ボス、夢幻の如く
「こ、これはめりーおねえちゃんだからやるんだかね!ぼすとかにもやらないんだからね!」
顔を真っ赤にしながらミヤがメリーに言った、対するメリーは息を荒くしながら正座していた。
「ハアハアっわっ分かってるわ、だ、だから早くして!」
メリーが促すと、ミヤは覚悟を決めたように頭にネコ耳カチューシャをつけて、手を猫のようにして言った。
「にゃんにゃん、みやはおねえちゃんのぺっとです、みやにあいじょうをそそいでください」
その言葉を聞いたメリーはまるで短距離走のスタートダッシュのような速さでミヤに抱きついた。
「やーんかわいい!いくらでも愛情を注いじゃうわ!」
「く、くるしいよう」
メリーの腕の中でもがきながらミヤがいった、その様子を見ながらボスは呆れながらメリーにいった。
「メリー、ほどほどで許してやれよ?」
ボスがそういうと、メリーがミヤを抱き上げながらボスの方を見ていった。
「ねえねえ副ボス!この子もらっていい?」
「だめだ、そいつは軍部のものだ」
ボスがそういうと、メリーは目を丸くしながらボスに聞いた。
「え?この子軍人なの!?」
「一応な」
「こんな可憐な少女を戦場に誘おうなんて、世も末ね!」
ミヤに頬ずりしながらメリーが言った。
「お、おろしてよぅ…………」
足をじたばたしながらミヤは言った。
「あ、ごめんごめん、今下ろすよ」
そう言ってメリーはミヤを床におろした、するとミヤは椅子に座っているボスによじ登り、膝に座って抱きついた。
「えへへ………ぼすのおひざ………」
「ミヤちゃんは副ボスが大好きなのね?」
メリーがミヤに質問すると、ミヤは真っ直ぐな目でメリーに言った。
「うん!ぼすだいすき!」
その言葉を聞いたメリーは少しボスに嫉妬の目を送りながらミヤに聞いた。
「じ、じゃあおねえちゃんはすき?」
「おねえちゃんは…………」
どきどき…………どきどき……………
「すき」
「やっふうぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!」
「うるせえ」
喜んでいるメリーに対して、ボスが耳を塞ぎながら言った。
「喜んでいるのはいいが、ここは職場だ、静かにしてくれ」
「う、面目ないです」
そう言ってメリーはシュンとしてしまった、それを無視しながらボスは時計を見始めた。
「あ、そうそう、悪いんだけどミヤと一緒に風呂にはいってくれないか?」
ボスがそう言うと、メリーは一瞬で顔がにこやかになった。
「え!いいの!?」
「ああ、ミヤはまだ小さいからな、誰かが見てやらないと湯船に溺れちまう」
ボスがそう言うと、ミヤはボスに講義した。
「みやそんなにちいさくないもん!ひとりでできるもん!」
「子供はみんな若さゆえの過ちでそんなことを言うのさ」
そう言ってボスはミヤを抱き上げ、メリーに渡した。
「じゃ、下の階に大浴場あるからそこに行ってくれ」
「大浴場?そんなのあったっけ?」
「俺が作った」
「自由な人ね」