ボス、油断大敵
そう言ってボスは寝息を立てて、静かに眠った。
「ふふふ、殺した相手が目の前にいるのによく寝れるね」
メリーがボソっと言った、しかしボスは呑気に寝息を立てながら寝ている。
「すう……………すう………………」
「……………」
メリーは黙ってボスの隣に座り込み、ボスの顔を覗いた。
「ふふふ、かわいい、起きている時とは大違いね」
そう言ってメリーはボスの頭をなで始めた。
「…………ちょっとぐらい良いわよね」
そう言ってメリーボスの胸板に手を置いた。
「あ…………凄い脈を打ってる、心臓が機能しているわ」
そう言って自分の心臓と見比べてみる。
「動かない……………まあ、死んじゃったもんね 」
「羨ましい………殺したくなっちゃうぐらいに」
―――――――――――――――――――――
「んん………朝かよ」
そう言ってボスは起き上がり、ロッカーに向かおうと上体を起こそうとしたら膝の上にメリーが寝転がっていた。
「………幽霊は寝ないんじゃないのか?」
「寝ないよ?でも寝転がったっていいじゃない」
「邪魔だ、どいてくれ」
「もうちょっと甘えさせてよ、後起きたついでにナデナデして?」
そう言われてボスは、メリーの頭をなで始めた。
「んん、ナデナデ良い……………」
「幽霊って触れるんだな」
そう言いながらボスはメリーの頭を片手で撫でながら器用に着替え始めた。
「上は何とか着替えられるな、問題は下だが………」
「あ、大丈夫、私別に気にしないから」
「じゃあどけよ」
そう言ってボスは無理やりメリーをどかし、メリーをベッドの隅に放り投げた。
「きゃん!」
「ああやっと着替えられるな」
そう言ってボスはロッカーの前でいそいそと着替え始めた。
「ちょっと副ボス!やるならもっと優しく移動させてよ!放り投げることないじゃない!」
「だって優しくしたら絶対動かないだろ?」
「む、動くかもしれないじゃない」
「しれないじゃダメだ、確実に動いてもらわないとな」
そう話している間にボスは着替え終わっていた。
「腹減った、飯食ってくる」
そう言ってボスは執務室から出ようとした。
「ちょっと!話はまだ終わってないのよ!」
「あ、飯何がいい?」
「とりあえずスクランブルエッグで、て!話反らさないでよ!」
「あーうるさいうるさい」
そう言ってボスは執務室から出た。
「………………もう!」
―――――――――――――――――――――
「はいお待たせ」
そう言ってボスは執務室の扉を開けた、メリーは拗ねていた。
「……………」
「スクランブルエッグ作ったぞ、食え」
そう言ってボスはメリーに渡そうとしたが、メリーは見向きもしなかった。
「いらないのか?だべちゃうぞ?」
少しメリーが反応した。
「はぁ……………おい、メリー」
そう言ってボスはスプーンに一口分のスクランブルエッグを乗せた。
「あーんしろ」
「やだ」
「嫌か?」
「やだ」
「じゃあせめてこっち向け」
ボスがそう言うと、メリーは渋々ボスの方を向いた。
「あむ」
ボスがメリーに口移しをした。
「んむっん!?ち、ちよっいんはげしっ」
「ふう、やっと食ったな」
「ななな……………!」
メリーは見る見るうちに顔が赤くなった。
「安心しろ、口移しなんて軍人の時に死ぬほどやったからな」
「わ、私は初めてよ………」