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ボス、私の昔話をしよう6

…………以上が副ボスの腕の怪我の原因である、しかしこんな傷を負って帰ってきた副ボスを見て何も思わないわけがなかった。


「パパ、どういうミスしたらこんな怪我するの?」


シャネットが副ボスに詰め寄り、目を合わせながら質問してきた。


「………書類のコピーしていたらコピー機が紙詰まりしたから詰まった紙をとろうとしたら………」


「もういいわ、パパってホント嘘へたね」


「……………」


そう言うとシャネットが真剣な顔になり、更に副ボスに質問した。


「パパ、いっつも仕事について質問しても答えてくれないけど一体なんの仕事をしているの?」


「………それは教えられない」


「なんで?」


「そういう決まりなんだ」


「………私達夫婦よね?」


「…………ああ」


「……………妻にも教えられない仕事なの?」


「……………………うん」


「………なんで怪我したのかすら教えられないの?」


「………怪我どころか仕事中に死んでも死因は教えられない」


「………!」


副ボスの返答にシャネットは驚きを隠せなかった、その様子を見た副ボスは焦るように付け足した。


「で、でも仮に僕が死んでも家族には手当て金が届くんだ!だから僕が死んでも生活に困ることは「バカ!」」


副ボスの言葉を遮ってシャネットが叫んだ。


「手当て金が…………届いたって……あなたがいないなら意味ないじゃない…………」


喋っている途中で泣き出してしまったシャネットを目の前に副ボスはただ、呆然と立つしかなかった。


「おねがい………その仕事やめてよ………」


「で、でもそんなことしたら…」


副ボスがそう言おうとしたら、シャネットが癇癪を起こすように叫び出した。


「自分の体も大切に出来ないパパなんかきらい!話すらしたくない!!」


そう言ってシャネットは泣きながら寝室に駆け込んだ。


「………パパ」


今度はサナが話しかけてきた。


「パパは何のために仕事をしているの?」


「………もちろん家族を養って幸せに暮らすためさ」


「でもママ幸せには見えなかったよ?」


「…………」


「ねえパパ、私に教えて、パパはどんな仕事をしてるの?」


そう言われて副ボスはサナから目をそらしてしまった、そして


「ごめん、どうしても教えることは出来ないんだ……」


そう言って副ボスは自室に向けて歩き出した、しかしサナが副ボスのズボンを掴む。


「ねえ、教えてよ」


「…………………パパは法律を無視できる組織の幹部をやってる、これ以上は教えられない」


そう言って副ボスはサナの手を振り切って自室に入り、すぐに寝た。


……………………後日、副ボスの人生で一番まずい朝食を食べた、話が全くない、こんな息苦しい朝食は初めてだ、そんなことを思いながら黙々と朝食を食べた。


「……な、なあシャネット」


「……………………なに」


ものすごく不機嫌そうな声でシャネットは返答した。


「僕………今の仕事やめるよ」


「嘘、あなたは絶対やめない」


「本当だよ、今の仕事をやめるよ」


「………じゃあ証明して、あなたがやめるっていう証明」


「証明か………」


副ボスはなにをしたら証明になるか考え出した、その様子を見たシャネットは


「…………もう、本当に手間のかかる人ね」


そう言ってシャネットは席を立ち、副ボスに抱きついた。


「……………この後何して欲しいと思う?」


シャネットがそう副ボスに質問すると、副ボスは、ハッ!と気づいたようにシャネットに唇を交わした。


「ん………よくできました」

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