とある書き手の光陰(三十と一夜の短篇第24回)
考えど 思いつかない 時もある
話の筋は あるけれど
筋の隙間が 埋まらない
連載ペース 守るため
カタカタタイプ してみても
微妙なできに 書き直し
遅筆ゆえ 捨てた文字数 いと惜しい
かけた時間は 戻らない
失くした時が あるならば
何ができたと 思いを馳せる
もの書きで 食ってるわけでは ないけれど
つたなき話 許せない
カタカタタイプ していたら
知らぬ間に 日をまたぐ
やむなく眠り 朝となる
頭切り替え 仕事場へ
工数仕事 余裕なく
自作小説 出る場なし
書きたいものは すぐ忘れ
家に帰れど 筆は進まぬ
好きで書いてる とはいえど
時の空費が 身にしみる