ボス、二日目
朝、ボスは目を覚ますと顔を洗おうと思い、起き上がろうとした、が、未だにカリアのホールドが解けていないために起き上がることが出来なかった。
「1日たったのにまだ動けない、カリアさんに起きてもらわないと」
そう思ったボスは何とか腕をホールドから外し、カリアの体を揺すった。
「カリアさん、起きてくれ、顔を洗いたいんだ」
「んむぅぅぅ………………… ん……………」
そう言ってカリアを起こそうとするも、なかなか起きない、ボスは早く起きないかなとカリアの頬をつついた。
「んむ………………………むう…………」
全く起きない、しかも気のせいかボスをホールドする力がどんどん強くなっている気がする、どう考えてもおきてんじゃね?
「カリアさーん、起きないならデコピンして起こすよ、俺のデコピン凄く痛いよ」
そう言うとカリアは少し不機嫌そうに目を開けた。
「…………おはようごさいます」
カリアが丁寧にボスに挨拶をした。
「おはよう、早速だけどこのホールド解いてくれない?」
「嫌です」
「え?なんで?」
「兄さん、私にデコピンして起こそうとしたからです」
「だってなかなか起きないんだもん、しかも後半完全にたぬき寝入りだしね」
ボスがそう言うとカリアは頬を膨らませて言った。
「兄さんはずるいです、女の子は優しく男の人に起こされたいものなのです」
「じゃあどうやって起こせば良かったんだ?」
ボスがそう尋ねるとカリアは少し顔を赤くして言った。
「た、例えば………………………キス、とか……………………」
「とりあえずホールド解いて」
恐らく話を聞いていなかったであろうボスが話を無視して言った。
「………兄さんには少し早すぎた話のようです」
そう言ってカリアはボスにかけていた腕と足を外した。
「うーん、顔でも洗うべー」
そう言ってボスは背伸びしながら立ち上がり、スタスタと洗面所に向かった、その様子を見ながらカリアはボソッと呟いた。
「今はこれでいいのです…………でもいつか絶対に兄さんを虜にするのです!」
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バシャバシャと音をたてながらボスは顔を洗い、タオルで顔を拭いた。
「…………っあー、体あまり動かせなかったからこりまくってるぜ」
「お兄ちゃんおはよー」
後ろから声をかけられ、振り向いてみるとFMJが歯ブラシをくわえて立っていた。
「ああ、おはよう」
そう言ってボスは鏡を見ながらヒゲを剃ろうとした、するとFMJはボスの隣に立って口にくわえたままボスに向けた。
「お兄ちゃん、磨いて」
「お前……………歯磨きぐらい自分でしろよ、情けない」
「いいからお願い〜」
そう言われて結局やってしまうのがボスクオリティ、FMJの歯を磨き終わった後に水の入ったコップを渡した。
「ほら、グチュグチュペッしな」
「なんかお兄ちゃん表現が子供っぽい」
「お前にはこのぐらいがちょうどいいだろ?」
「なんか今の言葉腹立つ」
そう言ってFMJは口を水でゆすいで吐き出し
、食堂に向かった。
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「あ、ちょっと私外出していいですか?」
ボスは朝食中にFMJ父に聞いた。
「え?ああ、別にいいが……………なにか用事でも?」
「はい、少し買いたいものがありまして、すぐ帰ってこれます」
「あ、なら私も付いて行っていいですか?」
そう言ったのはカリアだった。
「え?ああ、ついて来るのは構わないが…………」
「なら私も!」
そう言って便乗したのはFMJだった、が
「お見合い相手をほっておいてどこに行くんだ?家にいろ」
そう言ったのは父である、FMJは凄く不満そうな顔をしたが、父の言い分は最もなのでお留守番することになった。




