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ボス、急用

「……………ん、んん」


今日最初に目覚めたのはカリアだった、カリアは起き上がって時計を見た、大体午前の3時だった。


「なんかめちゃくちゃ夜中に目が覚めてしまいました………ん?」


腕になにかが触れ、見てみるとボスの腕に当たてたのであった、しかも布団を被っておらず、チラ見せと言うよりは全見せという具合に腹が見えていた。


「どこまでやったらここまで寝相悪くなるんでしょうか?お布団一緒なのに私だけ被ってるなんて」


そう言ってカリアはやれやれ、と言いながらボスの脱げかけた服を着せ、布団を被せた。


「ふう、全く世話のかかる兄さんなのです」


そう言ってカリアはもう一度寝ようとした、しかしなかなか寝付けなかった。


「………寝付けない上におトイレ行きたいです………」


ガバッとカリアは起き上がり、ドアを開けて廊下に出ようとした、だが廊下は一歩先はまっ暗闇であった。


「う、まっ暗です…………」


そう言ってカリアはその場にぐるぐる周り始めた。


「こ、怖いです、でもいい年して暗闇が怖いなんて兄さんに笑われてしまいます…………………」


ブツブツと独り脳内会議を行った結果、結論かでた。


「よ、よし!勇気を振り絞ってトイレに行ってみせます!」


そう言ってカリアはドアから出て、暗闇に足を踏み入れた、余り前は見えないので壁をつたいながら一歩ずつ前に進んでいった。


ガタ


「ひい!」


短い悲鳴を上げてカリアは止まった。


「な、なんの音なんでしょ?こ、怖いです〜!」


そうも言いながらも、カリアは歩くことを再開した。


「ふう、ふ、あう、と、トイレってこんなに遠かったでしょうか?なかなかたどり着けません………」


ギチ、ミシミシ…………ガタン!


「ひあ!な、今度はなんですか!」


そう思ってカリアは音のするほうを見てみた、そこはカリアの父の部屋であった、どうやらカリアの父の寝相による音らしい。


「は、はあ、漏れちゃいますよ、もっと大人しく音をたててほしいです」


そう言ってカリアはまた歩くのを再開した、するとヒタヒタと歩くような音がした。


「ひう!ゆ、幽霊さんですか!お願いです、何もしないでください〜!」


そう言ってカリアはその場にしゃがみこんだ、するとついさっきまでした歩くような音がピタッっとやんだ、どうやら自分の足音だったらしい。


「う、うえっ、もっ、もう漏れちゃうです、ぐす」


そう言ってカリアは自分のズボンをぎゅうと握った。


「うえっえぐっ、漏れちゃ、兄さんに、きらっきらわれちゃう、うわああああん」


「…………何やってんだ?」


突如後ろから声が聞こえ、振り返ってみるとボスが立っていた。


「に、にぃさぁぁん、と、トイレぇぇぇ、こ、こわいの〜」


「ん?トイレ行きたいのか?じゃあ一緒に行くか」


そう言ってボスはカリアの手をつかみ、立ち上がらせた。


「んんんぅ!漏れちゃう…………」


「そ、そんな我慢してたのか?」


…………………………………………………………………


ジャー、バタン


「ふう…………………」


「お?終わったか?」


トイレから出てきたカリアにボスが駆け寄った。


「…………恥ずかしいです」


「ん?」


「トイレに行くのが怖くて一人泣きじゃくってる所を見られて恥ずかしいです」


「まあまあ、気にすんな、誰だって暗闇は怖いものさ」


「兄さんも暗闇怖いんですか?」


「当然」


ボスがそう言うと、カリアは驚いた表情をした。


「そ、そうなんですか?」


「ああ、熱帯を思い出す」


「熱帯?」


「いや、こっちの話だ」


そう言ってボスは歩きだし、カリアはひよこのようにボスのあとをついて行った。


「でも意外です、兄さんも怖いものがあるなんて」


「まあな、俺も人間だしな」


そう言ってテクテクと歩いていると、何処かで泣く声が聞こえた。


エグッアウッウッウッ…………


「ひ!ゆ、幽霊さんです!」


そう言ってカリアはボスの後ろに隠れた、しかしボスは冷静に言った。


「いや、この声は…………」


そう言ってボスはテクテクと進み出した、するとそこには泣いてその場にしゃがみこんでいるFMJがいた。


「うえっおっおにいちゃっとっといれっつっつれてって、うっうわああああ」


「またデジャウが…………」

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