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ボス、心境

さて、ボスが静かに食事をしていると正面にいたFMJがスプーンにスープを乗せ、ボスの方に差し出し


「お兄ちゃん、あーん」


「……FMJ、お見合い相手のいる前でそんなことやっちゃだめだろ、お見合い相手にも食べさせてあげなさい」


「やだ、お兄ちゃんにやりたいの」


その言葉を聞いたルイスは少しガタッと音をたてて


「何げに今の発言メンタルブレイクだわ」


そんな事を言っていると、ルイスとは反対側に座っているカリアがボスの方を向き


「兄さん、口にソースがついていますよ?」


そう言ってボスの顔を押さえて、口についているソースを拭き取った、その様子を見ていたFMJが、むむむ、と声を上げた。


「カリア、いつあなたはお兄ちゃんの世話係りになったの?」


「そ、そんな、別に兄さんの顔を拭いただけじゃないですか」


「後、あんたお兄ちゃんを兄さんって呼ぶの禁止ね」


その言葉を聞いたカリアは席を立ち上がり、不満の表情を浮かべた。


「そんな!姉さんの兄さんなんだから私にとっても兄さんじゃないですか!」


「だめよ、お兄ちゃんは私だけのお兄ちゃんなんだから」


「いくら姉さんだからって、独り占めはさせません!」


二人が言い争いに発展したのを見限ってボスが仲介に入った。


「FMJ、妹大切にしろ、カリアさん、落ち着け、それと俺は誰のものでもないから」


その言葉を聞いたFMJとカリアがホスの方を向いて声を揃えて言った。


「お兄ちゃん・兄さんはどっちが大切なの・ですか!」


「そ、そんなこと言われても………FMJは戸籍上は兄妹だが昔同僚だった以外はあまり考えは変わってないし、カリアさんにいたってはほぼ初対面だし」


ボスが立場悪そうに言うと、カリアが少し勝ち誇ったように言った。


「ふふ、姉さんはただの同僚、しかも昔の、私の勝ちですね」


「な、なに言ってるのよ!あなたなんて初対面じゃない!それに私はなんどもお兄ちゃんと寝ているのよ」


「な!?ほ、ほんとですか兄さん?」


急に聞かれて少し戸惑いながらボスが答えた。


「あ、ああ、めちゃくちゃ寝苦しい夜だった」


ボスはFMJと寝たことがある、その事実を知ったカリアは呆然とし始め、こんどはFMJが勝ち誇ったような顔をした。


「ふふん、もう私とお兄ちゃんは深い仲なのよ、諦めなさい」


「ま、まだです!」


そう言ってカリアはボスの方を向いて、ボスに頼み込んだ。


「兄さん!今日は私の部屋で一緒に寝ましょう!」


「ええ?も、もう部屋用意されてるからその部屋のベッドで寝たいんだけど……」


「いいじゃないですか!減るもんじゃないし!」


強引なところもFMJに凄く似ている、最初は大人しいイメージだったんだけどなぁ…………


「………座って食事しないの?」


そう言ったのはさっきから右にも左にも動けない状態が続いていたルイスであった。


…………………………………………………………………


「……ふう、部屋に戻るのも一苦労だ」


食事が終わって風呂に入った後にボスはカリアからしつこく一緒に寝ることを強要されたが、なんとか便所に立てこもってことを済ますことができ、部屋に帰還した次第である。


「さて、たまには一人でゆっくり寝たいしな、ミヤと一緒に寝た時とか地獄絵図だったな」


そう独り言をいいながらベッドに向かい、布団をめくると何故かカリアが爆睡していた。


「すう………すう……………ん…………」


いつの間にベッドに忍び込んだかはさておき、寝ているなら起こさぬようにカリアの部屋まで運ぶのが得策!そう考えたボスはそっとカリアを抱っこし、部屋を出ようとしたらこんどはFMJが枕を持って立っていた、良く見ると立ったまま寝ている。


「なんて器用な……いや、そんなこと言ってる場合じゃない」


ボスはFMJを起こさないようにゆっくりゆっくりとカリアを抱っこしながら歩いた、すると寝ながらFMJも付いて来た、めちゃくちゃ怖かった。


「え?なんであいつ着いてこれんの?凄く怖いんだけど」


急いで移動するとカリアが起きるし、かと言ってゆっくり移動するとFMJに追いつかれてしまう、果たしてどうしたらいいものかと考えると都合よく前からルイスが歩いてきた。


「お、ルイス、いいところにきたな、ちょっとこれ着ろ」


そう言ってボスは抱っこしたまま器用に上着を脱ぎ、ルイスに着させた。


「え?なにこれ?どゆこと?」


「そういうことだ、じゃ」


そう言ってボスはどこかに行った、あいつ何がしたかったんだと疑問に思いながらもルイスは自分に用意された部屋に向かった、するとルイスにFMJが付いて来た。


「え?なにこれ?凄く怖いんだけど」


………………………………………………………………


「ふう、よっこらしょ」


そう言ってボスはゆっくりカリアをベッドに降ろした。


「ミッションクリアだ、よくやった俺」


そう言ってボスは部屋をあとにしようとした、が、ここで後ろから服を掴まれた。


「んむ……………にいさん、今日は一緒に寝るために来てくれたんですか?嬉しいです」


「え?いつ起きた?」


「よっこらしょって声が聞こえたもので」


「……………I. Expect freedom」

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