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不沈戦艦武蔵 沈み行く戦友  作者: 賀来麻奥
マリアナ沖海戦
41/102

鉄の壁

 一三三五 第1次攻撃隊が出撃した。編成は零戦60機(爆装24機)天山24機 彗星36機がわずか最初の天山が空中に浮いてから、10分と立たず編成を組み発動機不調で戻って

きた彗星1機を除き米空母へと突進していった。

 後、1000メートルでピケットラインに接触するところでF6Fヘルキャット60機が空から降下してた。いや、降ってきたといっても差し支えないだろう。12,7ミリ機銃が雨あられと降り込んできた。零戦2機と天山一機が火達磨となり散っていった。


 零戦22型や32型などがあわてて上昇する。20ミリ弾と12,7ミリ機銃のけたたましい発射音が上空5000メートルで展開された。赤い火線が交差し翼の付け根に銃弾が集中し翼がもがれ、風防ガラスが無数の破片となり飛び散り赤い液体の飛沫が飛び散った、1000馬力級の発動機と2000馬力級のエンジンの音の爆音と銃弾の交差する戦域で日本爆撃機と攻撃機はバタバタと撃墜されたが、なんとか一部逃げ切ることに成功した。


 そして遂に空母郡を見つけた。"全軍突撃"を告げる報告に答えるかのように降下した。天山15機、彗星27機にまで減っていた攻撃隊は糸のごとく乱れず敵空母に向かって突き進む攻撃隊の目の前に敵の対空砲が鉄の壁となり攻撃隊を阻んだ。高射砲が至近で炸裂し、機銃が空中のバラまかれ、攻撃機は海に無数の銃弾がたたきこまれる風景が見えていただろう。



 この異常ともいえる攻撃を可能にしたのはVT信管である。至近に敵がいると感知すると自動で炸裂するのだ。プラスチックの容器という最新的な技術を投与したものだ。女性も作れるものであっという間に必要重要量に供給量が届いた。

 ただこれはまだ試験的なものだった。だが防弾があまり施されていない日本機には効き目があった。木っ端微塵に日本機が吹き飛んでいく。さすがの攻撃隊もあわてて魚雷を海中に投げ捨て逃げた。その魚雷があたるはずもない。が、空母ハンコックの左舷中央部に2本命中した。…なんと運がよいのだろう。


 しかしアメリカのダメージコントロールの優秀さもいざ知らず、1000トンの浸水おこし、火災一部発生という大ダメージを負ったのにもかかわらず排水作業と消火作業を同時に行った。左に10度傾斜していたが30分後には傾斜は6度にまで復元されていた。


 艦爆は雪夫が乗った彗星が決死の思いで接近し250キロ爆弾を巡洋艦に命中させた。この巡洋艦とはヘレナである。高度1000メートルから投下した。

250キロ爆弾は主砲盾と甲板の間に器用に入り込むとそのまま甲板を貫いて15センチ砲もろとも大爆発を起こさせ、ヘレナの船体を真っ二つに割った。マストや艦橋が海に没するまで時間がかからなかった。乗員の生存は確認されていない。


 さらに同じ艦爆の手長ておさは250キロ爆弾を重巡洋艦ポートランドの煙突部分の開口部に見事に命中。火山の噴火を思わせる大爆発とともに甲板で作業をしていた水兵は吹っ飛んだ。そして煙突が倒壊し缶室の壁がボコボコに穴が開きまくり多量の浸水でそのまま沈んでいった。


 

他には零戦7機が後からあわただしく来て60キロ爆弾を駆逐艦に2発を与えただけで終わっている。




 駆逐艦スナイパーが沈んだころだった。

 俺は艦橋内での補給を手伝わされていた。いままで外が見えなかったが艦橋付属のシールドつき機銃座からは見ることが出来る。驚くほどの閃光がきらめき爆音が耳の鼓膜を突き破るかと思ったほどの大音量で爆風が甲板上を付きぬけ煙で一時見えなくなり爆風でシールドがきしむ。まあシールドといっても爆風対策であり7,7ミリ弾すら防げないだろう。ちなみに弾薬補給前に手ぬぐい、耳栓と、鉄兜を渡されていたからそれで耳のほうはカバーしている。大げさと思っていたが大げされいたため大した事はなかった。…休んでる暇じゃない!

 慌てて作業を再開した。上官に見られていたら廊下で木の棒でぶん殴られていただろう。

 数分後零戦が30機ほど手助けに来た。

 「直撃!3発」完全にサウスダコタは大和の手中に入っていた。あまりしられていないが武蔵と大和は同一射撃が出来るのだ。つまりどちらかが片方の敵に直撃弾を与えたら2隻でその船を攻撃できるのだ。


 

 そして一方的とも思える戦闘はサウスダコタが8発の命中弾を受け轟々と沈んで終えた。インディアナは迫りくる水雷戦隊に勇猛に射撃を繰り返すがそれもここまでだった、背後に回りこまれているのも知らず距離1万8000メートルで速力52ノットで迫りいく。速度は90キロ超えである。

 1分後 強烈な破壊音が3回鳴り響いた。右舷中央部 第3主砲 艦橋下である。一気に2000トン近くの海水が浸水してきた。一気に右舷に傾き機銃しか撃つ事が出来なくなった。

 さらに発電機が破損した。一気に艦内は暗くなった。そんな中で排水作業も滞り14度傾斜した時総員退艦命令が出された。


 金剛は35センチ砲8門で水雷戦隊から逃げようとして混乱している巡洋艦部隊に35センチ砲を撃ちかける。自らの20センチ方にすら耐えれないような巡洋艦が35センチ砲を受けたらどうなるかなど子供でさえ分かる。

 轟!!「サンディエゴ」「ガルベストン」「ヤングズタウン」は30分足らずで金剛から放たれた砲弾で、艦首をもぎ取られ、砲身をダンボールを大の男が殴ったかのようにひしゃげさせ、最後には船体は真っ二つになり沈没した。

 さらに駆逐艦隊にも多量の損害を負わせ撃沈四隻、撃破三隻という大戦果を得た。



 敵艦隊は見方巡洋艦・駆逐艦の包囲下に入っていて魚雷で大損害をこうむっているらしい。勝った。確信していた。誰もがこの時まで勝利を確信していたのだった。

 その時機動部隊より「集合セヨ」との文章が送られてきた。追尾を取りやめ俺達は機動部隊の海域へと向かった。



 数分前…帰ってきた攻撃隊を見て小沢は驚愕した。零戦20機 天山9機 彗星7機という悲惨さである。30パーセント程度しか帰ってきていないのである。 

 それは出撃前とは違う姿に成り果てていた。後部機銃座が潰れていたり、機体が穴だらけだったり、白い粉末状の気体を出していたりしていた。白い粉末状の気体とは燃料である。おそらく数機は空母に着艦できぬだろう。予想を裏切ってほしかったのだが、予想通り数機が海中に落下し駆逐艦から救出された。

 

「何故?これほどの損害が」日本航空隊は錬度が高いのは上層部なら誰でも知っている。それがここまでやられるとは。

 アメリカの損害は空母1隻中破 重巡洋艦2隻撃沈 駆逐艦1隻小破 戦闘機39機撃墜確実。


 とても損害分の戦果が得れたとは思えない。


 米艦隊の反撃が始まろうとしていた。

 どうもサウスダコタをまた沈めました。でも演習したらこうなるから仕方ない。

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