プロローグ
唐突だが、俺の話をしよう。
俺はまぁなんてことはない普通の家の末っ子として生まれ(よく転んだり、どぶには落ちたが)、それなりの青春を過ごして今では立派に普通の(ここ重要)サラリーマンとして生活していた。
山も谷もあったがそれなりには楽しい日々だったと断言しよう。
けど、
けどな。
あの日から俺の毎日は、突拍子もない方向にとんでいっちまった。ホントにそう思う。ま、後悔はしてないよ。結果的にそんなに悪い毎日じゃねぇしな。
これから始まるのはそんな俺の、今までのリーマン生活とはうってかわった刺激的(俺的には)な毎日だ。あ、俺ドジじゃないよ、ドジ属性なんてもってないからな!?
「ふぅ、今日も1日ご苦労さんだったぜ、俺。」
そんなことを呟きながら俺は地下鉄から地上にあがるための階段をのぼる。
「ふぅ、にしても雨か、んーこの折りたたみ傘ちっちぇーよな。ハァ。」
そう言いつつ一歩踏み出した。傘を見ながら歩いたのが悪かったのか、それとも足を滑らしたのか、そんなことをかんがえている時間は無かった。なぜならば、俺はうしろに転がっていったからだ。打ちどころが悪かったのか、痛みと共に急激に意識が遠のく。
「………ドジ、すぎ、ん‥‥だ……ろぉ‥‥‥」
こうして、俺は意識を失ったのだった。
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「ん、ここは……どこだ?」
俺が目を覚ました所はなんというか、言葉で説明し辛いんだが、あるのはわかる、解るがどうにも大
きさや地面がはっきりしない場所だった。
『やあ、こんにちは。始めまして。全能神でーす。』
何処からか声が聞こえる‥‥‥。おかしいな頭でもうったかな?ん、あ、ああそういや階段からおちたんだった。情けねぇ。
「まあいい。幻聴は放っておこう。とりあえずここはどこなんだ?病院‥‥‥ではないな。うーーーーん、ならこ『お、おい。僕の声聞こえてるよね!?ね?』こは夢ん中か?」
『おい、話きけよ。』
幻聴がうるさいな‥‥。ま、夢ん中だしな。
『あ、ああもう!これでいいんでしょ、これで!』
そんな声と共にバヒュッと音がしてそこそこのひろさの真っ白な部屋と、イケメン(溶けろ)が現れた。
「なんだてめぇ。夢だろーがなんだろーが俺はイケメンを殴るぞ。絶対ったら絶対だからな(怒)」
俺は大きく手を振りかぶると全力で殴った。
‥‥‥‥‥‥‥避けられたが。
「チッ、避けたか。」
「こ、怖いよ!?特に顔が!?‥‥ま、まあいいや。落ち着いて話を聴いてくれる?」
「仕方ねぇな‥‥‥。手短にしろ。後で殴るんだからな。」
「か、簡潔に言うとね。あなた死にました。けど面白かったから(今までのドジっぷりが)転生させてあげるよ♪って事です。」
「は!?ん、あぁ。そう言うことか。」
つまり階段から落ちた俺は死んだってことか?
まぁ夢かもしれないし別に大丈夫か?
というかなんだかイラッときたんだが気のせいか?
「んで、転生にはどういう条件がつくんだ?」
「あ、はい。転生には転生前の人格と、大きな変化を及ばさない程度の知識を保ったままになります。
チートなんて有りませんよ?こっちがミスしたわけではないので。」
ふーん。そうなのか。
「大きな変化を及ばさない程度の知識を保ったまま転生っていうのはどういうことだ?」
「あぁ。それはですね。今から転生するのは剣と魔法の世界の一つなんですが、そこでは科学技術は余り発展していないんですはよ。ですから銃の作り方とかは覚えてられないってわけです。」
なるほど、どっかの小説で見た内政チートとかは無理ってワケか。
「ふーん。まあいい「だったら、とっとといきましょう。ソレッ!」か、ってうおおおっ!」
「あ、ミスった。魔物に転生させちゃった。
ど、どどどどうしよう。こ、これは仕方ない。
ちょっとした固有能力つけとこう、うん、そうしよ‥‥‥‥‥‥‥。」
わああああっ!ってあのくそイケメン(溶けろそして爆発しろ)ってなんか言ったか?そんなこと思いながら、俺は転生への第一歩を歩き始めた。