暗闇の海戦
昨日更新予定だったんですが遅れました。
第1時攻撃隊は一回で終わった。というのも今は深夜10時。いや二二〇〇としておこう。
アメリカ艦隊の規模は倍ほどの規模がいると思われる。コルセアがやってきたところをみるとアメリカ機動部隊の主力の攻撃ではないのだろう。
とはいえ人命に神経質なアメリカだ。先ほどの被害は無視できないものだろう。
この時間帯艦隊を2つに分けた。第1戦隊、第2戦隊、第3戦隊はフィリピン海から南下することとした。機動部隊も輪方陣を組み水上打撃部隊の後方30キロ地点にいる。
水上打撃部隊は縦一列で向かっていった。
俺達は噴進砲の性能はそれなりに良いとみた。何しろ鉄の壁を飛ばすように見えた次の瞬間には敵機に何発か命中しているのだ。有効射程距離はどうやら25mm機関銃よりは長いのだろう。噴進砲の有効射程距離を2500メートルとみた。ちなみに25mm機関銃が米軍機に大きな被害を与えるれるのは1500メートルくらいだ。25mm機関銃は20mmのそれの2倍はある。
何時間がたっただろうか。血眼になった目を休めるべく高雄の水兵が換わりに入りハンモックで仮眠を取っていると家族のことを思い出す。
親父は俺たちが乗っている船を作成している。もっとも一国一城の主になれる確率が高い駆逐艦を作成しているらしい。水雷戦隊と鉄砲屋の人気はいまだに高いのに対して対空砲は鉄砲屋の屑と呼ばれている。無論高角砲も含まれる。母親は野菜を庭で育てるのが日課だった。中でもトマトが一番上手かったと思う。赤く熟したトマトは隣の家の人にも好評で客が来たときは「もって帰り」とよくもって帰らせていたものだ。無論トマトだけではない。白菜やキャベツ、ネギなどなどである。野菜屋が開けそうだったが金には特に困っていなかったためそんなことを言ったことはなかった。
そして9歳下の弟と妹がいる。俺は現在23歳だから今は14歳だ。2人は手先が器用だ。航空機開発でもかかわればものすごいのが作れるだろう。
最も戦争が終わってからすごいものを作ってくれるのが望ましい。
二三二〇 夢の中に入りかけていると耳障りな音が聞こえてきた。わずらわしいその音は…。
「起きろ!戦闘だ!」竹浜が起こしにきた。俺は跳ね上がるようにハンモックから起き上がろうとしたが失敗して落ちるような形でハンモックから脱出した。
アメリカ艦隊の哨戒部隊と接触したのだろう。恐らく夜中のため航空機ではなく水上部隊が来るだろう。いやしかし向こうはレーダーを装備しているはずなのだが…もう知らん。恐らく島影とかなにかが影響して誤った情報がレーダーで探知され確認的な感じで来たのだろう。
「駆逐艦多数!巡洋艦2隻!」報告員が叫ぶ声が聞こえた。砲戦となれば俺には関係が無い。いや無いわけではない。
「距離2万3000!右舷砲戦用意!」とにかく巡洋艦や駆逐艦など戦艦の相手ではない。
この時大和、武蔵、長門、陸奥、金剛、榛名が縦一列となり敵艦に向け砲門を向けた。
「撃ち方始め!!」今撃ったなという爆音が聞こえる。同時にほんの少しだがゆれた。巡洋艦や駆逐艦がまっしぐらに向かっていく。
駆逐艦・巡洋艦の双方の距離は2万メートルにまで接近した。どうしたものか敵は全く逃げる体勢を見せない。それどころか必死に反撃してくる。アメリカ巡洋艦が15、2センチ砲が撃ってくる。
レーダー射撃は至近距離になれば効果を発揮する。つまりこちらが肉薄すれば向こうの命中率は普通のレーダーを使わない射撃と比べて飛躍的にあがるということである。
しかし先に砲弾が命中したのはアメリカの巡洋艦だった。実はこの艦隊オルデンドルフ艦隊の駆逐艦艦隊だった。巡洋艦はボイシという。残る3隻はの内1隻は巡洋艦と報告されたが実は駆逐艦だった。
命中したのは接近している水雷戦隊でなく戦艦長門の41センチ砲だ。巡洋艦など駆逐艦に毛が生えたようなものである。ボイシは軽巡洋艦にしては頑丈なほうだが戦艦の砲撃になど耐えられたものではない。第2主砲が吹き飛んだ。2万メートル向こうからのの角度である。大角度で落ちれば威力が大きいのは分かるだろう。砲撃戦を開始していたためそのまま誘爆した。装甲を貫き乾湿が大爆発を起こし3ノット程度でしか航行できなくなった。
主砲塔が吹き飛んだ。艦橋や第1主砲は第2主砲の爆発の影響をもろに受けた。爆風で甲板上にいた人物を吹き飛ばし。火はめまぐるしい勢いで艦を包んだ。さらに1分後に青葉の砲弾が羅針艦橋に命中。轟音と黄色い煙が広がり紅蓮の炎が吐き出されるように出た。
アメリカ駆逐艦は弾幕を必死に張ったが水雷戦隊はすぐ近くまで来ている。駆逐艦霞が距離5000にまで接近し魚雷を4本を放った。10秒後に再び4本を放った。93式酸素魚雷は速度52ノットで進み始めた。
しかし駆逐艦バッチとウォーラーの5インチ主砲が3発命中。霞は艦橋を吹き飛ばされた。立て続けにバッチが砲弾を放った瞬間霞が放った魚雷が2発命中した。さらにウォーラーに1発命中。
さらにボイシに2発命中した。ボイシは紅蓮の炎に包まれて右舷に急速に傾いた。炸裂量が半端ではない。火災と浸水が同時に起こるとさすがにアメリカのダメコンといえども対処できない。おまけに浮力は戦艦に比べて少ない。バッチは精魂尽きましたといわんばかりに轟沈した。さらに2隻の駆逐艦の内バッチは即沈没。ウォーラーは既に気息奄々だったが愛宕が20cm砲弾をぶっ放した。なにしろ4700メートルほどの距離にまで接近したのだはずすはずが無い。これは6発が吸い込まれるように舷側装甲にぶち当たる。4発が資金に水柱をあげる。駆逐艦は炎を今まで以上に勢いよく吹き出すと数分後に沈没した。もう1隻は盛んに反撃を続けていたが金剛の放った砲弾が2発命中し消し飛んだ。金剛の艦橋は拍手で沸き返った。
戦艦部隊は一門に付き5発しか撃っていないがなかなか命中率は良好である。
突如!近くにいた駆逐艦秋月がいきなり爆発した。近くには水柱が立ち上った。さらに秋月は立て続けに砲弾を受けオイルの膜を残して姿を水面から消した。
何事だろうか?
「距離3万メートル 9時の方向に敵影!」逆の左舷方向に敵艦がいたのだ。回り込まれていたのか。
するとズシンと重い響きが武蔵を襲った。
「舷側に命中!被害らしきものはありません」敵艦の砲弾が命中したらしい。距離3万メートルなら舷側装甲は18インチ砲弾でもはじき返せる。
そしてちょうどこのごろ日付が変わった。