い翼の姿をした可愛らしい女の子が近づいてきた。


「ねぇ、この羽根、おかしくなくって?」


「あら、どうして?」


「だって、黒い翼よ?」


「悪魔みたいで可愛いんじゃないかしら?」


「そうね、悪魔は可愛らしい姿でひとを誘うと言われているし」


「聞いたことない」


「お手伝いは必要かしら?」


「いいの、いいの、お掃除はおとながするから。ひとりで帰れる?」


 そこに少し離れた所で作業をしていた青年が来る。


「そこ、ひとりで喋ってないでこっちも手伝ってよ」


「今、このことお喋りを・・・」


 振り返ってみると、そこに女の子の姿はない。


 女の子の姿は見えないのに、高笑いが耳の奥か空の中で響いた。


「なに、誰がどこで笑ってるの?」


 青年がそう言って、「聞こえるの?」と言うと、青年は顔をしかめた。


「奇妙なこともあるもんだ」


 青年は私の背中を軽くたたいた。


「はい」


「え?」


「なにしてんの、あっち行こう。ひとりじゃ怖いでしょうに。ついて来てちょうだい」


「え、はい」


 青年がこちらに振り向いた。


「いきなり君にキスしていーい?」


「今日はダメです」


「ダメ、かぁ・・・目が合ったりしたのって偶然?」


「偶然じゃないかも」


「なるほど、ひとりにするのも不安なので連絡先を教えて?」



 ・・・やがて天使みたいな可愛らしい子供を、結婚後、彼との間にもうけた。


 今日は初めてのハロウィン。


 ハロウィンデビューに決め込んでいるのは、どっちかって言うと私かもしれない。

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