ボス、対面
家の前でつったっても仕方ないのでボスはドアの前に立ち、インターホンを押した、すると中から待ち構えていた様にFMJが出てきた。
「お兄ちゃん!入って!」
そう言ってFMJはボスの手を握り、なかに連れていかれた。
「なあ、FMJ、俺達戸籍上は兄弟だぞ?親だってそのことは知ってるだろ?」
「うん、知ってるよ、でも愛の前に敵は無しよ!」
「んな滅茶苦茶な………」
そんなことを言っている間にリビングについた、高そうなソファー、広々とした空間、壁には装飾品や絵画、そして机の上には来客用の葉巻が置いてあった。
「お兄ちゃん座って!そろそろ家族が来るから!」
そう言われてボスは座り、FMJもボスの隣に座った、するとドアが開き、FMJの父、母、妹らしき人が入ってきた、しかも何故か全員哀れそうな目でボスを見ていた。
「じゃあ紹介するね!この人が私の彼氏!名前は………」
「サリア、悪いが少し席を外してくれないか?」
そう言ったのはFMJの父である、因みにサリアはFMJの名前である。
「え?なんで?」
「いいから」
そう言われてFMJは大人しく部屋を出ていった、するとFMJの父がすごい勢いで土下座した。
「すまん!娘がわがままを言って!」
「え?え?」
急に土下座されてボスは訳がわからなかった、無理もない、普通は訳わからない。
「娘のわがままで兄妹にさせられたり!今回のようにお見合いしたくない余りに彼氏役にされたり!本当にもうしわけない!」
「いや、そんな気に病まなくても……」
「いや!全ては娘を甘やかし過ぎた私の責任だ!せめて償いをさせてくれ!」
「償いなんて、そんな大げさな……」
兄弟関係取り消しとかお見合いに無理矢理行かせるとかはしてくれないのか、それが一番の償いになると思うんだが……。
「償いをする、するから一つお願いを聞いてくれないか?」
そう言ってFMJの父は顔を上げた。
「な、なんでしょう?」
「当分この家に泊まっていってくれ」
「え?」
「いや、わかる!急にそんなこと言われて動じないやつなんていない!だが今は黙って了承してくれないか?」
「えっと、なぜ泊まらなければ……」
ボスがそう聞くとFMJの父が説明した、なんでも昨日余りにもお見合いをしたくないFMJが出した条件で、お見合い相手とボスを比べてもしボスよりお見合い相手の方がよかったらお見合いをしないこともない、と言ったそうだ。
「な、なるほど」
「頼む!この通りだ!」
そう言ってFMJの父はまた床にめり込むほどの土下座をした。
「あ、いや、わかりました!当分お邪魔させていただきます!」
「ほ、本当か!」
そう言ってFMJの父は満面の笑になった、まじめんどくさいな、FMJ一家は。
こうしてボスはしばらくFMJの家に泊まることになった。
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……さて、泊まることになったボスは女中さんのような人に部屋を案内され、一息ついていた。
「ふ〜、後で副ボスに連絡入れなきゃな、怒るだろうなー」
そんなことを思っていると扉が開き、FMJの妹が入ってきた、FMJの妹はFMJとは髪色が違い、髪色が銀髪で背中まで伸びている、顔は上品さが漂っているがFMJによく似た顔である。
「えっと、お兄さん、少しいいですか?」
「ど、どうしました?」
ボスが尋ねると少し顔を赤くしながらボスの膝の上に乗っかった。
「ど、どうぞ、私を好きなように……償わせてください」
「ああ、いらない」
きっぱりとボスが言うとFMJの妹はショックを受けたような表情をし、俯いてしまった。
「………私は価値無しですか?」
「いや!別にそうゆうわけでは……君にはまだ早いような気がしたので……」
そう言ったがFMJの妹はずっと俯いている、ボスはどうしたら機嫌を治すか考え、そして思いついた。
確かFMJは頭を撫でたら機嫌を治す、姉妹なら同じだろう、そう思ったボスはFMJの妹の頭を撫でた。
「ふにゅ………」
「とりあえず落ち込まないで、機嫌を直してください」
「………お兄さん、あったかい」
そう言ってFMJの妹はボスの胸部に顔を埋めた、ここら辺もFMJによく似ていた。




