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不沈戦艦武蔵 沈み行く戦友  作者: 賀来麻奥
マリアナ沖海戦
39/102

マリアナ沖海戦=1=

 実史とエセックス級空母の就役が1年ほど早かったり性能が違います。

 日本艦隊を襲ったのは「エセックス」「ヨークタウン」「イントレピッド 」「ホーネット」「フランクリン 」「タイコンデロガ 」「ランドルフ」 「レキシントン 」「バンカーヒル」 「ワスプ」 「ハンコック」の新鋭空母11隻だ。


排水量 24500t

全長232メートル 全幅30メートル 速力32ノット 

 連装38口径5インチ砲4基

 単装38口径5インチ砲4基

56口径40mm4連装機関砲4基

単装78口径20mm機関砲36基

 艦載機82機

 

 アメリカ空母は排水量の割りに艦載機が多いのが特徴だ。これが11隻だからすべてで約900機が運用できる。

 1942年より開発され始め日本軍からの攻撃を一切受けずそろえることができた空母である。エセックスが就役したのは1942年の4月だった。


 F6F240機 F4Uコルセア120機 アヴェンチャー雷撃機300機 SB2Cヘルダイバー240機で先の攻撃でF6F13機 アヴェンチャー13機 ヘルバイダー7機が叩き落されたが、4パーセント未満の損害である。ただ被弾した機体は60機にもおよびその内10機が使用不可として判定された。


 アメリカ軍側の陣容は先ほどの空母11隻と「サウスダコタ」「インディアナ」「マサチューセッツ」「アラバマ」「ウェストバージニア」 「メリーランド」「テネシー」「カリフォルニア」の計8隻の戦艦と、「ポートランド」「インディアナポリス」「サバンナ」「ナッシュビル」「ボイシ」「ホノルル」「セントルイス」「ヘレナ」 「アトランタ」 「ジュノー」 「サンディエゴ」「ガルベストン」「ヤングズタウン」「バッファロー」「ニューアーク」「アムステルダム」「ポーツマス」「ウィルクスバリ」の巡洋艦18隻。そして駆逐艦が52隻。補給船もいる。


 

2月21日 一一〇〇 南雲機動部隊の偵察機が米機動部隊の所在を発見し位置を教えた直度撃墜されたらしく返信が無い。

 

 一一三〇 日本艦隊は東に進路をとった。戦艦部隊が20ノットで東に進み、巡洋艦・駆逐艦が南東側に進路をとって空母は駆逐艦8隻と巡洋艦戦艦「比叡」の護衛艦を従えている。


 一方の米艦隊は戦艦などを空母周辺におき敵空母を撃沈してしまおうという戦略である。


 

 一二〇〇 米艦隊が第2攻撃隊を出した。F6F36機 F4U24機 アヴェンチャー雷撃機36機の計106機だ。一方の機動部隊も哨戒機を8機出して距離2万メートルを捜索させていた。



 一二三〇 「距離3万 敵駆逐艦を四隻発見!」大和の測距儀が捕らえた。


 同時刻 「我、敵ヲ発見シタ 敵数100機以上ト認ム 我ガ機動部隊トノ距離約1万メートル」との電報が送られてきた。

 直ちに96機の戦闘機が迎撃に舞い上がった。


 一二一〇 「距離1万5000メートル 敵艦速力18ノット いまだ気付いていないようです」「よぉし副砲砲撃開始」俺たちの武蔵そして大和の60口径15,5センチ砲から計12発の弾が飛び出た。

 1分間に大体5発の発砲が可能である。8メートル測距儀で照準を合わせ発射するのだ。


 「仰角30度 砲撃開始」初速920メートルで敵に向かって伸びていった。数分後…



 一二三五 零戦72機が迎撃に出てきた。グラマンF6Fは戦争中期から末期にかけ零戦をぼろぼろに負かせたが1機に付き2機か3機で攻撃するというサッチ・ウィーブという戦法をとっており、さらに後半は優秀なパイロットがミッドウェー海戦で失われたからである。

 しかしこの物語ではミッドウェー海戦で勝利している。さらにグラマンの数のほうが少ないではないか。

 たちまち激しい空戦が始まった。この零戦は22型48機と、32型24機だ。22型は20ミリ機関銃と7,7ミリだけでは少ないとのことで陸軍の13ミリ機銃を4丁搭載していた。32型は20ミリ機関砲を4丁搭載している。

 32型は攻撃機に喰らいかかった。200発の弾薬に増やされている。エンジンの爆音に負けないほどの騒音レベルの発射音が空に響きアベンチャー雷撃機の翼部分に打ち込む。アヴェンチャーは木っ端微塵に砕け散った。22型はF6Fの後ろに機動性を生かしつく。F6Fは速度が速いため零戦を簡単に叩き落とせると思われがちだが急降下速度でなければ最大速度差が約50キロであるためさほど有利ではない。


 13ミリ機銃の線が無数に飛びあっている。零戦は300キロという低速で飛行していた。というのはあまり早いと機動性がいかせないのだ。もちろん速度で戦っている零戦もいる。そのうちのパイロットの1人栗丘は上旋回で腹に13ミリ機銃叩き込んだ。白煙を吐き出して翼がもげるとそのまま落下していった。パラシュートは最後まで開かなかった。


 空母は陣形を崩さないようにし、戦艦は対空砲や副砲を真上にあげている。巡洋艦や駆逐艦も弾幕をいつでもはれるようにしている。


 F6Fが全滅したとき零戦22型はコルセアを襲った。爆弾装備をしているため速力が落ちている。さすがにこれでは不利と悟ったらしく爆弾を投下して逃げ出した。アヴェンチャー雷撃機も魚雷をすててあわてて逃げていった。こちらの迎撃能力を甘く見た結果だ。

 

 

 同時刻「1番艦に2発命中 2番3番艦に至近弾」あたった1番艦はひどい火災と浸水を起こした。15,5センチ砲はこの距離なら10センチ近くの装甲を貫けるのだ。


 駆逐艦の砲弾が当たった場所は右舷と艦尾である。これにより速力は19ノットまでに低下した。続けて副砲弾が襲い掛かった。「3番艦に3発命中。2番艦をに100メートル以内の至近弾2発」3番艦は吃水に直撃し、約1000トンの海水をすいこみ沈没していった。二番艦は弾幕を貼り逃走を図ろうとしたがこの時距離はすでに1万3000をきろうとしていた。12発の射撃は正確に2番艦を捕らえていて水柱と火柱で見えなくなり、水柱が消えた瞬間大爆発を起こし轟沈した。金剛戦艦は30ノットの速度で駆逐艦2隻に近づき停船命令を出しアメリカ乗員を救出した。一三二〇のことだ。


 そのとき後ろ方向から航空機が飛来してきた。味方かな…「敵機だ」誰かが叫んだ。俺は新しい仲間の竹浜と健太で中央部の機銃の弾薬補給をしていた。甲板上を走り回り機銃を渡した。


 …敵機はただ逃げるだけだった。そうこの敵機さっき機動部隊を襲った敵機だったのだ。4機撃墜として報告した。


一三三〇 「新たなる敵艦を発見!!距離3万7000メートル 戦艦2隻 巡洋艦8隻 駆逐艦12隻 敵機も100機以上います」偵察員が叫びに近い声を上げた。敵機がいるのは分が悪い。こちらもあわてて航空支援を要請した。いやしいていえば12機ほどさっきから上空を旋回しているのだが。


 「猪口長官1回引きますか」「いやひかぬここで、敵を撃退する」「しかし敵機が…」と側近が言ったところで「だからなんだというのだ!私たちは日本の運命を抱えているのだぞ!ここで引くなどという臆病な考えをもっているなら今すぐこの船より降りるがいい」と怒鳴りつけた。


 「主砲3式弾打ち方用意 各員対空戦闘用意!」


一三三二 敵機が向かってくる


同時刻 「いいか敵の甲板を破壊してこい それだけでいい! 天皇陛下万歳」「ばんざーい ばんざーい」機動部隊の甲板上では零戦や新鋭爆撃機彗星や天山がエンジンの爆音をなびかせていた。


 そして一斉に甲板をけり日本機が舞い上がっていった。


  

  


 こんにちは。前作「不沈戦艦武蔵沈み行く戦友」では仰角が"俯角"となってい増した・・・。すいません。


 さて武蔵・大和の戦艦集団は新たな脅威に対抗できるのか?

 そして攻撃隊の運命は?

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