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▼12.大雪

 ご新規さんの感想が来ないことにほんの少しの寂しさを覚えつつ、昨日更新できなかった憤りを胸に! ヨシツグよ、私は、帰ってきたあああ!!

 ゲフン。

 ええと、多分、今後はこの調子で、日曜休刊の週6連載になりそうです。多分ですけどね! 時間とれたら日刊できるように頑張りますけどね!

「つぐにゃん」

「わかってる。言わなくてもわかってる」

「でもね? あのね? 流石にね? これは、無理だと思うの」

「……だよねえ」

 12月16日。12月も半ばを過ぎたこの日の早朝、僕と嗣深は家の玄関でスキー用の防寒具(嗣深が着てるのは、僕の予備の服だ)を着込んだまま、顔を見合わせて嘆息していた。

 雪が本降りし、家の前の歩道や車庫までの道など全てが真っ白な雪で覆われてしまっているのである。

 さらには屋根から落ちた雪もあり、ぶっちゃけこの量を僕達二人で片付けるのは無理だろうと見た瞬間に理解した。

 今日は学校だと言うのに、これでは登校すらままならない。

 ちなみにどれくらい深いかと言うと、歩道ですら僕の太ももの付け根ギリギリ……いや、腰元あたりまであるかもしれない。ともかくそれだけ雪があるのだ。屋根から落ちた雪など、もはやそのまま中をくりぬいて、かまくらでも作って二人で中でお餅でも焼かない? とでも現実逃避して嗣深に言いたくなるレベルである。

 困ったことに、お父さんは丁度昨日に仕事で車に乗って出て行って帰ってくるのは明日なので、車庫にある除雪機を使うことは出来ない。ついでに言うと、これから帰ってこられても、車庫までの道を作ることすら僕達二人では困難と言えよう。玄関から車庫まで10mかそこらなのだけれど、車が通れる幅の除雪をするだけでも、僕達二人が入れる程度の小さなかまくらが余裕で作れるといえどれだけの重労働か分かろうか。

「とりあえず、玄関と歩道のところだけでもやって、後は屋根から落ちたのところだけでもやって……かな」

「うぅ……朝から重労働すぎるよつぐにゃん……」

「頑張ろう。体力温存しながらでも、一時間もあれば終わるから……」

「一時間って長いと思うのつぐにゃん……」

 げんなりした顔の嗣深には激しく同意したいけれど、現実逃避したところで現状は変わらないため、二人で玄関にたてかけてあるプラスチック製のスコップ(子供用)でまずは雪を入れて流すための排水口みたいな場所を探りあてる作業から始まり、見つけたら今度は重い網目の蓋を開けて近場の雪をどんどんスコップでかき出して入れ、ある程度場所が開けたら、スノーダンプ(子供用)を使いどんどんと雪を運んでいく。

 けれども、まぁ僕と嗣深の体格で使えるスノーダンプでは非常に時間がかかる。

「つ、つぐにゃん。予想以上に疲れるよ雪かき……」

「我慢しよう。っていうかまだ始めて10分も経ってないのに疲れすぎ。多分運動不足だよそれ。僕はまだいける」

「つ、つぐみんは瞬発力派なのです!」

「はいはい。ほら、口は良いから手を動かす」

「うきー!」

 我が妹ながら、うるさい娘である。

 しかしまぁ、雪国体験をしたことの無い人間が、いきなりこの雪の山を排除する戦いに駆り出されれば、確かに愚痴の一つくらいは言いたくなるものかもしれない。かくいう僕も、なんだかんだ言いつつ凄い面倒くさいし疲れる。

 朝からこんな疲れることをしないといけないのが、雪国最大の欠点だろう。

「うぅ、除雪機使おうよー。あるんでしょー? この前車庫にあるの見たよー?」

「あるけど、僕等じゃ身長が足りないから使えないし、大人いないとああいうのは使っちゃダメだから……」

「肩車してというのはどうだろうか!」

「さぁさっさと終わらせようね、嗣深」

「華麗なるスルーだね!」

 やかましい。大体こんな足場の悪いところで肩車なんてしたら転ぶ未来しか見えない。

 ちょっとした吹雪とも言えるほどに降りしきる雪の中、僕達はふざけながらも雪かきを続けるのであった。

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