死闘ソロモン航空隊
「電探に感"大"です!」
ガダルカナルで警報が鳴った。
零戦が慌しく滑走路を蹴り飛ばし空中に舞い出た。爆撃機や雷撃機は600キロ爆弾や800キロ魚雷を抱いて勇ましく空を航行した。
さらにラバウルのほうでも敵機の来襲が確認された。ラバウルのほうには200機以上の敵機が向かってきたらしい。
つまり、こちらにも200機ほど来る。可能性はほぼ100パーセントだ。
敵空母は恐らく正式空母5隻前後、いやもっといるかもしれない。護衛の戦艦が4隻はあるだろう。
さらに巡洋艦や駆逐艦そしてこれだけの艦隊だから補給船などもついているだろうからすべてを合わせると50隻はかるく超えてるだろう。
さらに陸上では対空戦闘の準備がされていた。地上の対空砲や対空機銃が空を睨んでいた。
12機の零戦32型が1式陸上攻撃機や銀河爆撃機が敵艦隊目掛けて出撃していった。
一方基地の防衛は零戦32型12機 1式戦闘機「隼」12機 雷電12機 二式単座戦闘機「鍾馗」12機
実は他に哨戒機等もあるのだが戦力として計算できるのはこれくらいだろう。
敵機は80機のF4FとF4UやTBSアベンチャー120機の計200機の編成隊が飛んできた。
雷電が持ち前の重装備で敵機を破壊していく。零戦や1式/2式戦闘機が持ち前の機動
性を生かして敵の後ろに付き機銃を放つ。先頭を進んでいた敵機2機はいっきに火に包まれた。
海軍機の20ミリ弾がアベンチャー雷撃機に吸い込まれていく。黒煙を吹き上げキラキラと破片となり炎をボォと吹き上げると機首を下げながら空中分解していった。
陸軍機の13ミリ弾がワイルドキャットに吸い込まれる。抜群の機動性をいかしてワイルドキャットの後ろに付くとババッとオレンジ色の火花を銃身から吐きながら弾丸を殴りこむように撃つ。
一般的に「隼」は速度が遅いと思われがちだが末期の3型では零戦より性能がよい戦闘機となっている。またP-47(最も早いカタログ数値が最高速度690キロ)を異常な加速性で引き離したという。
攻撃隊はそのとき米艦隊と遭遇していた。
しかし猛烈な対空砲火がそこには待っていた。水柱が立ち機銃弾が雨のように飛んでくる高射砲弾が至近で爆発する。これは米軍が作成したVT信管の効果で敵機が横に来ると自動で爆発するのだ。
しかし数が足りない。日本攻撃隊が狙ったのは護衛空母を主体とする艦隊で水上の護衛隊も巡洋艦2隻駆逐艦8隻というやや貧弱なものである。そして護衛空母が18隻である。
そう正式空母などの艦隊はここにはいなかった。ソロモンの艦隊は唯的の航空兵力に打撃を与えるのが目的である。
話を戻す。1式陸攻は低空飛行で雷撃進路に入った。銀河が600キロ爆弾を甲板に殴りつけようとする。
護衛空母コパピーに600キロ爆弾が3機向かってきて1発が命中した。薄い甲板を突き破った後艦内部で炸裂した。缶室が爆発して火薬庫のものが次々爆発、最後には艦底に風穴を開け沈んでいった。
セント・ジョージ は魚雷1本を交わしたが2本が左舷に命中した。護衛空母は商船の改造艦だ。左に傾いたかと思うと、すぐに沈んでいった。
しかし1式陸攻は装甲があまりにも薄くすぐに火を吹いてしまった。これが後のワンショトライターとボロ空母の戦いである。
補給程度にしか使う予定だった護衛空母がこれほどの働きをするとは当初の米軍も思っていなかっただろう。
艦載機は30機程度で速度は18ノットの低速である。
他にはクロアタンやバーンスなどの計4隻を撃沈させハムリンとコアの甲板や艦橋などを使い物にさせなくなった。6隻撃沈 2隻大破させた攻撃隊がおった被害は零戦2機、1式陸攻13機、銀河4機が散っていった。これで米艦隊は200機の作戦を行える空母を失ったわけだ。
その艦載機はどうなったのか?
ワイルドキャットは陸上機と互角の戦いを繰り広げ数の差で有利に戦った。またアベンチャーなどもなんとか滑走路の1部を破壊し、水雷艇を1隻轟沈させた。また航空燃料の3割が消失してしまったのが1番の損失だ。
戦闘機35機撃墜確実10機不確実 攻撃機53機撃墜という大戦果を収めたがこちらの残った戦闘機は合わせて17機という有様である。
しかしあれだけの数相手にこれだけの損失で抑えたのは今後の戦果をみてもこれが最初で最後だろう。
そのころ俺たちは武蔵に乗りサイパン島の近くまできていた。
そのとき「距離2万 敵機200機 対空戦闘用意!」全員に緊張が走った。