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不沈戦艦武蔵 沈み行く戦友  作者: 賀来麻奥
蹂躙され行く島々
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海鷲レイテ島ヨリ出撃ス

 海鷲が遂に出撃した。サイパン救出のための作戦は果たしてどのように動くのか

 山口多聞はある作戦を実行すべくレイテ嶋の航空隊へと出撃命令を出した。出撃場所は例の潜水艦がハルゼー機動部隊を挑発している潜水艦の場所だ。

 敵を潜水艦でおびきよせそこを精一杯の航空兵力で叩きのめす作戦だった。最も今回の作戦は潜水艦が作戦通りの働きをしているかに掛かっている。


 一方のハルゼーは正気を取り戻し200機から護衛空母に名を下してF4F24機ハルゼー機動部隊から戦闘機戦闘爆撃機F4Uや主力戦闘機F6Fを18機づつ送り込んだ。計60機の航空機が形もない編成隊へぶつかっていった。

 

 レイテ島から出撃する機体は100機だ。実はパイロットを満洲などの精鋭航空隊から引き抜きに成功していた。エース保持者は30人を越している。


 防弾を備えた試作零戦を緊急に配備しなんとか出撃前までに70機を揃えた。腕に自信があるエースパイロットはいままでの22型や32型に搭乗した。


 〇八二〇 上陸が遅れながら開始された。そのさなかに60機の航空機が引きつけられているためこの作戦は十分に成功したというべきだろう。海鷲が100機レイテよりマリアナ沖へと飛び立っていった。


 〇八四〇「どこにそんな航空隊がいるんだ。こんなにいらねーだろ」二回目の出撃となるスターズ・ベルドーザーが文句を言い出した。仲間が上陸作戦で敢闘しているのにかかわらず自分たちは見えない敵がいるそらの散歩である。

 「全くたくさんだよな」と無線電話で仲間と会話していた。突如機動艦隊より〟一時の方向から敵100機〟という報告が来た。一体どこにそんなのがいるんだ。


 上空か・・・いやいない。するとキラキラ光る水面で緑色の零戦がそこにいた。

 操縦桿をグイッと押し倒して攻撃へとかかる。そんな行動をあざ笑うかのように零戦は散開して四方へといった。その時上空から別の零戦が650キロの速度で降下してきたのだからたまらない。

 20ミリ弾や13ミリ弾がたっぷりと撃ち込まれた。隙を突かれF6F2機、F4Fが4機炎に包まれた。


 さらに散開した零戦は数の有利さを生かして2機編成で1機の戦闘機を狙った。これは普段米軍が使っている戦法だ。

「クソ!なんだってこんなに派遣数が少ないんだ」とスターズは先ほど行ったことを完全に覆しつつ目の前の1機へと狙いを付けた。しかし他の1機が向かってくるのが見えたため慌てて機体を左旋回させて一気に上昇させてよけた。すると今度は先ほど狙った1機が乱射しつつ向かってきた。蹴飛ばされるような衝撃を受けつつかわそうとしてまた左旋回したところ・・・

「スターズ危ない!」と無電で悲鳴が聞こえた。横にいたグラマンとそのまま空中衝突して2機とももつれ合うように海中へとダイブしていった。


 零戦隊の中にはF4Fとの戦闘を少し前に何回もしている。経験を活かして捻り込みを行いどんどん撃墜していった。

 そしてこの空戦は一方的にアメリカ機が日本機に追い回されて撃墜される空戦となった。


 これに対しての日本側の損失はたったの4機でアメリカ機60機は全滅した。レーダーで確認していたアメリカ機動部隊は驚愕した。ハルゼーはさらなる増援機を飛ばそうとした。


 一方のサイパン島は水際で戦闘が行われていたが一気に圧倒されて島の内部へと押し返された。


 そのさなか伊405と伊406はサイパン島沿岸である工作員を出していた。海中挺身部隊である。この海中挺身部隊は海中服に海中乙型竹槍(乙槍)を2本装備していた。それと50センチほどのモリである。そしてこれらを空気銃のようなもので発射するのだ。これが合計で30人派遣された。


 この海中挺身隊は上陸用舟艇が来たらそれを破壊するのが任務だ。ただ乙槍の破壊力は強いため発射したらすぐに遠くへ行くか岩陰に身を隠す必要性がある。それぞれ指定された場所へといった。

 そして上陸用舟艇が白波を立てて来た上陸用舟艇に向け乙槍を発射した。



 〇八四五 上陸開始から45分たった。その時いきなり上陸用舟艇が爆発した。結果的に13名が死亡した。戦果は上陸用舟艇40隻撃沈。人的被害は319名が死亡し戦車と装甲車が9輌海の底へと沈んでいった。しかしこれだけではサイパンに侵攻している米軍を足止めさせることは出来なかった。


 〇九〇〇 米軍はサイパンの南方まで進行した。日本軍は必死のゲリラなどで抵抗するも次第に北へ北へと追いやられるのだった。

 サイパン島挺身部隊もいた。これはあらかじめ陸上部隊と連絡を取っている。20名はこっそりとサイパン島へ上陸した。



 〇九三〇 ハルゼー機動部隊は海で現れる謎の零戦部隊を〟バブルジーク〟と呼んだ。実態がない泡のように現れたり消えたりするためだ。先ほど増援のため送られた36機中1機が被弾しながら戻ってきて報告したため零戦とわかった。


 スプル-アンスも事の重大差が分かり防空駆逐艦5隻と巡洋艦2隻を派遣した。


 そして200機の機体がハルゼー機動部隊より出撃した。


 レイテ島より新たなる航空隊が出撃していった。1式陸上攻撃機や銀河爆撃機なども混じっていた。そして空母が燃料の補給を終えていた。しかし戦艦などの燃料までは補給できなかった。


 そう機動部隊は日本へは戻っていなかった。豊田副武も許可していた。なんと空母と駆逐艦だけで再出撃するという奇想天外なものだった。

 潜水艦の晴嵐によりおびきよせられたアメリカ戦闘機を零戦を集中運用してそれを撃破した。そして機動部隊が再び動いた。


 次回「空母を潰せ」

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