異世界~登録
(俺、ギルドの場所知らねえじゃん!)
これは詰んだな。どうするんだ、言葉が通じるか…………あ、確か神が『言葉が通じなければ不便だろう。着くと同時にしゃべれるようにしておこう』とか言ってたな…………
丁度人通りが多いところにいるわけだしな。
「す、すみません、ギルドに行きたいのですが、道を教えていただけますか?」
「ギルド?それだったら、今いる通りをまっすぐ行った先で左に曲がった先の建物さ。曲がった先の正面にあるからすぐに分るよ」
「ありがとうございます」(自分で言うのもなんだが、人付き合いのための話術を学んで正解だったな…………)
言われたとうりに進んで行くと、目の前に大きな建物が見える。教えてもらったギルドだろう。
早速中に入る。
中は、カウンターと掲示板、そしてバーの様な物もあった。俺は迷わずカウンターに向かう。
冒険者になるためだ。
なんで俺が素直に言うことを聞いているのか、それは少し時を遡る。
それは俺が神と話をしていた頃、唐突に言われた
「一応言うが、向こうには魔法というものがある。その中に、死んだ者を一度のみ蘇らせる事の出来る『蘇生魔法』と呼ばれる物がある」
「それがどうしたんだ?」
「君は既に死んで此処に来ている。よって、異世界での蘇生は効かなくなる。異世界で蘇るのだ、仕方ない」
「じゃ、じゃあ、俺が異世界で死んだら?」
「転生や生まれ変わりすらもできなくなる。死にたく無ければ私の言うことを聞いて行動するのが得策だと思うぞ」
と、言うことがあったからだ。
「すみません、冒険者に成ろうと思うのですが、登録はここですか?」
「えぇ、あってますよ。登録料として1000ガウ頂きますが、お持ちですか?」
「はい」(ガウ?この国の通貨だよな、一応金貨一枚出して様子見するか………)
「はい、1000ガウ丁度ですね、それでは登録証を発行いたしますので、此方に指を置いた後このカードに押し付けてください。そうしましたら、お名前を此方にお書きいただきますよう。それで発行の手続きは完了になります」
言われたとうりのことをこなしていく。最初は指印を押すのかと思ったが違うようだ。まあ、知ったことではない。
「はい、完了ですね。トクラ・ケン様ですね。登録証は明日完成しますので、本日はギルドが運営している宿でお泊りください。連絡は行っております。本日は登録初日ということもありまして、無料で宿泊できますが、次回以降は200ガウお支払いただく事に成りますのでご了承ください。」
「そうですか、ありがとうございます。」
明日、か…………、まあ、待つしかないよな………
次回は諸事情のため六月の頭に投稿します。(読んでくれている一居るのかな…………)