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はじまり
私は見つけた――
ようやくあの男の所在を。
長かった８年の月日を越えて…
少女は目的地へと足を進める。
季節は冬。 ちらちらと降る真っ白な雪は幻想的で美しい。
町を歩く人々はその雪に見とれ、子供たちは歓喜している。
そんな子供たちと年端はかわらない１６歳の少女――雪菜はその人だかりを通り、町外れの丘へと向かっていた。
通り過ぎる少女――雪菜を見たまわりの人々はその少女のあまりの美しさに目を惹かれていた。
彼らはしらない。
彼女―雪菜があの行った者は二度と帰ってこないと噂される丘に向かっていることを。
