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不沈戦艦武蔵 沈み行く戦友  作者: 賀来麻奥
連合艦隊の風
59/102

グアム沖海戦Ⅲ

 ミッチャー率いる高速空母で構成された機動部隊はスプルーアンスの受けた損害を聞いて驚愕していた。夜戦で日本軍が強いのは分かっていたが夜間でのレーダー射撃で敗北を喫するなど思っていなかったのである。

 実際レーダー射撃など敵より先に攻撃が出来て、目標の位置をやや正確に捕らえるだけであり目標にバンバンあたるわけが無いのだ。しかしそれを差し引いてもこれは尋常で無い損害である。


 しかし自分自身が率いる機動部隊とオルデンドルフの戦艦部隊がある。オルデンドルフの艦隊はやや旧式だが個別撃破などが出来れば大した戦力になりうる。


 

 〇三三〇 零戦43型が60機甲板上に並べられていた。そのうち30機が2つの60キロ爆弾を積んでいた。なるべくベテランの部隊を護衛としていた。今回の任務は敵機動部隊の甲板を破壊することである。いささか無理がありそうだが敵空母だけに目標を絞れば最低3隻は損傷させれることが出来るとされていた。そして過半数が戻ってくれば成功したことになる。

 バリバリッと栄エンジン独特の爆音を鳴り響かせ通常装備の零戦43型が一斉に飛び出た。そして爆弾を積んでいるため滑走距離を長くするため後方にいた零戦爆装部隊が甲板をけり暗い海に消えた。整備兵は帽子を闇の中に消えていく操縦士に振りながら見送った。


 しかし2機の零戦が不調のため戻ってきた。出撃数は58機となった。10分後強い希望で第2次攻撃隊38機が出撃し、今回は全機が戦地へ向かった。



 俺たちはというと後方の空母部隊を護衛すべく後方へ回頭した。やけに駆逐艦が少ないと思っていた頃、集合がかかった。


 

 〇四〇〇 幸運なもので一隻の伊号潜水艦が機動部隊と思われる艦隊を発見した。発見方法は聴音だが先ほど攻撃に来た艦載機の一機が着艦に失敗し海にダイブしたため決定的となった。

 その空母では…

 「スプルーアンスの快速艦隊が敗れたか。空母のエスコートが少なくなったな」とミッチャーは言った。彼はあくまでもスプルーアンスをひどく責める気はないらしい。

 「しかし艦長…オルデンドルフの艦隊が残っています。少々機動力には劣りますが21ノットですから

一応通常時での援護は十分可能でしょう。幸いオルデンドルフとの距離は83海里と近いですから18ノットで駆けつけてきた場合は5時間程度でつきます。そのため夜明けには到着するため早朝からの攻撃も十分可能です」と参謀が護衛の心配を拭い取らせた。

 「そうだな。いますぐ呼ぶんだ」ミニッツも納得したらしく命令を下した。


  

 11隻の正式空母と6隻の軽空母があり艦載機の合計は1200機だったが正式空母2隻は現在修理のため、および沈没のため9隻となっていた。また軽空母は諸事情により4隻しか配備されていない。そのため機体数は950機である。諸事情とは大西洋のほうで需要が出てきたのである。この内軽空母のコルセアが

90機落されたため軽空母2隻が艦載機を喪失した。しかし護衛空母により全機回復した。しかし実は米軍の艦載機の搭乗員の素質は段々下降していた。前回でも結構な痛手を負っていたのだ。このためルキーパイロットが100人ほどやはりいたのだ。しかし常識はずれの質量で米軍は圧倒しようという考えである。護衛空母は8隻でF4Fが300機ほどあった。

 艦載機はF6F:300機 F4U:90機 爆撃機:270機 雷撃機:320機の偵察機を除き約1000機である。サイパン島には陸上機があるがこれは度外視しよう。


 

 「しかし夜間攻撃には無理があったのか?50機ほどが帰ってこないぞ」ミッチャーが時計を見てそう呟いた。

「敵の戦闘機での迎撃があったとは聞きませんね。優秀な対空砲でも夜間に精密に攻撃できるでしょうか?日本はまだわれわれのようにVT信管を使えませんし」既に最初の艦載機到着から20分がたっているのに50機が帰ってこないとはどういうことだろう。しかしポツリポツリと誘導電波により戻ってきているため最低後30機は戻ってくるだろう。


  

 「レーダー室からです。機体が60機ほど向かっくるそうです」参謀が明るく告げた。

 「多いな」と疑問を口に出した。

 「10機くらいの取り違いがあったのでしょう」と疑いもせず淡々と述べた。一応24機戦闘機を飛ばした。

 そうした頃爆音が新たに聞こえた。爆音に妙な違和感を感じた。そしてレーダー室から緊急に伝えられた。敵味方識別装置(IFF)によると敵だということだった。


 護衛の戦闘機も確認していた。護衛機はF6Fは高度を取ろうとしたとき…腹部にいきなり機銃弾を受けた。バババッと火花が散り炸裂弾頭の威力でF6Fがジュラミルを光らせながら火達磨になりたちまち落ちていった。


 その間を爆弾装備した29機がノロノロと向かってきた。高度6000メートルから速度700キロで降下してきた。これ以上速度を上げると空中分解してしまう。そして60キロ爆弾が2つ切り離された。狙われ空母は3隻だ。タイコンデロガ、ハンコック、レキシントンに爆弾が殺到した。回避行動するのが遅かった。舵が聞き出したころには艦直上にいたのだ。


 このパイロットは熟練者である。戦闘機パイロットだがこういう訓練もしている。7,7mmの豆鉄砲で機銃掃射をしながら甲板を破壊していく。完全なる奇襲だった。


 タイコンデロガには4発の爆弾が命中し対空火器が吹っ飛んだだけでなく艦載機が爆風で粉々になりガソリンが漏れた。しかしそれはいいほうだったハンコックは不手際により爆弾がまだエレベーター周辺に置かれていたのである。そこに爆弾が申し合わせたように向かってきた。なにしろ静止目標に近いのだ。なんと20発中7発が命中したのである。そしてそこに爆弾が命中した。まず爆弾の命中の衝撃と閃光がきらめくと次は鈍い音が鳴り響き紅蓮の炎が巻き上がった。そして再び爆風。これによりアメリカ機銃員は吹き飛び海中に投げ出され、、ガラスがわれた。エレベーターは陥没して火災は内部まで広がった。そこに爆発に巻き込まれたのか引きあがれなかったかの理由で一機が突っ込んだ。零戦はきれいにエレベータに突っ込み燃える機体でエレベーター開口部にぶち当たり胴体部分を格納庫に突っ込ませていった。爆発が次々起こった。ハンコックは格納庫で機体が燃え盛り甲板上は火に包まれた。ダメージコントロールが必死に作業しているが誘爆が止まらない。


 レキシトンは6発が命中したがこれは大した損害ではなかった。


 悪魔のような攻撃は6分続いた。他の空母から飛び出ようとしたのは零戦から甲板上で破壊された。ここまでくると駆逐艦などがさかんに撃ってくる。ここまでと見ると零戦隊は南側へと飛んでいった。進行方向に戻らない零戦隊の動きを不思議と思わずに米軍は注目を奪われた。その3分後第2次攻撃隊が襲い掛かってきた。今回は38機すべて爆弾装備だ。重い20ミリ機銃ははずしたため割と速くこれた。


 5隻の空母が襲われた。燃え盛る3隻には少数が近寄っただけだ。ハンコックは3発がさらに命中し遂に火薬庫に火が回りだした。そして爆撃が続く中、轟!!大爆発が起こりハンコックは海上から飛び上がり艦内のいたるところから煙と紅蓮の炎が飛び上がった。うなり声のような爆発音を上げてハンコックは暗い海に沈んでいった。他の2隻の空母では艦載機が発信のため並べられていたため爆発して発艦不能となっただけか搭乗員、機体がすべて燃え尽きた。

 燃え盛る2隻にも5発以上があたりレキシトンは艦橋を破壊されレーダーは使用不可能となり、甲板も使用不能となった。タイコンデロガは前回の攻撃でガソリンがもれていたのだそこに引火した。

 炎の線が甲板上を駆け巡った。一瞬で火達磨となった。消化されたが甲板は使え物とされなくなった。


 

 この攻撃で5隻は中1隻が沈没し4隻が戦闘能力を喪失した。艦載機の損害は300機を超える。これに対し日本軍の損害は96機中31機ときわめて軽かった。

 日本側は戦果報告で空母3隻撃沈、4隻大破と報告した。


  


 〇五〇〇 地獄のような時間が過ぎ去った。

 ミッチャーはあることを思い出した。

 「オルデンドルフ艦隊はどうした」と参謀に聞いた。

 「今確認中です」と短く返答した。そして確認が終了すると顔色をより一層悪くして

 「敵艦の攻撃を受けている模様です!!」その場の空気が凍りついた。


 

 〇四五五

 俺たちはオルデンドルフの艦隊を攻撃し始めていた。このとき駆逐艦しか到着していないがもうすぐで到着予定である。


 〇五〇二


 「飛ばせ!飛ばせ!ジャップの艦隊を叩き潰せ!!」ミッチャーはわれを失い艦橋でこうわめいた。  

 明日から旅行に行きます。2日には呉の大和ミュージアムに行きます。ワクワク。


 次は帰ってきたら更新します。

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