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不沈戦艦武蔵 沈み行く戦友  作者: 賀来麻奥
ソロモン海戦
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来襲の予感

 1月31日 「派手にしてくれたもんだ猿どもは」ここはオーストラリアで瓦礫の片づけをしている兵士などがいてとてもやかましく文句を言っている。


 その時豪軍が訓練時に聞くいわゆる発砲の音が聞こえた。「おい何処の誰が撃ったんだ」「お前か?」「んな訳ねーだろ」兵士がふざけて撃ったとしか考えだれない状況のため指揮官も呆れていた。


 「なんだコブラでも出たのか」その時だったトラックが慌しく動き始めた。


 「誰が運転してやがる。ヤクでもきめたのか」行きなり豪軍を跳ね飛ばし始めた。「あいつは気が狂ってるのか!」兵士は絶叫の声を発しながら逃げそして退かれていった。

 「くそこっちに逃げろ」数名の兵士が瓦礫の山を越えてトラックから逃げたときだった。99式小銃を持った日本兵が5人ほど目の前に出てきた。「ジャップ!」気づいたときに3人の兵士が即死し残る2人は臓器をやられ虫の息だ。「なんてこった」薄れゆく意識の中で豪軍兵士は何か熱いものが頭をえぐったという感触を味わい死んでいった。


 この日瓦礫撤去や不発弾処理をしていた豪軍に日本の伏兵が襲い掛かった。前の晩に降り注いだ白き花とは落下傘だった。

 食料はわずか2日分で手榴弾2個、小銃一丁と装備もやや少なかった。だが防弾装備については1部の兵士は亀の甲羅のようなものを背負っていた。これは試製亀甲型防盾と呼ばれ本来はトーチか陣地などの突破に使用される。

 試製というのは名ばかりで実戦でもつかわれている。重量は30キロとやや重いが装甲厚は6ミリで小銃弾程度なら跳ね返せる。

 今回日本兵はこれを隠蔽に使えないかということで1部の兵士にこれを装着させた。降下するときはさぞかし不安だっただろう。

 さらに残りの兵士には九三式軽防盾というのを渡していた。これはその名のとおり盾のようなものだ。普段は背中に背負っていて打ち合いになれば前に持っていき、盾にのぞき穴があるからそこから撃つ。装甲は3ミリだが重量はわずか3キロだ。


 この2パターンの兵士はその後、殺した豪軍兵士の軍服を着て内地に入っていった。


 「どうだ豪軍撹乱作戦のほうは」陸軍の山下奉文は参謀に尋ねた。「まだ情報は入っていませんが少なからず損失を出していると思われます」「豪軍の動きがなくなればソロモンは対アメリカ陣地として立派な働きができるはずだ」果たしてこの作戦は正しかったのか?



 その頃俺たち武蔵の乗組員は酒を飲んでいた。やや前線にいながら酒が飲めるとは幸せだ。「おいおい只一だったかなお前もこっちこいよ」と10人くらいの集まりがあったところに俺は誘われた。

 「俺は竹浜お前と同じ弾薬補給係だ。いや何回もあってるから顔くらい知ってるだろうけど」「で、こいつが健太だ」竹浜という男が自己紹介と友人の健太という新しい友人を紹介してくれたそして竹浜は「貴様は只一だったかな」と聞かれたので「そうだ」と答えた。"貴様"とは今でこそ

悪口のように扱われているがこの時代は同僚などで使われていた。さらに前では目上の人に使う敬語だったそうだ。


 その後は1時間ほど語り合い交流を深め寝室に戻り寝た。



 「何、日本兵がわが軍に変装し工作を行っているだと!!」オーストラリアの提督アレグザンダー・ホア=ラスヴンは驚きの声を上げた。「で、被害などは出てるのか?規模と場所は?」若干取り乱している提督に対して慎重に言った。「はい現在敵は空爆したダーウィンにいます。潜伏兵の数は50名もいないそうですが、わが軍に化けて既に100名に被害が出ています。またトラック等が・・・」話している途中に「それを今何人体勢で捜索している」「瓦礫撤去などを中断させ1個連隊で捜索させてます」「分かった。1人残らずやるんだ。捕虜がいたら連れて来い」「分かりました」連絡員が去ると、ホア=ラウンズは怒りを机にぶつけるかのように力任せに殴った。



 

 その頃アメリカではルーズベルト大統領が満足そうな顔をして書類を見ていた。「これで日本は後1年で降伏させれるね」「もちろんです」マーシャル参謀長もうなずいた。「フフ、空母7隻 護衛空母20隻 艦載機1100機 戦艦8隻 巡洋艦20隻 駆逐艦60隻これで攻撃か」「はい無効化させこの島に上陸し、1週間で占領します」マーシャル参謀長が胸を張っていった。「死傷者はどれくらい出る?」ルーズベルトが不安そうに聞く。「1万2000と思われます」「そうか可能な限り少なく収めよ」「了解しています。猿どもに正義の鉄槌を食らわせますよ」



 「米軍はそろそろ動くだろうね。侵攻場所は何処だろ思う」豊田副武海軍大将が尋ねた相手は山口多聞だ。「ソロモンのラバウルやガダルカナルを占領し島渡りをしてくると思います」そうすると豊田はわしもそう思っていたが…神重徳を知っているだろう」「はい、何か敵が奇策でも」「そのとおりだ神はなんとサイパン島に敵は来ると考えているそうだ」「サイパンですか」「そうだ、サイパンをとってラバウルやガダルカナルは海上閉鎖で無力化させるつもりだろう。ラバウルはともかくガ島は食料が自給できないそうでないか」「長官は私に何をやれといおっしゃるのですか」「南雲機動部隊はサイパンに送るそのため、ソロモンで敵の航空兵力を撃退してもらいたい」

 

 そんなことも知らず俺は元気に訓練をしていた。

 南雲機動部隊の援助が得られないまま山口はソロモンの航空兵力を任された。

 そこに米軍の艦隊が迫っていた。

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