4.娘と公園デビュー①
お久しぶり
電話がかかってきた。お母さんからだ。
「はい。恵美です。どうしたのお母さん?」
『あ、恵美?えーっとねぇ、特に用事があるってわけじゃないんだけどね』
「うん」
『恵美って専業主婦で、誠ちゃんって小説家じゃない?』
「そうだけど、どうかしたの?」
『ほら、二人とも基本的に家にいるじゃない?買い物に行くときは片方が家で面倒見てるって聞いたし、リューちゃんとユイちゃんお外に出たことないんじゃないかなーって思ってかけてみたのよ』
私はハッとした。言われてみればその通りだ。
「確かにお外に出かけたことないかも……」
『もう一歳になってるんだし、もう公園デビューの時期ねぇ~。リューちゃんとユイちゃんの遊び相手探したらどう?』
「うん、そうする。明日にでも行ってみるよ」
『遊び相手じゃなくて、ママ友つくるのも良いかもしれないわね。あ、ママ友つくるんだったら平日に行きなさい』
「あ、確かにそうだね。明日は日曜だし、月曜に行ってみるよ!」
『子育てで困ったことあったらママ友に相談するのがいいわよ。お母さんのやり方は一昔前のものになっちゃってるからね』
「うん。わかった」
『じゃあ言いたいことは言えたから切るわね。じゃ!』
「じゃねー」
プツッ
さあ、公園デビューの準備しよう。
着せてく服は何がいいかな?結衣は適当でいいとして、問題はリューちゃんだ。
うちのリューちゃんの天使っぷりを余すところなく伝えられる服装を考えるのだ。
うーん、どれがいいかなー?
◆
月曜になった。
結局リューちゃんの服装は決まらず、マコちゃんの「リューちゃんに決めてもらう」というアイデアによってリューちゃんのお気に入りのTシャツとズボンに、私が防寒着を着せる形に収まった。
マコちゃん、ナイスアイデア!
さあ、出発だ!
ママ友つくるために、マコちゃんには家で仕事しといてもらおう。
ごめんねマコちゃん。
さあ、今度こそ出発だ!