表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不沈戦艦武蔵 沈み行く戦友  作者: 賀来麻奥
激闘マリアナ沖海戦
6/102

攻撃隊発進

 ついにマリアナ沖海戦が始まった。

 攻撃隊は勢いよく発進した。

 そこで彼らが見たものは・・・?

6月19日 午前7時半頃

 

 日本空母 瑞鶴 翔鶴 大鳳 瑞鳳 千代田 千歳型の6隻の甲板上からは、 

爆音が鳴り響いていた。

 6時半頃 サイパン島西部にアメリカ機動部隊を発見したよの報告が入ったのだ。

 7時25分に空母千歳、千代田、瑞鳳から前衛の部隊として64機 

(零戦14機、爆装した零戦43機、天山7機)と、7時45分に甲部隊

空母大鳳、翔鶴、瑞鶴から128機(零戦48機、彗星53機、天山29機)の第一次、

第二次攻撃隊を発進させた。

 風を切り裂くはぎれのいい音が聞こえ、銀翼を並べ敵機動部隊発見が報告された場所に

向かっていく。それを整備兵たちは帽子を振って見送った。

  この時零戦パイロット栗丘中尉は敵機を蹴散らしてくれようと胸に誓い

飛び立っていった。栗丘中尉は零戦の熟練パイロットであり、これまでに18機撃墜確実、

4機不確実、2機共同撃墜の戦果を持つまたこれは太平洋戦争の戦果であり、

中国戦線では11機を撃墜したエースパイロットだ。 


「瑞鳳」はレーダーで接近する飛行機群をとらえた。

7時40分 甲部隊の攻撃隊は味方の前衛部隊上空を通過。

 「レーダーに感。敵の航空部隊と思われる。対空戦闘用意!!」


 

 そのころ俺は弾薬を補給する用意を終えていた。


 親友とでもいうべきであろう竹浜も同じく弾薬係だ。


 突如、対空砲の発射音がした。どの艦が放ったのかはわからなかった。

 ただ上空に艦載機が飛んでいて、それに射撃を加えているのがわかった。

 「ん?あれは見方の戦闘機じゃないのか?」

 と竹浜が叫んだように言う。竹浜は視力がいいし、大体の味方の機体をいままで

見てきている。

 「間違えねえよ。あれは味方だ!!」

 と機銃指揮そうちの人が双眼鏡を目に当て言った。

 

 

 そうこの編成隊は味方の攻撃隊だった。

 この誤射で味方機は墜落こそなかったが、2機の零戦が被弾した。

 うち1機は爆弾装備をしていたので、近くに落とし帰還していった。

 後で聞いたがこの2機のうち1機は無事着艦できた。が、1機は場所が悪く

おまけに速度がまだあったためそのまま海に落ちた。

 艦上戦闘機だから浮輪のように浮いているが、ひどく対空砲で損傷したため

速くもズブズブ沈みだした。

 パイロットはなんとか駆逐艦に救出された。

 

 そのころ米軍の第58任務部隊に接近していた攻撃部隊は、レーダーできれいに日本軍を観測していた。

 さらに情報部隊のおかげでタウイタウイ島に集結していたが、前哨戦で述べたように

潜水艦の攻撃で小沢艦隊はまともな訓練ができず日本パイロットの技量が低下しているなどの詳しい

情報が得られていた。

 日本攻撃部隊が58任務部隊に近づいたその時・・・・。

 F6Fが上空から12,7ミリ機銃を発射しながら乱舞してきた。


 閃光の雨が降り注がれる瞬間エースパイロットの栗丘中尉は機体を横に滑らせた。

 オレンジ色の弾丸が風防から見えた。

 そして敵機の数を確認した。武者ぶるいがした。味方の機動部隊と同数程度いるのが

確認出来た。いやもしかしたらそれより多いかもしれない。

 栗丘はスロットルレバーを蹴飛ばし端のほうにいたF6Fに向かった。

 敵は攻撃をされると悟ったらしく、旋回してかわそうとした。

 しかし零戦の機動性にはまるでかなわない。

 1回転 2回転と水平旋回をして3回目には栗丘は敵の後ろにピタリとついた。

 そして7,7ミリ機銃と20ミリ弾を放った。このときの距離は50mをきっていたため

外れるはずがない。栗丘は数発打っただけで目標を変えた。

 20ミリ弾が命中したのだ。この20ミリ弾は「小便弾」と陰口をいわれるほど

命中しないが、当たれば1発か2発で落ちる。そしていま栗丘が攻撃したF6Fは

翼がもげ徐々に火を吹き上げながら落ちていった。

 この空中戦で栗岡は2機を撃墜1機を撃破したが、自機の被弾も多く母機に帰還していった。

 零戦は防弾装甲を犠牲にしたため、抜群の運動性能と航続距離を得られたのだ。

つまり当たれば脆い。しかし被弾しながら帰ったのだからここが素人とは違うのだろう。

 


 そのころ・・F6Fの迎撃により攻撃隊は編隊も崩壊/壊滅していた。それでも彼らは

敵の艦隊を目指していた。1機の艦上爆撃機「彗星」が「全軍突撃せよ」の命令を出した。

 しかし高度下げたそこには青々とした海が広がっていた。

 「ありゃ?」と彗星の搭乗員「雪夫」が間の抜けた声を出した。

高度を上げもう少し前方のほうを見ると敵の空母がいるのが確認できた。

 そこに突進していった。

 後ろに味方が付いてきてくれたのがわかった。しかし次の瞬間その機が爆発したのもわかった。 

 母機に帰ってきた雪夫は言う。

「あんな対空砲火は初めてだ。もう辺りが火の海になっていたんだから」

 一体何が起こったのだろう?そこには米軍の恐ろしい信管が関係していた。 

 さてさて始まりましたマリアナ沖海戦。

 少しずつ実史とは違ってきました。

 

 さてさて果たして彗星の搭乗員「雪夫」がみたものは?

 次回もご期待ください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ