まだ決めてないし
「・・・親睦を深めるのに遺跡探検?なんで?」
「俺が好きだから!」
「まあいいけど・・・」
朝早く起きてトランプの調整を行っていたらこれである。
「それってトランプ?」
「そうだけどなんでそんなに早く起きてるの?」
「鍛錬。」
「鍛錬で話してていいの?」
「え?よくないよ?」
「よくないよ?じゃないよ・・・」
ツッコミ役のような青年は、メルテザと言うらしく、フェインを引きずって行った。
(なんだったんだろう)
「さすがに遺跡探検はやめたほうが・・・」
という飛燕族の女性、メイラによってそれは阻止された。
「なんでもう仲間?まだ決めてないし。」
「「「えっ?」」」
「もう仲間かと思ってた。」
「ふざけんな。」
ムスッとして腕組みをするヒズミ。
「まだ決めていなかったのか?」
ギルスのその言葉に、利益がない、とさらにそっぽを向くヒズミ。
「ならば、トランプ集めを手伝う、などはどうだ?」
「トランプ集め?感情カード?」
「始めに言うがこいつには感情の欠落が存在する。相手の感情をトランプに封じることでそれに見合った能力と、それを自分のものにできる。例えば優しさなどは、回復の能力を持つ。その他いろいろあるが、1枚目から6枚目は例外だ。そのトランプを集め、ヒズミの感情を元に戻す。そういう条件で、旅を手伝う。どうだ?」
「俺はいいよ。旅の中で色々見つけられるかも知れないし?」
「私も構いませんわ。」
「ぜーんぜんオッケー!」
「僕もいいと思うよ。」
聖浄師たちの賛同を聞いて、ギルスはヒズミを見る。
「・・・まぁ、いいけど。」
というわけで、ヒズミの旅の参加が決まった。