怠慢
損害が激しい船は呉湾に舞い戻ってきた。いや他の湾にいった船もあるが武蔵、大和は戻ってきた。呉湾に。
しかしまあまたあれが増えるらしい。対空機銃だ。25ミリ機関銃の弾丸は通路にまで置かれていた。 まあいくらなんでもそのままポンと置いているわけではない。木箱見たいなもに入っていた。通路の隅に壁に沿って長くその木箱はあった。そこが深くマガジンが中に入っている。場所が狭い潜水艦の中にもジャガイモなどがこんな感じで置いてある。
甲板装甲下においてあり戦闘が終了したらメインの弾薬庫に入れると言う予備的なものらしい。武器は増やしただけでは駄目でそれを使う人材やそれに使われるものも大切なのだ。
とりあえず言っておこう。今の軍艦の第1印象だ。動物にいる…針鼠だ。いやいや針鼠どころか針像だろう。噴進砲と言う名のロケットと機関銃、高角砲等々が置かれているのだからあながち間違ってはいないだろう。
今回でアメリカ水上戦闘部隊は大損害を被った。これで対空砲火さえ強化でき空の敵を排除できれば、俺達は敵の歓待を打ち破り有利な戦局に持っていけるわけだ。…まあ俺の勝手な解釈だが。
…それを上層部の人間が考えていた。
山口多門は
「敵は今度の作戦で空からの攻撃でしか威力を発揮できません」などと断言したのだ。現場にいた栗田中将は
「敵の水上艦はほぼ全滅した。だが、空からの攻撃と各艦の損害から考えてやもえず反転した」と言っており正統な判断とされた。
大本営はお決まりの誇大報告を行った。しかし珍しく空母3隻撃沈と小型艦の損害以外は戦果を誇張していなかった。味方の損害はかなり減らしていたが。
もうじきリンガ泊地へと行く日である。今回は飛行格納庫に珍しく偵察機が詰まれた。この観測機は非常に優れているのだが水上機の為に速度が遅い。
そうして駆逐艦と他の戦艦でリンガ泊地へと向かった。しかし駆逐艦は1隻リンガ泊地を眺めることも無く沈んでいくこととなる。
アメリカの潜水艦が撃沈したからである。アメリカの潜水艦は3本の魚雷を発射し3本全てが左舷側にいた駆逐艦に見事命中した。10分とたたぬうちに沈んでいった。
爆雷をあわてて投下したが潜水艦に命中しなかった。
リンガ泊地に到着した。
その頃フィリピンでは木で飛行機を作っていた。もちろん飛べたりはしない。それに偽装して作ってそれっぽい迷彩をしたりしているだけだ。コンクリート・トーチカで新型の期待やあらかじめあった機体を収納していた。兵員も60キロ爆弾に耐えれる穴などを掘って構えていた。
また湾岸のほうは対16in砲弾用の防御を備えた15,5センチ対艦砲や8センチ砲が備え付けられていた。
だが日本兵は楽観していた。多くのものがこの戦争はもうすぐ講和か何かをして終わると思っていた。
その戦況の中、日本海軍は皇国の崩壊を止められるのか?