接触
・・・いうのもアレですが、連日更新きついんで無理です。今日でやめます。すいません。
「糞(爆弾)を毎回落としていきあがって、お前が落ちろ!」いきなり襲撃してきたアメリカ機に下品な言葉をはきかえたが、敵が吐くのは機銃弾だけだった。
両者の機銃弾が夜にもなるとオレンジ色の槍が上空で交差しているようにみえる。
そして騒音の中うめき声を上げるもなく兵士が倒れると周囲の甲板に鮮血が塗られ、やがて赤黒く変色するのだ。
大八車もどきに弾薬を積んで甲板をかけまわる。
「今回は主砲は使わないのか?」ふと第3主砲に目をやる。予想通り沈黙を保ったままで動く気など0であると断言できそうなものである。
刹那!爆音が徐々に高くなり自分に接近しているのを悟った俺は本能的に甲板にひれ伏せた。頭を殴られ頭蓋骨が陥没したような痛みを受け、立ち上がることができなくなった。
痛みが頭を縛り付けるかのように断続的に頭を縛り付けた。
「アア!ア・・・ッア」絶望的な痛みのもと立ち上がるという行動さえ忘れているさなか、このまま気絶しちまえば楽なんだろうなという気持ちが生まれたが、気は消えるどころかますます高まってくるような気がする。
俺はどうなってるんだ?俺はどうなってるんだ?俺はどうなってるんだ?俺は・・・同じ考えが痛みを発する頭の中で渦巻いた。
生命的な何かさえ破壊しそうな痛みと怒りと混乱の中、俺の耳に聞こえてきたのは何かが高速で甲板に落下してくる音だった。
幸いにも俺は地獄の痛みから一時期脱出することとなった。
武蔵はこの攻撃で甲板に3発の直撃弾を受けた。木工甲板は剥げ落ちて鉄板が見え始め、直撃を受けたところは微妙な歪みとともに焦げた汚れがついていた。
死傷者もいままでに500名を超える大惨事となっていた。
「長官・・・3式弾はなぜ使わなかったのですか?」恐る恐る疑問を投げかけた。猪口艦長は
「この主砲が叩き潰すのは戦艦のみだ。砲寿もそろそろだろう」それだけ言うと再び艦橋内の空気は沈黙へと移った。
〇〇五〇
スリガオ海峡では不穏な空気があたりを包みつつあった。
「電探、感大!」武蔵の電探が何かを捉えた。
数隻の艦艇であるのは確定した状態だ。
「潜水艦ではないか?」
「いいえ水上艦です。小型のようですが」
駆逐艦か?あるいは・・・。
「敵艦の速力35ノット以上!」35ノットといえば64キロを超える速度である。そんな高速を出せるのは奴らしかいない。
「魚雷艇か・・・」この高速魚雷艇は有名なPTボートと言われるものである。速力は41ノット〜43ノットとかなりの高速で魚雷発射管を4つ備えているのみならず、爆雷機器も充実していて機銃が3丁で人数も1個分隊なら載せれるため、工兵などの小規模兵力の上陸などにも使える多様性のある船である。これは基本的な型であり中には迫撃砲やロケット弾を積んだという記録もある。
「距離1万1000!」
「敵は気づいているのだろうか?」
「わかりませんが、航空機レーダーと同じ精度でしょう。気づいていてもおかしくありません」
「距離1万より砲撃開始!」
このPTボートは索敵中だった。ただしPTボートの魚雷の射程距離は1万m程度だった。
「第1、第2副砲、撃ち方用意」敵、魚雷艇は速度をぐんぐん上げている。
「距離1万m!」
「副砲撃ち方始め!」60口径15,5センチメートル砲が唸った。
「どうやら報告にあった、ジャップの化け物みたいだな」
「よーし!敵の右舷を狙いな」
「撃てぇ」
〇一〇〇 水柱がサンベルナルジノ海峡に鳴り響いた。
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