表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/116

少し昔話をしよう・4

「僕は生まれつき孤児だったんだ、それで僕がいた村では、孤児は忌み子として扱われていて僕は物心ついた頃から、牢獄のような所で大人達に酷いことをされていたんだ、焼けた鉄で殴られたり、熱湯をかけられたり、色々なことをされた・・・・・でも、そんな辛い日々を耐えられたのもあの子のお陰なんだ


「あの子?」


大統領は尋ねた


「うん、名前はアリスって言う子なんだ、僕が一人泣いている時慰めてくれたり、励ましてくれたりしたとても優しい子なんだ、だけど・・・・・」


「だけど?」


「大人達はアリスのやっていることに不満を思っていたんだ、忌み子を甘やかすと示しがつかないと思っていたんだろうね、それで大人達はアリスも忌み子の仲間だと言い出したんだ、それでアリスは僕と同じ牢獄に入れられたんだ、アリスは僕がどんな目にあっているか良くわかっている、だから自分がこれからどんな目にあうかわかっていたと思う、でもあの子は、君と一緒なら耐えることができるっていってくれたんだ、そんな時に転機が訪れたんだ、それはおじさん達の軍隊が介入してきたことなんだ、それで村の大人達はおじさん達の軍隊を相手にしないといけないから僕らを監視することに手が回らなくなったんだろうね、それで大人達は鍵を掛け忘れたんだ、そうしたらアリスが二人で逃げたらすぐに大人達にばれるって言って、僕だけを逃がしてくれたんだ」


「・・・・・なかなか、苦労したんだな」


大統領はただ、そう言うしかなかった


「ねえ、おじさん助けてよ!アリスを助けるのにおじさんの軍隊の力が必要なんだよ!」


「・・・・ユニ、落ち着いて話を聞いてくれ俺達は確かに軍人だ、だが軍隊には階級ってのがあってな、俺の階級は軍曹だ、軍曹の出来ることと言えば敵に罵声を浴びせることぐらいだ、ユニの力になるには部隊に指示を 出す基地指令にならないといけないんだ、だが俺にはそんな地位はない、だから力になることは出来ない」


「そんな・・・僕の問題を解決出来るって言ってたじゃないか」


「聞き間違えるな、出来るじゃない、出来るかもだ」


ジャックが横槍をいれてきた


「なんだよ・・・・なんだよ!誰も僕の味方になってくれないのかよ!それならおじさん達は村の大人達と大差かわらないよ!」


「俺達が一度でも自分は善人だと言ったか?」


ジャックがさらに追い討ちをかける


「いいか、俺達は軍人だ、軍人にろくな奴はいない、何故なら軍隊に入るやつは自惚れた奴か、自分を救世主と勘違いした愛国者か、国籍を取るために嫌々やっている奴だ、そんな奴等の寄せ集めが軍隊だ、どう考えだってまともじゃない、何故俺達を救世主と勘違いしたか知らんが期待にそえることはーーー」


「これ以上は言うな!!!」


今度は大統領が横槍を入れた


「ユニ、ついさっき俺が言ったことは前言撤回だ!必ずアリスってゆうやつを助けてやる!」


大統領がそう啖呵を切った、するとジャックが質問した


「しかしどうやって助けるんだ?まさか俺とお前で助けに行くってんじゃないだろうな?」


「ザイク少尉に頼んでみる」


「ザイク少尉がそう易々と部隊を動かしてくれるとは思えないがな」


「やってみなくちゃわかんないだろ!」


そういって、大統領は士官用テントにいった


「失礼します!ザイク少尉」


「なんのようだ?シュタイン軍曹?」


奥からザイク少尉が出てきた


「は、実はあの少年の件についてなんですが・・・・」


大統領はユニのこれまでの過程についてザイク少尉に話した


「なるほどね、あの少年にそんな過程が」


「ですからお願いします、すぐさま救出部隊として、部隊を動かしてください!」


「ねぼけてんのか?シュタイン軍曹」


ザイク少尉は言った


「いいか、おれはあくまで部隊の隊長であって、部隊の作戦行動を指揮するのは基地指令だぞ?俺の勝手な意思で部隊を動かすことは出来ない」


「ですが、作戦行動地域に保護すべき対象がいるのも事実!それを無視するのですか!?」


「ああ、そうだよ、見殺しにするんだ」


ザイク少尉はきっぱりと言った


「・・・・・・本当にそれでいいんですか?」


「俺はかまわないと思っている」


「本当は助けたいと思っているんじゃないですか?」


「しつこいな、なにが言いたい?」


「あの少年を・・・・・ユニを助けた部隊ってのはあなたの部隊じゃないんですか?だって普通に考えたらおかしいじゃないですか、偵察部隊が足手まといになる子供を引き連れて戻ってきます?偵察するのが仕事なわけですから仕事柄機動力が必要です、なのに少年を引き連れて戻ろうとするとは思えませんし

仮にそうだとしたら偵察部隊に消耗がでているはずです、しかし偵察部隊に犠牲者が出たと言う話は聞いていません、と、なると射撃部隊である貴方の部隊が助けたんじゃないんですか?」


「・・・・・ああ、もう!」


ザイク少尉は頭をかきながら言った


「もしかしたらお前も軍法会議じゃすまなくなるかもしれないんだぞ!」


「人っ子一人助けられないのに大統領になるなんていいませんよ」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ