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不沈戦艦武蔵 沈み行く戦友  作者: 賀来麻奥
比島日米最終決戦
84/102

機動部隊の勝者

 ゛比島、上空炎上中゛で今回の話ともうひとつの話を同時進行でやるつもりでしたが、いかせん文才が乏しいので。(別にマニラ航空戦の構成が出来てないとか言うわけではないんだ!)

 次回予告とは異なりますが、゛機動部隊の勝者゛をどうぞ。

  〇六三〇 「いいか、ジャップのやつらは後ろ頭にも目がついているから背後から攻撃しても逃げられちまう。だから真上から攻撃するんだ。とにかくおまえは付いてくればいいんだ」アメリカ攻撃部隊の護衛に駆り出されたエースパイロットであるアレキサンダーは、まだ200時間しか飛んでいないのにも関わらず前線に投入された新人のシュダーナーに自分の訓示ともいえる物を話していた。

 アレキサンダーはグアム沖海戦で零戦2機撃墜、1機破損させており、同時に零戦パイロットが後方に敵がついた時にひらりと機体をひねり攻撃を交わしていることも気づいた。これは零戦43型に付けられたバックミラーのことだが43型は米軍の方には細部まで知られていなかった。勘のいいものはバックミラーのようなものを想像したが、ほとんどのパイロットがジャップは後ろに目がついていると冗談交じりに話していた。


 シュダーナーはアレキサンダーに全幅の信頼を寄せつつなるべく敵に遭遇しないように願っていた。 

 あたりは日が出てきておりアレキサンダー、シュダーナー達の編成隊を明るく背後から照らし出した。

「シュダーナー速度を上げずに、ジグザグで動け!攻撃隊をおいてっちまってるぞ」シュダーナーは背後の太陽に目を細めつつ右後方にいるアレキサンダーの機体を確認したあとに、ジグザグ航行を始め進行速度を落とした。





 〇七〇〇 小沢艦隊から発信した攻撃隊は突如としてとある報告を機動部隊に送った。味方の零戦の大編成部隊と遭遇したとのことであった。小沢は内心喜ばしく思ったが表面上は出さなかった。勿論フィリピンに航空兵力を温存しているのは小沢も知っている。


 

 米軍第1時攻撃隊はレーダー上にあるものを発見した。それは遭遇する可能性が高いとされていた200機の味方の爆撃機である。B-24/25に加えP-38である。この爆撃隊は概述した通り一〇〇〇ポンドの爆弾を装備しており空母の甲板に命中すればたちまち貫いてしまうものである。


  

 こうして日米両攻撃部隊は300機に及ぶ編成に膨れ上がりこの20分後衝突したのである。



 一方武蔵は昨夜から変わらず味方の大編隊が飛行した以降は何もなく小沢艦隊に合流することが検討されていた。その時だった観測員が叫んだ。

「艦影見ユル」



 米軍第1次攻撃隊と爆撃機部隊に対し日本攻撃隊とマニラ島より飛来した戦闘機部隊が遭遇した。高度差500mで米軍側が上だった。

 1擊離脱戦法による米軍の熾烈な上空からの射撃により20機は火の玉となり海中へと黒煙を履きながら散っていった。先手を取られた日本側は増槽を捨てグングン上昇していった。


 日本側エースパイロットである栗丘が狙いを定めたのはシュダーナーの機体であった。栗丘は彼が新米であり容易に落とせることを理解した。栗丘は爆撃機や雷撃機は基本攻撃しないが戦闘機に対しては容赦がなかった。

 

 栗丘は彼の機体の上方300mに現れそこで機体を反転し、180度ひっくり返り全速力でその機体向けて降下していった。

 その行動にシュダーナーは気づかず不意打ちを受けた。

 機体を殴られる衝撃受けシュダーナーは座席で頭を強打した。シュダーナーは本能的に頭を抱えた。栗丘が放った4発の20ミリ弾が1発命中したのだ。アレキサンダーはこれに気づき、栗丘の行動をよんだ。栗丘は速度を560キロまで上げ後ろ斜め後方からシュダーナーの機体に狙いを定めたときアレキサンダーの機体が自分を狙っていることを勘づいた。

 栗丘はスロットルバーを思いっきり引きロールをうとうとしたとき、12,7ミリ弾の洗礼を受けた。栗丘は危機一髪でこれを避けた。


 ここに栗丘とアレキサンダーの壮絶な戦いが始まった。


 この時全体の流れとしては日本側が有利なのは言うまでもなかった。アメリカ側は爆撃機などは多いが、戦闘機は60機もない。つまり日本側は4倍はいるのである。軽いフッワークで爆撃機に忍び寄り20ミリ弾の1擊を与え米軍機はバタバタと落ちていった。


 一部の戦闘機部隊を避け陣形を壊し米軍機は遁走しだした。水平速度は米軍側が圧倒的に有利であった。しかし500機を超えるような乱戦である。あたりは見方や敵の機体が乱舞し、機銃弾が交差し、爆発音が轟き耳が麻痺した。熱気を帯びた炎が機体を包みながら落下して行く機を見た記憶を搭乗員たちは、ただ生き残るための戦いの中に消していった。



 米軍爆撃機は4分の3が撃墜され他の機体は爆弾を投下し逃げていった。敵攻撃隊も爆弾や魚雷を適当に捨て戦闘機にすべてをたくし逃亡を開始した。


 米軍の第2時攻撃隊は第1時攻撃隊の報告を受け引き返し、第3時攻撃隊は戦闘機のみが着艦した。スプルーアンスは困惑した。何しろ日本側の攻撃隊はいまだ装備を捨てておらずこちらに向かってきているんどえある。実際天山と彗星が合計で4機が撃墜されていたのだが空母なら数隻戦闘不能にすることなど造作もないことでる。


 

 〇七四〇 第2時攻撃隊の収容を終えた頃にレーダーが日本機を捉えた。一方陸軍は報告を聞き慌ててP-38を派遣した。


 が、既に米空母は攻撃を受けつつあった。


 何百機という日本軍の戦闘機が上空を乱舞し防空用にF6F戦闘機が必死に落とそうとしていた。その中を低空で日本攻撃隊は空母へと向かっていった。


 

 彗星爆撃機は対空砲火で相当数が撃ち落とされたが1機が敵空母に向け急降下爆撃を行った。急降下爆撃機は搭載する爆弾の容量が小さいためせいぜい甲板を破るのが精一杯だった。

 ここで違ったのはその彗星が機体を引き起こさなかったことにある。いや正確には操縦員が機銃に打たれそのまま即死したのである。案の上機体はそのまま二度と上昇することのない降下を開始した。


 爆弾はそのまま投下されエレベーターの部分にぶつかりそこで炸裂した。


 ━━━━そして。


 そこに彗星爆撃機が突っ込んでいったのだ。

 ━━━━エレベーターのしたは先ほどの攻撃隊の魚雷や爆弾が沢山用意されていた。


 刹那・・・。


 狙われた空母はライコンデロガだった。爆炎と硝煙がぶわっと湧き出すと、火山のように甲板に炎のたまが吹き出した。爆風は逃げやすい構造になっている米空母だったがそれでも甲板はみるみるうちに破壊されていった。エレベーター部分の甲板は剥ぎ取られ大火災を生じさせた。甲板上にあった20機の機体は13機が使用できるものではんかうなりライコンデロガは一瞬で戦闘能力を喪失した。


 さらに天山攻撃機は彗星の犠牲とは違って対空砲火で落とされた機体が少なかった。天山雷撃機は合計で15本魚雷を見舞わせ空母バンカーヒルに3本命中させ、後方にあったハンコック、レキシントン、ランドルフ、エセックスを全て撃沈し、他3隻を大破又は中破させた。いや錯覚した。実際天山攻撃隊はバンカーヒルに確かに3本の魚雷を命中させた。そしてバンカーヒルはたちまち傾斜し日本攻撃隊がさったあと実際に右舷側にダメコンの死力さえ尽くした努力も虚しく沈没していった。

 だが、他4隻の沈没報告並びに3隻損傷はほとんどが見間違いだった。対空砲火の水柱あるいわ重複があった。


 まずほかの航空母艦の被害としてはランドルフだった。ランドルフも同じく3本が命中した。しかしランドルフは右舷に9度傾き、機体が30機程海中に吸い込まれていったが30分後には3度に直されていた。ランドルフは最大速力16ノットに低下したが沈没をまぬがれた。スプルーアンスは駆逐艦2隻で曳航を命じた。


 だが不運なことにこの航空母艦と駆逐艦は3時間後伊405の雷撃により沈没させられる。



 ほかの被害として防空駆逐艦が大破(後に沈没)させたことと、戦闘機部隊が機銃を浴びせかけ100名を死傷させたことである。アメリカ機140機、日本機100機がこの度の戦いで失われた。


 

 アメリカ側は1隻が戦闘不能、沈没・前線離脱し計3隻を失っなったが情報で日本軍は大きな誤報を得た事となる。これは後々どのように関係するのだろうが?


 空母に着艦した日本攻撃隊はめっきり数が減っていた。そこに穴があいた零戦より額から血を流した栗丘がおりてきた。

「・・・さすがヤンキー魂だ」だがおまえについていた忠実な機体は落としてやった。次は1対1で勝負がしたいな。


 

 〇八二〇「おのれ、東洋の猿どもが・・・」ルソン島の沖でリー中将はつぶやいた。話をするには時間を遡らなくてはならない。


 〇六五〇 「する・・・繰り返す、至急援護を要請する」 

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