ボス、変革
「………んん、朝か」
そう言ってボスは目覚めた、久しぶりに一人で寝たのでベッドは広々としている。
「よし、洗面台に行って顔でも洗……うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
ボスはベッドの中にうずくまった、理由はカリアがベッドの前で白目を真っ赤にしてずっとボスを見ていたからである。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!遂に、遂に俺の前に出やがったか悪霊がァァァァァァァァァァァァァァァァ!ミンチにしてやるわぁァァァァァ!」
「兄さん、落ち着いてください、私です」
そう言われてボスは恐る恐るベッドから顔を出した。
「な、なんだカリアさんか………どうしたんだその目は?」
「……………自室で寝ようと思いましたが、なかなか眠れなかったんで日が登ってから兄さんの部屋に来た次第です」
「そ、そうか………じゃあまだ一睡もしていないってこと?」
「はい…………」
「じゃあ寝な」
そう言ってボスは起き上がり、洗面台に行こうとした、が、カリアに腕を掴まれた。
「兄さん、ど、どうしてもと言うなら一緒に寝てあげますよ?」
え?なになに?急にツンデレ?
「いや、結構、俺は洗面台に行かなければ、んでもって飯も食わねえと」
「………約束、しましたよね」
「ああ、確かにした、だがあの約束は夜カリアさんと一緒に寝る約束であって今は朝だ」
ふう、とため息をつきながらボスは腕を振りほどこうとした、しかしカリアは徐々にボスの腕に力をこめる。
「兄さん、もしかして無理してません?」
「え?なにが?」
「本当は私と寝たくありません?照れ隠ししてません?」
「いや、だから俺はついさっきまで寝てたわけだから十分寝た」
ボスがそう言って一緒に寝る気がないことを表すと、カリアが顔を少し赤くしながらボスとの視線を逸らして少し涙目になりながら小声でいった。
「い、いっしょにねてくだしゃい………」
「なに?小さい声で聞こえない」
「一人でねるのさびしい、です、だからいっしょにねてください」
…………頼まれると断れないのがボスクオリティ。
「………ん、まあ手ぐらいは握ってやる」
そう言ってボスはベッドに座り、布団を捲ってカリアを誘導し、カリアを仰向けにさせた。
「んむ………やっと寝れましゅ…………」
「そうか、まあくまが凄いことになってるしな」
「何もかも兄さんのせいです……………」
「なんか言ったか? 」
「なんでもありません、頭なでなでしてください」
そう言われてボスはカリアのアタマを撫でた。
「カリアさん、髪サラサラなんだな」
「えへへ、トリートメントは欠かさないのです」
「ふーん」
「兄さんの手、大きいですね」
「…………そうか」