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ボス、帰還

「…………んん〜、よく寝れました」


そう言ってカリアは起きた、外を見ると夕方であった。


「ふう、半日近くは眠っていたようですね、ご飯食べに行きましょう、兄さん」


そう言ってカリアは振り返った、しかしそこにはボスの姿がなかった。


「……………兄さん?」


ベッドから飛び出てあちこち探し回った、洗面所、リビング、食堂、どこにもボスはいなかった。


「兄さんどこに行ってしまったんでしょう?トイレでしょうか?」


そう考えていると、FMJが声を掛けてきた。


「カリア、あんたさっきからなにウロウロしてんの?」


「あ、姉さん、兄さん知りません?」


「ん?お兄ちゃん?帰ったわよ?」


FMJがそう言うと、カリアはえ?と悲観な表情をした。


「なんか私のお見合い相手が今回の件は無かった事に、とか言って帰ってってお見合いの話が流れたからお兄ちゃんも帰ったのよ」


「そ、そんな、さよならも言われてないのに………………」


「まあお兄ちゃんの仕事は多忙だからね、さよならいう暇もないんじゃない?私は言われたけどね」


「そう、ですか……………」


「まあでもそんな多忙なスケジュールなのに私のために時間を割いてくれるなんて、やっぱりお兄ちゃんは最高だわ!」


そうFMJがひとりノロケに走っている中、カリアはトボトボと自分の部屋に戻っていった。


―――――――――――――――――――――

カリアはベッドの上で抱き枕を抱きながら体操座りをしていた。


「………………兄さん、なんで黙って帰っちゃうんでしょうか、一言くらい言ってもよかったのに………」


そう言ってカリアはふと窓の外を眺めた、外には満月がこれまでにないほど輝いていた。


「今日は月が綺麗です、兄さんも月を見ているんでしょうか?」


そう言ってカリアはずっと月を眺めていた、すると狼男の話を思い出した、やがて不安になり狼男が今にも窓を突き破って入ってしまうのでは?というありもしない不安にに陥った。


「…………怖くなってきました、に、兄さん、手を……………」


カリアはボスに手を握ってもらおうとした、しかしボスはいない。


「そ、そうでしたね……………兄さんはもういないんでした、なんか私馬鹿みたい」


そう言ってカリアは笑い飛ばそうとした、しかし何故かわらえず、涙が出てきた。


「ば……………ばがでもっいいっからにっにいさんにあっあいたい!さびしいよぅっせっせつなよぅ!あっあああああああああ」


「カリアさんよく泣くなぁ」


そう言われてカリアは顔を上げた、するとそこにはボスが立っていた。


「にっにっにいさぁぁぁぁぁぁん!」


そう言ってカリアは何故かボスを殴り倒した。


バキ!


「ぐふ!?俺なんか悪いことしたか?」


「なっなんでさっよなら言ってくれないんてすかぁぁぁ…………」


泣きじゃくりながらカリアがボスに言った。


「いやだって、カリアさん寝てたんだもん、わざわざ起こす訳にいかないっしょ?」


そう言いながらボスは立ち上がった。


「んで、FMJに言ったのにカリアさんに言わないのはどうかなー、と思って戻ってきたの」


ボスがそう言うと、カリアは服で涙を拭きながら言った。


「ぐす……………そう、なんですか?」


「ああ、そうだ、じゃ、カリアさん、さよなら」


そう言ってボスは部屋を出ていこうとした、が、例によってカリアが服を掴んだ。


「か、かえっちゃ嫌です…………」


「んなこと言われても俺には仕事が………」


「んんん!」


そう唸ってまるで子供のように乱暴に服を引っ張った。


「ちょ、カリアさん服破ける!」


「破けちゃえばいいんです!そうすれば仕事にも行けません!」


「それじゃ俺が困るだろ!スケジュールが空いたら必ずくるから!」


ボスがそう言うと、カリアはピタッと動きを止めた。


「……………スケジュールに空きができるんですか?」


「た、たまに………だが」


「その日まで待たないといけないんですか?」


「まあ、でも待てたら必ずお土産とか買ってくるから!」


「……………約束ですよ?」

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