ボス、困惑
ボスは医務室の外でアランさんを待つ事にした、30分後突然医務室の方から悲鳴が聞こえてきた
「キャアアアアアアア!」
「な、なんだ!?」
そういってボスは医務室の中に入っていった
するとそこにいたのはアランさんではなく、腰まで髪の毛が延び、腰がスレンダ―な一人の女性がいた
「誰だ!お前!」
「わ、私です!アランですよ!」
「嘘つけ――い!アランさんは男だぞ!女じゃない!」
「嘘じゃないです!本当なんですよ!」
そういわれてボスは自称アランさんだと言う女性の顔をまじまじとみた、男にしてはツルツルの肌、長いまつげに透き通った大きな目
どう考えてもアランさんではないとボスが思ったその時ある事を発見した、目の下に濃いクマがある!
「ほ、本当にアランさんなのか?」
「や、やっと信じてくれましたか」
「しかしなんで女になってるんだ?」
「わ、私にも分かりません」
「アランさんは元の体に戻ることは出来るの?」
「それも分かりません、とりあえず研究スタッフを集めて元に戻れる方法があるかどうか試してみます」
そういってアランさんは医務室を飛び出した
「・・・・研究スタッフの人はアランさんだって信じてくれるかね」
ボスがふとそう呟いた
さて研究室では
「私はアランですよ!あなたたちの上司のアランです!」
「そんなこと言われてもなー」
「全く信じられんなー」
どうやら研究スタッフを集めて事情を説明したが、誰一人信じて貰えてないようだ
「何だか世界で取り残された気分です・・・・・・グスン」
なかなか信じて貰えなくて切なくなったのか、泣き出してしまった
「うぐ・・・・グスン、もういいです・・・・私一人で解決します・・・・」
そういってアランさんはとぼとぼと自室に足取りを向けていた、それを見た研究スタッフは物凄い罪悪感を感じ
「す、すみませんでしたアラン主任!出来ることなら何なりと!」
「・・・・・本当に信じてくれたんですか?」
「も、勿論ですともアラン主任!早速元に戻る方法を考えましょう!なあ、お前達!」
「お、おう!」
「任せて下さい!」
こうして研究スタッフとアランさん達は研究室で元に戻る方法を夜通し考えることにした、が、
「どうやっても元に戻れません・・・・」
翌日ボスの執務室でアランさんがいった
ボスが尋ねた
「何かいい方法はないのか?」
「はい、もう全くありません、私女として生きるしかないんでしょうか・・・」
「ま、まあでも性別が変わった以外異常はないんだろ?それって不幸中の幸いじゃないか?」
「まあそうかもしれませんけど・・・・」
「ゆっくり考えるのも悪くはないんじゃないか?」
そう話していると突然アランさんの体がビクっと動いた
「ん?どうしたんだ?アランさん」
「な・・・・・なんか体が勝手に・・・・・体の奥が熱いんです・・・・」
「そりゃどういうことだ?」
「わ、分かりません・・・・・・それとボス」
「な、なんだ?」
「何故か貴方からいい匂いがしてくるんです・・・」
そういっているアランさんの目は赤く染まり、だんだん呼吸も荒くなっていた、ボスはこの症状をよく知っている、だがどこで見たのか・・・・・と、思い出していると
「もう我慢できません・・・・」
そういってボスに飛びかかってきた
ドサ!
ボスは床に仰向けに伏せられ、アランさんに跨がれた、つかさずボスはアランさんを退かそうと肩をもって横に倒そうとするがまるでビクともしない、むしろ腕をアランさんに捕まれ、完全に床にねじ伏せられた
「思い出したぞ・・・・・この症状・・・・・薬に適合しなかったあの血だらけの研究員と同じ症状だ・・・」
しかしアランさんを退かそうと思っても何故か力が入らずただずっとねじ伏せられているとアランさんが首元をチロチロ舐めはじめた
最初何をしているのか分からなかったボスだが動けないのでただじっとしているしかなかった、と、次の瞬間
ガチン!
突然アランさんはボスの首元を思いっきり噛んだのである、ギリギリと歯を首に擦りつけながら思いっきり噛んでくる
「アランさん!痛い痛い!」
しかしアランさんはボスの言葉を無視して噛み続ける、
ブチ!
噛み続けた結果首の皮膚がやぶれ血が流れだした、するとアランさんは
「ヂュルレロアムピチャピチャ・・」
そう音を出しながらボスの首から吸っていた
「もしや俺万事休すか?・・・」
ボスがそう思った次の瞬間突然アランさんの動きが止まった、そしてアランさんはボスの上に倒れ込んだ、ボスは倒れたアランさんをどかした、アランさんはみるみる内に元の体に戻っていった
「なんでもどってんだ・・・・まさか?」
考えられることは一つ、どうやらボスの血が血清のかわりになったようだ




