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▼21.外は大荒れ、中はほのぼの、これわーがや

 むむむ……年末も近くなり、ちょっと忙しくて執筆の時間がとれなくなってきました。サービス業に年末の休暇なんてないんや!

 コホン。とはいえ、可能な限り週6更新は維持できるよう頑張ります……!


 追伸。転生傍観者改訂版の方は、こっちのお気に入り登録が200超えたら更新予定です。(現在199なので一週間以内にはなるといいなー)

 今はこっちを優先したいので! したいので!

 以降はお気に入り10増える毎にあっちも1更新くらいのペースでやろうかと思ってます。はい、亀更新ですごめんなさい!

 あと感想返し遅れてますが、感想見てモチベ保ってるので見てないわけではないのです! です! 毎度感想ありがとうございます!(土下座

 宇迦之さんは魔法少女でした。

 実はタクシーじゃなくて、吹雪の中を変身した状態で突っ走ってきてました。

 声帯模写は、魔法的な物(符術とかなんとか言ってた)でやっただけとのことでした。

 夢だと思っていたのは本当にあったことでした。へこんだ畳とか明らかに手術してもどうにもならないレベルの損傷をしていた僕の腕を治したのは宇迦之さんだそうでした。お礼を言いました。

 虎次郎くんは魔法少年もどきだそうです。

 実は二人は僕たちを可能な限り影から見守っていました。

 嗣深のホイッスルは、宇迦之さん召喚アイテム的な物だそうです。

 というのが、涙目な宇迦之さんとやたら熱く語る嗣深の説明により判明した。

 突拍子もなさ過ぎて意味が分からないと思う。僕はもはや考えることを放棄した。とりあえずそういうものなのだと思っておこう。

 っていうか、嗣深だけは色々事情を知ってたあたり、完全に僕は蚊帳の外だったのだね。付き合いは明らかに僕のほうが長いはずなのに、なんでまたポッと出の嗣深だけが分かってるのかとか色々思うところはあったけれども置いておくとしよう。

 という僕の鬱屈した思いを感じ取ったのか、宇迦之さんと嗣深がし始めた説明によると、嗣深も知ったのは僕が夢だと思っていたあの襲撃受けた時だったらしいのだけれど、まぁもう何でもいいです。

 宇迦之さんの変身やらその話に対して割と淡白な対応な僕に、嗣深がやたら慌てて如何に宇迦之さんが頑張っていたかを語って聞かせて僕が宇迦之さんに抱いた悪感情を取り除こうとしてきたので、別に宇迦之さんを嫌いになったからビンタしたわけじゃないし、今もちゃんと大切な友達だと思っていると言ったのに何故か納得してくれなかった。

 とりあえず、宇迦之さんは何でも妖怪退治を生業にしている神社の跡取りで、日夜平和のために駆け回っている正義の味方で、神生会という怪しげな組織が何やら怪しいことをしていることが分かったものの中々尻尾がつかめず、妖怪もなんだか増えてきたのでそちらの対処もしたりなんだりとなんやかんやしているうちに神生会の信者がえらい増えて支援者の一部も持って行かれてしまって下手に手を出せなくなっていて若干困ってるとか、今は子供のいる家庭を中心に勧誘などが続いていて、一度連れて行かれると敬虔な信者になってしまっていることから、宇迦之さんは神生会や妖怪退治のほうはお父さんや同業の大人の人に任せて身の回りの仲の良い人を優先的に守るため動いていたらしい。

 先日に僕を襲ったのは、結局逃げられてしまったので流石にどこの所属の者か分からないけれど、恐らく妖怪ではなく人間だろう、とのことだった。

 漫画の読みすぎ、いや、宇迦之さんの場合は小説の読みすぎではないだろうかと言いたいけれど、生憎と本当に変身なんてことが出来るのを目の前で見せられたし、尻尾も耳も触らせてもらったら本物っぽかったので、多分本当のことなのだろう。

 だろうけれども、もう一度言おう。突拍子もなさすぎて全く現実感が無い。

 宇迦之さんが最初に渋っていた通り、こういうのは非現実的な危ない場面とかで助けに入ってきて、その結果説明されるから納得いくのであって、こんな唐突に言われてもいまいち実感が無いのはきっと誰でもそうだ。

 とりあえず証拠として変身を見せられた以上は信じる他ないので信じると伝えて、涙目いじけモードの宇迦之さんを僕と嗣深でヨイショして機嫌を持ち直させ、その日は三人同じ部屋で寝た。夜、宇迦之さんが部屋を出てどこかに電話していたようだけれど、その夜のことはその程度しか語ることはない。




 そうして一夜明けて、外は完全に銀世界と化していた。

 中々寝付けなかったせいで起きたのは六時ほどと少し遅めだったけれど、どうせこの吹雪では学校はおやすみ確定と見て間違いないだおるからかまわないだろう。なにせ二階の窓から見るだけで、吹雪こそ昨日よりはマシになっているものの、とんでもない積雪量なのだ。

 一応、うっすらと吹雪のカーテンの向こうにたまに動く人の姿や、のろのろと走る車の姿も見えるけれど、そのくらいだ。

 そんな光景に溜め息を軽く吐くと、ふと起きた時に宇迦之さんの姿が無かったのでどこにいるのかと思ったら、僕が起きるのより早く起き、窓も明りも無いあの地下倉庫と裏口に繋がる広い廊下でどこから持ってきたのか剣道用の袴やらを着て木刀を使って素振りをしていた。

 そんな宇迦之さんに軽く挨拶だけして別れると、洗面所で歯磨きをして、台所で朝食の作成に取り掛かる。

 暫くすると町内放送が、居間に置いてある町内放送などが流れる緊急用ラジオから流れてきたのが聴こえる。やはり今日は休校になったようだ。

「ん、良い匂いだね」

「二度目だけどおはよう、宇迦之さん。まだ卵焼き作ってるところだからちょっと待ってね」

 暫くすると、宇迦之さんが台所に顔を出したので軽く挨拶をする。

 もうすっかり昨日のことなどお互い気にしてないかのような気軽さである。というか実際僕はもう気にしてない。やったことに関してもなので良いことなのか悪いことなのかはさておいて。

「あぁそうそう、お風呂使うかと思って追いだきしておいたよ。汗かいたでしょ?」

「ありがとう。じゃあせっかくだし使わせてもらおうかな」

「うん。あぁ一応、昨日洗ってまだ嗣深しか入ってないから綺麗だと思うけど、気になるようだったら洗うよ」

 昨日はあの騒ぎだったので、僕は結局入れなかったのである。

「いや、大丈夫だよ、そこまで気にしなくて。ありがとう。それじゃあちょっとご飯の前に軽く入ってこようかな。台所は結構暖かくなってるみたいだし、湯冷めも大丈夫そうだしね」

「そうだね。居間のほうももう暖房は入れてあるからすぐ暖かくなるだろうし、あ、そうそう。バスタオルはもう脱衣所に置いてあるから」

「ありがとう。じゃあ行ってくるよ」

「うん。のんびり入ってきて良いよ。一時間くらい入る?」

「いや、昨日こちらに来る前にお風呂は済ませてあったからね、軽く汗流せれば良いから30分もせずに上がるよ」

「オッケー、じゃあそれに合わせてもう一個卵焼き焼いちゃうね」

「はは、ありがとう」

 脱衣所(洗面所)に向う宇迦之さんとそんなやりとりをして、そろそろ卵買ってこないと切れるな、とかそういえば町のほうのスーパーで、明日は卵が安売りではなかっただろうか、とか考えつつ料理を続けていると、今度は寝ぼけ眼の嗣深が入ってきた。

「おはよお、つぐにゃあん」

「はいはい、おはよう。その抱っこしてるクマ吉くんはおいてこうねー?」

 君が抱っこしているそのテディベアのクマ吉くんは僕のだからねー?

「やー。クマ吉くんと一緒ー」

「なんで幼児退行してんのかな君は。まぁ良いから顔洗って歯磨きしてらっしゃい」

「はあい……ふにゅ……」

 今日はいつもより遅い時間だというのに、嗣深は今日もやはり眠そうである。

 先ほど宇迦之さんが入って行った洗面所(脱衣所)へと嗣深が入っていくと、何やら宇迦之さんが驚いた声をあげていたけれど僕じゃないので安心してください。

「せっちゃんおはよおー。なんで裸なのー?」

「ちょ、つ、嗣深ちゃん!? おはよう、おはようだけどとりあえずなんで抱きついてきてるのかな!?」

「なんとなくー。うー、柔らかいなりー」

「いや、あの離してくれないかなこのままだと寒いし!?」

 なんか嗣深が宇迦之さんに寝ぼけてセクハラしている気がするけれど気にしない。

 そういえばノックくらいさせるべきだったな。失敗失敗。

 おっと、味噌汁はそろそろ良いかな。

 しばらく脱衣所で騒がしかったけれど、それもおさまって暫くすると、嗣深がそれはそれは元気一杯に洗面所から飛び出してきた。

「つぐにゃん、覚醒!」

「はいはい、覚醒は良いから。あ、朝食は麻婆豆腐の残りがおかずのメインだけど、他に何か希望ある?」

「卵焼き! 甘いの!」

「もう出来上がるとこだよー。宇迦之さんがお風呂上がる頃にあわせてもう一個焼くけど、あ、明日は卵安いから一緒にスーパーに買いに行こうね」

「うん! じゃあアレ、あの、アレ! アレ食べたい!」

「アレって何かなー」

「チキンフィレオ!」

「顔洗って出直してこい」

「サーイエッサー!」

 何がチキンフィレオだ。うちはマックじゃないぞ。

 冗談で言ったら本当にまた顔を洗いに行った嗣深を呆れた目で見やりながら、出来上がった卵焼きをお皿に移す。切れ目を入れて、端っこを一つ味見。うむ。美味である。

 あとは昨日、宇迦之さんが増えたことで急遽作る量を増やした夕飯の麻婆豆腐の残りの入った耐熱皿を電子レンジに入れて温め、自家製のお漬物を三つの小皿に適当に分けて入れてテーブルに置き、お肉が無いのも寂しいので冷凍食品のミニハンバーグを6個ほど麻婆豆腐が温まったら電子レンジでチンするとしよう。

 もうお魚のストックもお肉のストックも無いので、今サクっと作れるのはこのくらいの物だ。っていうか朝食なんて大概は夕食のあまり物をメインにして適当に作るのはどこの家でも同じだと思う。

「つぐにゃん、何かお手伝いするー?」

 あ、戻ってきた。

「んー、あとやる作業は電子レンジでチンするだけだからなぁ。卵焼きは、あと十分くらいしたらもう一個作るけど」

「はいはいはい! わたしが作る! もう一個のたまご焼きわたしが作る!」

「あ、そう? そういえば何気に嗣深の卵焼きって食べたこと無いね。じゃあお願いしようかな」

「ホイ来た! でもその前につぐにゃんの卵焼きつまみぐいー」

「はいはい。食べて良いからちゃんと自分の箸使おうね。菜ばしで食べようとしないでね」

 外の天候は大荒れだったり、友人の訳の分からない謎設定が突然バラされたりもしたけれど、今日も我が家は平和な朝である。

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