ボス、俺の昔話をしよう7
ボスが撃った弾丸はローターに当たり、ヘリはグルグル回転しながら煙を吹き、バランスを崩してプロペラを地面に砕かれ横転した
「ふ、またつまらないものを撃ちぬいてしまったぜ…………」
そう言ってボスはよくわからない決めポーズをした
「ボス、お前結構凄いんだな…………」
「ふふふーん、褒めたたえなさーい」
ボスが調子にのり始めたのでジャックは正面を向くと横転したヘリから人が出てきた、横転したのに生きてるとは、最早尊敬に値する
「あれ?なんか生きてるね?」
「ボス、ちょっとここで待ってくれないか?」
「うん、いいよ」
ジャックはボスに待機の指示を出して、車から出て拳銃を取り出した
「処分してこいって言ってたが相手の顔を見るくらい別にいいだろ、切り裂きジャックの顔を拝んでやる」
じりじりと切り裂きジャックに近づき、警告した
「手を頭の後ろに付けて跪け!」
切り裂きジャックは言われたように跪き、ジャックを見て喋り出した
「………………まさか貴方に会うなんて………………」
…………なんだこいつ?俺を知ってるのか?いや、そういえばこいつの顔どっかで見たかも知れない、だがどこで…………………………あ
「まさかお前………………………アリスか?」
「ええ、そうよ」
なんとでもないような顔でアリスは言った
「しかしなぜお前がスナイパーライフルをもっている?なぜお前が将校ばかりねらうんだ?」
「復讐よ」
「復讐?」
「そうよ、ユニを殺した軍人に対する復讐、私からユニを奪ったアメリカに対する復讐よ」
「………………もしここに大統領がいたらさぞ悲しむだろうな」
「大統領ってシュタインの事?あの人が悲しむ訳ない、まだ生きたいと言ったユニを殺した人よ?そんな人が大統領だなんて世も末ね」
「大統領になる奴なんて自惚れ屋か狂人だってルーズベルトが言ってたぞ?それにお前はその大統領にすら慣れないテロリストだろ?」
「全くだわ」
突然後ろから声が聞こえた、後ろを向くとボスが車から出ていた
「ボス、車で待っていろって言ったろ」
「副ボスはちょっと黙って」
珍しくボスの顔は真面目で、これにはジャックもすこし驚いた
「あなた大統領がどんな思いで大統領になったと思ってんの?もう誰も銃を持たないように、もうだれも暴力を受けないように、もう誰も悲しい思いさせないように大統領になったのよ?生半可な覚悟じゃ大統領になれないのよ」
なんかボスが力説しとる、珍しッ
「ボスなんか随分大統領を上げてるけど、あんた大統領のなんなん?」
「私はボスになる前は大統領の秘書だったのよ」
これまた意外、そんなことが…………
「とりあえず、切り裂きジャックは連行するわ」
「え?でも処分してこいって言われたと思うが」
「ボスが決めたのよ!なにか文句ある?」




