ボス、デジャブ
「兄さん!今日も一緒に寝ましょう!」
ボスの部屋に入るやいなや、カリアが叫び出した。
「え?また?」
ベッドに座ってタバコをくわえながらボスがいった。
「はい!今日は兄さんのベッドで寝たいです!」
「はあ………、まあ、じゃあちょっと待ってろ、まだ吸い終わってないから」
そう言ってボスはゆっくり吸ってゆっくり煙を吐いた、ボスが持ってきた灰皿にはかなりのタバコが埋まっていた、その様子をみたカリアは、ボスのタバコを取り上げた。
「兄さん!タバコは体に毒です!それにタバコ臭い兄さんとは寝たくありません!」
「え〜、じゃあ一緒に寝なきゃいいのに〜」
「それはダメです!兄さんが家に泊まっている間は兄さんの全てを感じたいのです!」
そう言ってカリアは奪ったタバコを灰皿で潰し、手を差し出した。
「さあ!他にもタバコ持ってるでしょう!出しなさい!」
「やだ」
「私は兄さんの健康を思って言ってるんですよ!」
「だとしてもやだ」
「もう、わがままですね〜!」
そう言ってカリアはボスを押し倒して跨り、ボスの服を探った。
「早く出しなさい!じゃないと変なところも触りますよ!」
「ん〜、絶対出さないかな?」
そう言ってボスはカリアの腕を押さえ、横に踏み倒した。
「きゃ!に、兄さん乱暴すぎます!私は姉さんみたいに頑丈じゃないから壊れちゃいますよぅ………」
カリアがそう言うと、ゆっくり起き上がって腰を摩っていた。
「痛っ……………イタタ………うう」
その様子を見たボスは少し心配になり、カリアに近づいた。
「カリアさん、大丈夫か?」
「大丈夫じゃないです…………かなり乱暴にされたので……………」
「それは申し訳ない」
そう言ってボスは頭を下げた、するとカリアは少しニコッとして言った。
「反省しました?」
「ああ」
「タバコ辞めてくれます?」
「ああ、この家に泊まっているうちは」
「毎晩一緒に寝てくれます?」
「ああ」
「ん、よろしい」
そう言ってカリアはボスの頭を撫で、
「では!一緒に寝ましょう!」
そう言ってカリアはさっきまで腰を摩っていたのに、すっと背筋を真っ直ぐにしてベッドにダイブしていった。
「……………あれ?カリアさん?」
「はい?」
「腰痛めたんじゃなないの?」
「私一言も腰を傷めたなんて言ってませんよ?」
「え…………」
「さあ!何を突っ立ってるんですか!早く寝ましょう!」
そう言われてボスは、騙された、騙された、と言ってベッドにモソモソと入っていった。
「えへへ、兄さんギュー」
そう言ってカリアはボスを抱きしめた。
「あ、そういえば兄さんから抱きしめてくれたことがありません!抱きしめて下さい!」
「……………………ん」
そう言ってボスはめんどくさそうにカリアを抱き締めた。
「もっと強く抱き締めてください!」
そう言われてボスは、カリアの頭を抱え込むように抱き締めた。
「そうです!そんな感じです!もう兄さんでいっぱいです!理性が吹っ飛びそうです!」
一人勝手に興奮するカリアだったが、いつの間にかボスは寝ていた。
「すう…………すう…………」
「ハアハアハアハア、あれ?兄さんお眠ですか?」
そう言ってカリアは、んしょ、んしょ、と言ってボスの顔を見た、完全に寝ていた。
「ふふふ、今なら完全にすきだらけです、イタズラやり放題です、さて………」
カリアはボスの腕をうまくすり抜け、イタズラをしようとボスの顔をまじまじと見た。
「う…………相変わらず可愛い寝顔なのです、破壊力あり過ぎます、キャップ萌ってやつです」
そう言ってカリアはベッドにまた潜り込み、ボスを抱きしめた。
「こんな可愛い寝顔の兄さんにイタズラできません、寝ます」




